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69 三好の初めての!


 六十九話  三好の初めての!



 

 「ーー……マジか」



 ラブカツオーディションお昼休憩。

 オーディションには一次審査がありその後最終審査になるのだが、まさかの三好たちは一次審査を通過したのだ。

 ぶっちゃけ他にも可愛すぎる子とかたくさんいたから「これは落ちたな」とか思ってたんだがな。



 「へへー! 結構私らやるっしょ!」


 

 近くの定食屋で三好がフフンと鼻を鳴らす。



 「いや、これは確かにすごいわ。 てかいいの? あっちに座らなくて」



 オレは座敷の席に視線を向ける。

 そこには工藤・多田・小畑の他に三好・多田・小畑の保護者、あとは応援に来ていた優香が座って楽しそうに盛り上がっている。



 「うん、行きたくないし。 だってお兄いるじゃん」


 

 三好が座敷席で座っている高校生男子に視線を向ける。


 ーー……なるほど、あれが三好の兄か。 悔しいが中々にイケメンだ。

 しかしあれだな。 優香が近くにいるのもあってか優香と三好兄はお互いに違う方向を向いて話しているっぽい。



 「でも三好、ちゃんと応援しに来てくれてんじゃん。 いい兄ちゃんじゃないか」


 「違うし! 今朝だって私が落ちるのを見届けてやるって言ってたんだよ!」


 「マジか」



 これは結構どころか、かなり仲悪そうだな。

 しかしこんな暗い空気のまま三好を最終審査に挑ませるのもアレだよな。 少しでも話題を変えてやらないと。

 そんなことを考えながら必死に話題を探していると三好がオレの服の袖を引っ張る。



 「ん? なに?」


 「あのさ、私らいけると思う?」



 三好が少し不安そうな表情でオレを見る。


 

 「なんだ急に」


 「だってさ、実際に落ちちゃったらまた私お兄にバカにされるネタが増えるわけじゃん? それはキツいかなって」


 

 三好は不安からなのか私服には着替えているものの外し忘れていたバナナのネックレスをクリクリと指先で弄りだす。

 やっぱ三好も女の子。 そういう形が気になるんだな。

 深い意味はないけども。


 ーー……よし!



 「なぁ三好」


 「なに?」


 「お前がそれが好きなのは分かった。 オーディション通ったらそういう系の本をたくさん読ませてやろう」


 

 オレは腕を組んでドヤ顔を決める。



 「ーー……は?」


 

 三好の頭上にはてなマークがいくつも浮かび上がる。



 「福田あのさ、そういう系ってなに?」


 「いやだから三好アレだろ、【ラブ☆ピュッピュ活動】を読んだせいでそのバナナが変に気になりだしたんだろ?」



 オレは三好が弄っているバナナのネックレスを指差す。



 「は!? 福田何言ってーー……!」


 「照れんな照れんな。 オレが今三好の履いてるパンツが気になるように、お前も未知なるものを見たいんだよなその気持ち分かるぜ。 だから自分に正直になれよ」



 オレは三好の背中に手を回してポンポンと叩く。



 「ま、まぁ……少しは気になるけど」



 三好が顔を赤らめながら小さく呟く。



 「ちなみにどのページのどんなシーンが頭に残ってるんだ? 教えてくれればそういうシーン多めのやつをピックアップしてやるぜ」



 オレは手元にはなくとも脳内には今まで読破してきた大量のエロ漫画の情報がある。 タイトルもなんとなく覚えているから工藤に買ってきてもらえば何の問題もない!



 「ーー……違うの」


 「え?」


 「私がこれ見てやらしいって思った理由はあの本じゃないもん」



 三好はオレから視線を外してバナナのネックレスをギュッと握る。


 ーー……え、もしかして。



 「三好、お前実はそういう本今まで内緒で読み漁ってたタイプか! この変態め!」


 「は!? 何言ってんの!? 私あれが初めてだったんですけど!!」


 「じゃあ何見てやらしいって思ったんだよ」


 「ーー……」


 「おいおい、黙ってちゃお前に見せてやれないじゃないか。 オーディション通過した時、ご褒美させてくれよ」



 オレはクールにかっこよく囁きながら三好の肩を持つ。



 「ーー……無理だし」


 「なんで」


 「福田、絶対嫌って言うし」


 「は? 言わねーよ何だよ教えろよ」



 すると三好はゆっくりと視線をオレに向ける。



 「私がこれやらしいって思った一番の理由はね……」


 「うん」



 三好は意を決したように小さく深呼吸。 その後口を大きく開く。



 「前に福田がベッドから落ちた時、福田のーー……!!!!」


 「ーー……!!!!!」



 何かを察したオレはすぐさま三好の口をふさぐ。



 「まさか……あの時か」


 

 オレの問いに三好は恥ずかしそうに頷く。


 なんということだ……まさかあの時の光景が三好の目と脳に焼きついてしまっていたなんて!!

 そんなこと想像してしまったらもう……!!


 興奮したオレは三好の手を掴み席を立つと座敷席にいた皆に視線を向ける。


 

 「え、福田!?」


 「三好さんちょっとダンス不安っぽいから先に戻って練習しとくって。 だからオレも一緒に先に行ってるね」



 オレは皆にそう伝えると三好とともに駆け足で店を後にしたのだった。


 これ、ご褒美と称して合法的に……お互いに了承した上で楽しめるやつじゃねーか!

 何が何でもオーディション通過してもらわないと困るぜ!!


 その後オレは多田と小畑が合流するまで三好のダンスをチェック。

 三好のドレスを着ているキャラ、朝日アロハちゃんの細かい動作のクセをレクチャーし、更に磨きをかけていったのだった。



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