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650 【真・結城編】なんてことだ!!!


 六百五十話  【真・結城編】なんてことだ!!!



 結城と優香のいる待機部屋から飛び出したオレ。

 向かった先は……まぁ特には決めてなかったんだけどな。 とりあえずオレが探したのは人の少ないところ。 適当に走っていると誰もいない休憩スペースを見つけ、オレはそこであの名前を呼んだ。



「美香……いや、神様いるか」



 そう口にするとどうだろう。

 やはり神は人を裏切らない……すぐにオレの背後から『いるのやぁー』と返事。 しかし声が前と違うような……振り返るとそこに立っていたのは美香ではない誰か。 ピンク髪で頭上に天使の輪っかを浮かばせたロリっ子が不気味に口角を上げながらオレを見つめていた。



「ーー……え」


『なんなのやー?』


 

 このロリッ子……どこかで会ったような気もするけど思い出せない。


 一体何者なんだ?


 天使の輪っかや背中についたミニマムな翼……見た目的に神様と同じ種族なのだろうと考えたオレはそのロリッ子に『あのー、神様は?』と尋ねることに。

 しかしそのロリッ子はオレの問いかけを聞くや否や不気味にニヤリと笑った。



『神様? そんなのいっぱいいるのや。 オニュシは誰のことを言ってるのやぁー? ちなみにワッチも神様なのや! それもそこらへんの神とは違いなんと上位ーー……』


「え、いや……それはそうかもそれないんですけどオレが望んでる神様って言うのは……」



 なんか一人で盛り上がり出したため途中で口を挟むとロリッ子は若干不機嫌そうに『まだ自己紹介終わってないのに礼儀がなってないのや』と口を尖らせる。

 その後ゆっくりと握った拳をオレに向けて突き出すと、さっきまでは何もなかったはずんだけどな……ロリッ子の拳の中に白く細い紐が出現。 それはかなり長く、曲がり角の向こうまで続いていた。



 な、なんだ? あの紐は一体……。



 オレが曲がり角の先へと続く紐へと視線を向けているとロリッ子が『なぁ、オニュシ』と声をかけてくる。



「は、はい」


『この紐の先……気になるかや?』


「え?」


『気になるかどうかを聞いておるのや!』


「え、あ、はい!! 気になる……気になります!!」



 なんだこいつ、おっかねぇ!!

 見た目的には完全なロリ天使なのに性格がワガママなメスガキすぎるだろーー!!!!



 とはいえこのメスガキロリッ子がオレの前に出てきたってことは何かしら用があるってことだよな。 だったらさっさと話してもらうとしよう……三好やドSの女王・小畑で散々鍛え上げられたメスガキホイホイスキル、とくと見よ!!!! 



 オレはすぐに行動を開始。

 ロリッ子の握っている紐に興味を示す様を装いながら「それでこれって何の紐なんですか?」とロリッ子に尋ねかけた。



『な、なんなのや。 いきなり積極的になったのや』


「そりゃあそうですよ。 いきなりあなたみたいな可愛い女の子が出てきたら誰でも警戒します……あなただって分かるでしょう男って生き物を。 可愛いかったり気になる女の子にはそっけない態度を瞬発的にとっちゃうものなんですよ」


『そ、そうなのかや? も、もちろんワッチだってそれくらい……オスの性質くらい知ってるのや』



 ロリッ子が明らかに嬉しそうに鼻を高くしながら握っている紐をクイクイと引っ張る。



 ーー……よし、第一段階成功だ。



 これぞドSの女王・小畑に効果的な『よいしょ作戦』。

 このロリッ子の気難しさがどこまでのものなのかは分からないが、もしもドSの女王クラスだとしたら序盤で機嫌を損ねたら面倒だからな……一旦おだてて心の壁を少しでも取り除いてもらう必要がある。

 だけどここでおだててばかりでは埒が明かないからな。 少し攻めてみるとしよう。



「そうなんですよ男って大変なんです。 それでその紐ってなんなんですか?」


『そんな簡単に言うと思うのや? ワッチを甘く見過ぎなのや』


「そうですか、ならいいです」



 オレはわざとらしく息を吐きながらロリッ子に背を向ける。



『見切り早すぎなのや!! どうしてなのや!?』


「いや実はさっきからトイレ……お手洗いを我慢してましてね。 なので早く知りたかったんですが……教えてくれないのなら仕方がありません。 ここで漏らすと周囲に迷惑がかかりますし、諦めてトイレ行ってきますさようなら」


『待って……待つのや!! 分かったのやすぐ教えるからもうちょっと我慢するのやーー!!!』



 ニヤァ!!!



 ちょろい……ちょろすぎる!!!!

 こんなにあっさりと引っかかってくれるなんてえええええ!!!!



 これぞ三好に効果的な『振り回し作戦』!!!。

 三好みたいな少しでも優位に立ちたいタイプのメスガキは言いたいことがあっても『どうしよっかなー、言ってほしい?』って焦らしてくるからな。

 だけど本当は早く話したくて堪らない……なのであえて今話せないかもという状況を作ることで、『あー、わかった!! 言うからちょっと待ってー!!!』とすぐに口を開いてくれるというわけだ。



 ロリッ子の方へ向き直るとロリッ子が『も、漏れそうなら仕方ないのやねぇ』と呟く。

 その後『すぐ終わるから我慢してるのや』とオレに一言続けると、『じゃあ……とくとみるのや!!!』と曲がり角の奥へと続いているのであろう紐を強く引っ張った。

 


 ◆◇◆◇



 これは……一体何が起きているんだ?



 ロリッ子が力強く紐を引っ張ると、曲がり角から身体をぐるぐる巻きにされたおじいさんVERの神様がトボトボと歩いてくる。



「え、か、神様……?」


『だ、ダイキ……』


「ど、どどどどうして神様、そうなってるんだ?」



 そう尋ねてみるとどうだろう。 神様はオレと目が合うなり深々と頭を下げてくる。



「ーー……ん?」



『すまぬダイキーーーー!!!! 茜ちゃんに酷いことしてたメスガキで遊んどったらコヤツ……見回りの神に見つかって捕まってしもうたあああああああ!!!!』



「なああああにいいいいいいい!?!?!?!?」


 

お読みいただきましてありがとうございます!!

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