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68 オーディション当日!【挿絵有】


 六十八話  オーディション当日!



 さぁ、今日は待ちに待ったラブカツオーディション!!

 オレたちはゲームセンター近くにある小さな劇場に来ていた。



 「おい見ろよ森本……いや、ダイキ!! あれメロンちゃんの声優・新垣ユウナちゃんだぞ!! あ、あっちには桐生あかね役の斎藤ミカヅキちゃんまで!!」



 三好たち出場者の関係者ということで特別に中に入れてもらったオレと工藤は三好たちが着替えている間、舞台裏で打ち合わせをしていたラブカツ声優たちの姿を遠くから眺めていた。



 ◆◇◆◇



 「じゃじゃーーん!!」



 ラブカツの初代主人公・月宮メロンちゃんのドレス衣装を身にまとった多田がオレたちの目の前に。

 

 

 「ーー……!!!」



 なんだろう、シンプルに可愛いぞ!!

 衣装は緑が主体で所々に月のマークが入っているのだが、いい感じに多田とマッチしていて衣装に着られている感がまったくない!!

 工藤なんか犯罪ギリギリのような視線で多田の全身を舐め回すように見ている。



 「多田ちゃん、可愛いよ……ハァハァ……!! ちょっと右手上げてピースして見せてくれるかな??」


 「ん? こう?」



 多田は言われた通りに右手を頭くらいの位置まで上げてラブカツピース。



挿絵(By みてみん)



 うおおおおおお!!!! 最高やないかあああああ!!!


 オレは心の声を外に出さないように必死に我慢しながら多田に感想を述べる。


 

 「多田、いいぞ」


 「ほんと!? ウチ、結構イケてる系!?」


 「イケてるイケてる」


 「やった! さんきゅ福田ぁー!」


 

 多田はオレたちにいつもの元気な笑顔を向ける。

 てかこいつ全く緊張してないっぽいな。 もしかして人前に立つ才能あんのか??


 その後着替え終えた三好と小畑も合流。

 三好たち3人組とオレと工藤を含めた5人で雑談をしていると、少し離れたところにいた4組の堀田と野村の姿が視界に入ってきた。



 「あっ」


 「どうしたの福田」



 三好が頭上にはてなマークを浮かべながらオレに尋ねる。



 「いやさ、堀田と野村もいるなーって思って」


 「あー、いたね」


 「着替えてる時とか大丈夫だったの?」


 「流石にね。 監視の人いたし、それに美波が睨み効かせてたからさ」

 

 「ーー……なるほど」



 監視員と女王様の視線を感じたら流石にいらんことはできないか。 良かった良かった。

 オレが安心していると三好が周りに気づかれないようにオレの服の袖を引っ張る。


 

 「なんだよ」


 「てかさ、今更なんだけど私の衣装なんかエッチくない?」



 三好は顔を少し赤らめながら自らの衣装に視線を落とす。



 「そうか? 普通に可愛いと思うけど」


 「うん、それはありがと。 でもさ、これとかめっちゃやらしいじゃん」



 三好は首から下げていたバナナのネックレスを手に取る。



 「え、どこか?」


 「ほら、こことかさ、普通のバナナってここまで反り返ってなくない?」



 三好はグインと上に反り返っている部分を指先でなぞる。

 

 

 「いやそれはそのキャラの特性なんだから仕方ないだろ。 テンションが高いとそのネックレスのバナナも比例して反り返るってやつなんだから」


 「それにしてもさー……」

 


 「ねーえ、どーしたの佳奈ー」



 突然小畑が三好に後ろから抱きつく。



 「え、美波!? なに!?」


 「いや聞きたいのはこっちだよー。 なーにコソコソ福田と話してたのー?」


 「えぇ!? べ、別に大したことじゃないよ!」


 「ん? このネックレスがどうかしたのー?」



 小畑は後ろから抱きついたまま、三好が恥ずかしそうに持っていたバナナのネックレスに触れる。



 「ううん、どうもしないよ? ただ持ってただけ」


 「ふーん、それにしてもこのバナナさ、変な形だよねー」


 「えっ!?」



 三好の体がビクんと反応。 視線をオレに向ける。

 ーー……いやなんでオレを見るんだよ。



 「ん? どうしたの佳奈。 今ビクってしたよ?」


 

 小畑が首を傾げながら三好に尋ねる。



 「ううんなんでもないなんでもないから!」



 そんなやりとりをしていると主催者側から参加者へ集合の合図が。



 「あ、ほら佳奈、美波、集合だって。 行こ!」



 多田が三好と小畑の腕を引っ張る。



 「そうだね、ほら離れて美波行くよ。 いつまでそのネックレス触ってんの」


 

 三好がさっきからバナナのネックレスを触り続けていた小畑にツッコミを入れる。

 

 ーー……うん。 確かにあれからずっと小畑のやつ、バナナのネックレスを指で弄ってたな。


 オレは何も言わずに3人のやりとりをただ眺めていると、小畑は名残惜しそうな表情でネックレスに視線を向け、お別れの挨拶と言わんばかりのデコピンをバナナの先端に放つ。



 「あーん、なんかこのバナナさ、無性に先っぽ潰したくなるのなんでだろーー!!」


 「「ーー……!!」」



 その言葉を聞いたオレと工藤はなぜか反射的に内股になる。



 「知らないよ! ほら行くよ!!」



 三好はバナナのネックレスから小畑を引き離し、多田とともに小畑の手を引っ張り集合場所へ。

 オレたちは他のスタッフに誘導されながら関係者特別席・ステージ最前列の客席へと移動した。



 しばらくしてラブカツの曲が流れるとともにステージの幕が上がり司会者と声優たちが登場。

 ラブカツオーディションが開催された!!

 



下の方に☆マークあるので評価していってくれると嬉しいです!

感想やブクマもお待ちしております!


あああ…多田ちゃんも可愛いんじゃあ……!! 描いててキュンときました!笑

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― 新着の感想 ―
[良い点] 多田ちゃんもかわいいよぉ! いいですね! 挿し絵かわいいです。 ピースかわいい。 [気になる点] バナナいじる! バナナはいじっちゃダメ! しかも反ってるのダメ! ピュッピュッ!活動になる…
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