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646 【真・結城編】気になって仕方がない!


 六百四十六話  【真・結城編】気になって仕方がない!



 オレたち『デスティニーランド組』は他の『海』や『山』と違い当日帰省のため夕方過ぎにはバスに乗り学校へ出発。

 車内では体力の限界まで遊びつくした生徒たちの寝息が至る所から聞こえてきていた。



「くくくっ……、ねぇ見てよ福田。 桜子、親指しゃぶってるー」



 懐かしのバスの最奥・6人掛けの席。 車酔い防止の為オレの上に乗った三好がクスクスと笑いながら隣で横になり眠ってしまっていた結城を指差した。

 もちろんオレはそんな三好の言葉に即座に反応。 視線を三好の指差した先へと向けると、確かに結城は親指の先を唇に当てながら可愛い寝息を立てている。



「おお……これはこれは」



 たまに親指をチュパっとするところが限りなくエロい。

 結城はもともと幼い顔だけど、こういう幼女のような仕草をすると更にロリに拍車がかかって堪らないんだよな。



 オレがそんな結城の寝顔・仕草をガン見していると、三好が「ちょっと福田、興奮すんのやめてくんない?」と若干顔を赤らめながら振り返ってくる。



「は? 興奮? してねーし」


「ウソつくなってのー。 普通に固くなったのが私のお尻に当たってるかんねー」


「勘違いするな三好、これはお前が乗ったときからずっとそうだ」



 ちくしょう、ぶっちゃけオレもかなり眠たいがこうも興奮してしまっては寝落ちどころではない。

 ていうかこういう状況で寝るという選択をするということ自体が間違っているのだ。



「ふ、ふん。 ほんと変態だよね福田って」


「いやこうなってるのはお前のせいだろオレは悪くない」


 

 あぁ……バスの揺れでどことは言わないけどフニフニ当たって気持ちいいんじゃあ……!!



 学校に到着するまで残りまだ1時間以上。

 オレはそんな快感と眠さに挟まれながらもバスの時間を満喫しようとしたのだが……



 ガタンッ!!



 急な落差でもあったのだろう。 バスが一瞬大きく揺れる。

 そして三好は咄嗟に自身の脚をオレの脚に絡めて落下を逃れ、「あっぶなー」と安堵の息を漏らしながらもたれかかってきた。



「おわわー、今の結構揺れたねー。 危うく落ちかけたよー」


「そうか。 それはよかったな」


「ほんとそれねー」


「そしてすまん三好」


「ん、なにがー?」


「出ちまった」


「ーー……へ?」


「今の衝撃と三好の咄嗟の圧迫で……出ちまった」



 クシャミがね。



 一番後ろの席で助かったぜ。

 流石に教師たちには臭いでバレる可能性があるためオレはさりげなく窓を少し開けて臭いの充満を回避。 オレの発言により更に顔を赤らめた三好を見て、より興奮してしまったのだった。



「うげー……なんかお股らへん濡れてきたー」


「それはどっちの意味でだ?」


「へ?」


「いやだから、オレのが浸透してきてるのか、三好が自ら出してるやつなのか」


「はぁ?」


「いや、なんでもないですすみませんでした」



 ◆◇◆◇



 バスが学校へ到着するとそこで各自解散。

 皆「楽しかったねー」などと感想を言い合いながら帰っていく中、三好は……引率教師から連絡が行っていたんだろうな。 母親が車で迎えに来ていたらしく、「ほら、このまま病院行くよ」と半ば強引に三好の腕を引っ張っていく。



「えー、もう私大丈夫だって! だからもうちょっと話させてよー!」


「何言ってんのこの子はもうー! 今は薬が効いてるだけで夜にはまた熱ぶり返すんだからさっさと来なさい」


「うああああああ!!! 桜子、福田、またねーー!!!」



 三好のやつ、翌日が休みでちょうどよかったな。


 オレと結城は母親に連行されていった三好の姿を見送るとオレたちも帰ろうかという話に。 いつもより遅い時間だったこともありオレが「家まで送ろうか?」と提案すると、結城は笑顔で首を横に振った。



「ううん大丈夫だよありがとう」


「そうなの?」


「うん、職員室にママいるし、今日はエルシィも一緒なんだ」


「あーそうか。 エマが海で一泊二日なんだもんね」


「そう、ママがエマにエルシィ預かるから好きなところ行ってきていいよって言ったんだって」



 ふむ、流石は高槻さん……愛に溢れているぜ。


 それにしても今夜は高槻さんと結城、エルシィちゃんは一緒に寝るんだろうか。

 ウッヒョオオオオオ!!! オレもそこに混ざりてえええええええ!!!!!



 どうやら高槻さんとエルシィちゃんの2人は結城が帰ってくるまで職員室で遊んでいるとのこと。

 予定では結城と合流した後に一旦結城のお土産を病院へ持っていき、ファミレスでご飯をするといった流れになっているらしい。



「そっか。 じゃあ2人を待たせてもあれだしオレは帰るよ。 お母さんによろしく言っといて」


「うん、ありがと福田……くん」



 結城はエンジェルスマイルをオレに向けると、「あ、それとこれ……はい、お土産」とオレに中身の入ったビニール袋渡してくる。



「え、あ……そうだった忘れてた。 ありがとう結城さん」


「うん。 中にお姉ちゃんのと美咲ちゃんのも入ってるから一緒に渡してくれると嬉しいな」


「分かったちゃんと渡しとく。 ちなみにオレのは……これかな、ちょっと大きめの青色の包装紙の」


「あっ!」



 オレがその場で開けようとしていたのを見た結城が咄嗟にオレの腕を掴み制止。 驚いたオレが結城の顔へ視線を上げると、結城は恥ずかしいのかほんのりと頬を赤らめた。



「ん? 結城さん?」


「その……目の前で開けられたら恥ずかしいから、おうちに帰ってから見て欲しいな」



 ズキュウウウウン!!!!



 天使にそう言われたら守るしかない。

 中身を早く見たかったオレはスーパーダッシュで家に帰ることに。 そして家についていざお土産を開封しようとした時、三好からメールが届いた。



【受信・三好】今日はごめんねー。 診察してもらったらやっぱ私風邪ひいてたっぽい。 薬の効果切れてきてて若干熱出てきてたわー。 今車で絶賛ママのお説教タイムを聞き流してるなうー。



 おいおい大丈夫か三好のやつ。

 オレにメールする気力あるなら寝ておけっての。



 早く安静に……ゆっくりして欲しいオレはあえて三好のメールを無視することに。

 しかしその数分後、連続して三好からのメールが届く。



【受信・三好】やっぱさ、怒った?



 ーー……は? なんで?



 ぶっちゃけメールを返したくなかったオレだったのだが、そこで止められてはどうも気になりすぎてムズムズする。

 ここは簡単に聞くだけ聞いてまたすぐ中断しよう。 そう心に決め三好とのやりとりを開始したわけだが……



【送信・三好】なんでオレが怒らにゃならんのだ。


【受信・三好】だってさ、私……ちょっと記憶が曖昧なところもあるんだけど、桜子に福田の秘密……いじめが原因で飛び降りた福田と今の福田が別人格だってこと、言っちゃったような気がしてさ。



 ナ、ナンダッテエエエエエエ!?!?!??!?



お読みいただきましてありがとうございます!!

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感想やブクマ・評価・レビュー・いいねお待ちしておりますーー!!!

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