表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
659/733

659 【真・結城編】可愛すぎて胸いっぱい


 六百五十九話  【真・結城編】可愛すぎて胸いっぱい



 結城からの神がかったお誘いにより急遽ご飯へ行くことが決定。

 待ち合わせ場所は学校から少し行った先にある商店街の入り口前。 オレの姿を見つけた結城が満面の笑みで手を振ってきた。



「ふ、福田……くんっ。 こっち」



 か、かかか可愛えええええええええええええ!!!!!



 オレは結城のエンジェルスマイルにノックアウト。

 しかしここでニヤついてしまっては変な奴だと思われかねない……オレはなんとかポーカーフェイスで冷静を装いながら結城の前へと駆け足で近づいていった。



「お、お待たせ結城さん」


「ありがと。 ごめんね急に誘っちゃって。 電話でも言ったけど昨日のお礼したくて」


「ううん大丈夫! じゃあ行こっか」


「うん。 実は前から気になってたお店あるんだけど……福田……くん、そこでもいい?」


「え、うん」



 気になっているお店ってどこだろう。



 結城の提案を了承したオレは結城の後ろをついて行くことに。

 するとまさかの駅へと向かって電車移動……行き着いた先は褐色少女・陽菜と行ったことのあるトラウマ級のあのお店・スイーツバイキングのお店だった。



 店の看板を目にした途端、キュウウウウウっと危機感を覚えたオレの胃袋が一気に狭くなっていく。



「お……Oh、ここなんだ」


「うん。 最近ここリニューアルしたんだよ。 商品数増えたり、席とかも広くしたんだって。 でも私、行きたくてもママお仕事で疲れちゃってるから行けなかったんだ」



 なるほどな。 後はあれか、土日みたいな休みは結城のやつ、基本的に入院してる結城母のお見舞いに行ってたんだもんな……そりゃあ行く機会もないか。 



 オレが1人納得していると結城は続けて「福田……くん、もしかしてハンバーグとかある普通のレストランの方が良かった?」と確認を入れてくる。



「え、なんで?」


「だって今日はお礼だから……。 福田……くんが食べたいところを優先するよ」



 く、くそおおおおおおおおおおお!!!!!



 なんて気遣い……なんて心の器の大きい人間なんだ結城いいいいいいいい!!!!

 そんなの……そんなの決まってるじゃないか!!!!



 オレは迷わず結城の行きたかったこのスイーツバイキングのお店を選択。

 胃袋に『本気出せよ!』と気合を入れ、いざ店内へと入った。



 ◆◇◆◇



「へー、ここ注文式になったんだ」



 オレは壁に貼られていた紙を見て小さく呟く。



 なんでもリニューアルと同時にバイキング方式から注文式に変わったとのこと。

 マナーの悪い客が多くなってきたための苦渋の決断だったそうだ。 



 どこにでもマナーの悪いクソっているよな。



 そんなことを考えながらも案内された席へと到着したオレたち。

 早速注文して届けられるのを待っていると、窓際に座っていた結城が「あ、福田……くん、あれみて」と外の景色を見ながらオレに楽しそうに話しかけてきた。

 


「ん? どうしたの」


「あそこ、可愛い車走ってるよ。 全部がピンク色で……あんな車もあるんだね」



 視線を向けてみると確かに全体がピンク色のワゴン車。

 

 

「あーほんとだ。 『クレープ』って書いてるから移動式のクレープ屋さんなんじゃない? てか高いところからだからよく見える……結城さんってあんな派手な外装の車好きなんだね」


「うん。 可愛いの好きだよ。 あ、もちろんクレープも」


「なるほど」


「クレープのこと考えたら食べたくなっちゃった。 後で頼んじゃお、えへへ」



 んがあああああああ!!!! がわいずぎるうーーーーーーー!!!!!!!

 オレからしたらその微笑みこそが最大級のスイーツなんじゃああああああああああ!!!!!



 こうしてオレと結城はスイーツタイムを開始。

結城はかなりテンションが上がっていたのか、幸せそうにケーキやプリン、マカロンにポテトと、次々と口に運んで行く。



 あぁ、幸せな表情の結城、尊い。

 デスルートや不幸体質も無くなったことだし、これで結城も最大限に自分の時間を楽しめるんだ。



 オレはいつの間にか食べることも忘れて結城の食事風景に集中。

 するとそんなオレの視線に気づいたのか、結城が「ど、どうしたの福田……くん」と少し驚いた様子で尋ねてきた。



「え?」


「私、顔にクリームとか付いてる?」


「ーー……」


「福田……くん?」



 やっべ。 どう言い訳しよう。

 これからは幸せな未来が待ってるってことが嬉しくてつい……なんて言える訳も無い。

 オレは僅かに結城から目を逸らしながら必死に脳を強制回転。 とりあえずパッと思いついた返答を口に出してみることにする。



「あー、その今結城さんが食べてるパフェ、美味しそうだなーって思って」


「え、これ?」



 結城がキョトン首を傾げながらパフェに視線を落とす。



「うん、それ。 美味しい?」


「うん美味しいよ。 たまに散りばめられてるチョコチップも美味しい」


「そ、そっか。 じゃあ今度オレもそれ頼もうかなー、なんて」



 オレは「あはは」とわざとらしく笑いながらもなんとか話をつなげることに成功。

 結城が再びパフェにスプーンを入れたのを確認し、『今のは危なかった』と心で呟きながら目に止まったポテトに手を伸ばしたのだが……



「福田……くん、ひとくち食べてみる?」


「え」


「これ……」




「!?!?!?!?」



 一体……何が起こっておるというんだ。

 オレの瞳に映るのはパフェをすくったスプーンをゆっくりと差し出してきている結城。

 あまりの動揺でオレがフリーズしている間にも、結城は少し立ち上がりながらスプーンをさらにこちらへ近づけてきて……



 全世界の男が言われたいであろうあの言葉を口にしたのだった。




「はい、あーーん」



 お、おああああああああああ!!!!

 これってもうフラグ……オレのこと絶対好きだよねえええええええええ!?!?!?!?


 

お読みいただきましてありがとうございます!!!

次回、久々に挿絵入れます!!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ