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693 【真・結城編】夜はまだまだ終わらない?


 六百九十三話  【真・結城編】夜はまだまだ終わらない?



 あれから小畑と多田がオレと三好の部屋へ。

 どうやら向こうは向こうで自由に過ごしていたらしく、エマと水島は1対1であの『古今東西ゲーム with 神経衰弱』を対決。 結城と西園寺はそれぞれ親と電話をするために外に出て行った……とのことだった。



「それで佳奈と福田はどーだった? イチャイチャできたのー?」



 小畑がドSスマイルで三好の顔を覗き込む。



「は……はああああ!?!? するわけないじゃん!!」


「えー、せっかく最高の罰ゲームを美波ちゃんがプレゼントしてあげたのにー。 でもそれだと罰ゲームになってない……ルール違反になるよー?」



 三好が何も行動に出ていないと受け取った小畑が更なるペナルティを考え始める。



「ちょ、ちょっと待って小畑さん! 三好ならちゃんと彼女役を演じて……!」


「そーなの福田。 ちなみに佳奈、何してくれたん?」


「それはそのーー……」



 い、言えるかああああああああ!!!!!



 どの口が裂けて『パンパンするためにお尻を突き出してくれました!』とか、『一緒に知識をつけるためにエロアニメを見ました!』とか言えようものか!!!

 そんなこと口にしてしまった日にはオレだけでなく三好までもが完全に変態キャラ……痴女になってしまうではないか!!! 



 三好のイメージだけでも守ってやらなくては。



 オレは視線を泳がせながら「え、えーと……手とか繋いでくれたよなー?」と三好に話を振る。

 すると三好もオレのアイコンタクトに気づき、「そ、そうだよ手握ったもん……! ちゃんと恋人っぽいことしたんだからそれでいいっしょ!?」と勢いを取り戻して胸を張った。



 ーー……のだが。



 三好と付き合いが長い分、その威勢の中に見え隠れする僅かな動揺を小畑のドSセンサーが察知。

 目を細めて三好に顔を近づけると、「えー? 手ぇ握っただけで恋人? それはないわー」と煽りながら三好の手に自身の指を絡める。



「は、はあああ!? いいじゃん、恋人っぽいじゃん!!」


「ほほーん、佳奈の中では手を握っただけで恋人かー。 お子ちゃまだねー」


「そ、そんなことないし!!」



 おいおい三好。 挑発に乗ったら小畑の思う壺だぞ。

 オレがアイコンタクトでそのことを三好に伝えようとするも残念なことに今回は三好には届かず。 三好は「私だって色々知ってるんだから!!」とフンッと鼻を鳴らした。



「そっかー、佳奈色々と知ってるんだー。 例えばぁー?」


「例えば!? そ、そうだなー……例えばそう、き、キスとか!!」



『キス』という単語が恥ずかしいのか、三好が小畑から視線を外しながら答える。



「おー、いいじゃんキス。 んで佳奈、キスしたん?」


「は、はあああああ!?!? するわけないじゃん!! なんで付き合ってもないのにキスしないといけないのさ!!」


「だって今は福田の彼女だし?」


「『役』でしょ!! 彼女役!! 役なんだからそこまでするわけないっしょ!!!」


「でももしキスしたら福田、佳奈のことめっちゃ気になっちゃうかもよ? そしたらどう? 晴れて2人は両想……」



「うわあああああああああああああああああ!!!!!!」



 ん?



 一体小畑は何を言おうとしていたのか。


 オレは三好が途中で大声で叫んだため小畑の言葉を最後まで聞くことは出来ず。 

 少しは気になったのだが今後もこんな大声を出されては教師たちが駆けつけて来かねないからな。 オレは「まぁまぁ落ち着けよ」と三好の背中をさすり、興奮を落ち着かせることにした。



「ふ、福田だって何か言ってやんなよ。 美波、福田にキスしろって言ってんだよ?」


「おー、それは是非ともされてみたいものだな」


「は、はああああ?!!?」


「だーかーら、その大声やめろ? オレが先生に怒られちまうだろ」


「え、あ、そ……そうだった。 ごめん福田」



 オレの献身的なサポートもあり、少し時間はかかったのだが三好はいつも通りのテンションに。

「あぁ……もう大丈夫、ありがと福田」と深呼吸をしながら、背中をさすっていたオレに感謝を述べたのだった。



 ていうかエロアニメで知識を正しておいて正解だったぜ……もし教えてなかったら三好のやつ、普通に『パンパンしたもん!!』とか言ってそうだよな。



 ◆◇◆◇



 時間を確認するともう既に夜の10時過ぎ。

 そろそろ皆も眠そうな表情をしていたため、オレは同室の男子たちから託されたミッションを遂行した後誰にもみられないよう速やかに部屋へと戻る。



「ただいま。 とりあえずみんなの推しの写真を撮ってきたけど……欲しいよね?」



「「「いるーーーーー!!!!」」」



 オレは各々に各推しの写真を送信。

 それらを受け取った男子たちは皆声をあげながら大歓喜……下半身を押さえながらトイレへと駆け込んでいく。



「おいおいみんなしてムラムラし過ぎだろ」



 ーー……オレが言えたことじゃないけどな。

 西園寺のパンツや結城の靴下を履いた時も興奮してたのだが、一番はあれだ……三好がお尻を突き出してきた時はマジでヤバかった。



 気づけば部屋にいるのはオレ1人のみ。

 どうせならあいつらのイビキで眠れなくなる前に寝てやろう……そう考えたオレはスマートフォンでアラームを設定して早々に寝る準備をしていたのだが。



「ん、メール……誰だ?」



【受信・結城さん】もしまだ起きてたら返信ほしいな。



お読みいただきましてありがとうございます!!

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