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632 【真・結城編】最悪の予想!!


 六百三十二話  【真・結城編】最悪の予想!!



 あれ、オレは悪い夢でも見てたのか?



 目を覚ますとオレは保健室のベッドの上。

 若干痛む下半身を摩りながら起き上がると、エマが「あ、起きたのね」とオレのおでこを指で弾いた。



「いてっ……てかオレいつの間に寝てたんだ?」


「いつの間にって……ていうかなんて悲壮感漂う表情してんのよ」


「そんな顔してるか? 実はさ、とんでもなく悪い夢を見たんだ」


「悪い夢?」


「あぁ、結城さんが転校しちゃうっていう……」


「いや、それ現実よ」


「え」


「それ聞いてダイキ、ショックで失神しちゃったんじゃない」


「ーー……」



 あー、なんかそう言われたら色々と思い出してきたぞ。

 そうだ、結城が急に泣き出して、それをエマに見つかって勘違いされて急所を蹴られて……その後保健室で話を聞こうってなってあぁなったんだ。



「そうだったな、思い出した」



 オレは項垂れながらもベッドから降りると、エマにオレがどのくらい気を失っていたのか尋ねる。



「いやもう放課後よ。 かれこれ2〜3時間は寝てたんじゃない?」


「マジ!?」


「それで流石にダイキを起こそうって思って保健室寄ったらちょうど起きたのよ」


「そうだったのか……」


「あ、そうそう。 算数のノートはエマが代わりに出してあげといたから感謝しなさい?」



 おお、さすがはエマだ。

 ていうか今気づいたんだがエマのやつ、オレのランドセルまで持ってきてくれてるじゃないか。



「何から何まですまんな」


「気にしないで。 エマの方が中身は年上……アンタよりもお姉さんなんだから」



 ーー……うん、実は中身でいうとオレの方が年上なんだけどな。 言うつもりないけど。

 もし言うとしたらそう……エマと付き合うことになったりする場合にのみカミングアウトするんだろうな。



「そうか、じゃあ今後もお姉様には甘えさせてもらうよ」


「はー? 調子乗らないの」


「てか結城さんは?」


「もう帰ったわ。 入院してるお母さんのところ行くみたい……今回の引っ越しの件もお母さんの為らしいわよ」



 お母さんのため……か。



 どうやらエマはオレが気を失っている間に結城から色々と教えてもらったとのこと。

 オレはエマにその内容を教えてもらいながら二人並んで帰路についたのだった。



 内容としては……なんか大変そうだったぞ。


 まず引っ越しを提案したのは母親代わりの高槻さんだったらしい。

 高槻さん曰く『いつでも会えたら嬉しいでしょ』とのこと。 今まで密かにいつでもそれが出来るよう動いてくれていたらしいのだが、今回結城の母親の容態が急変したのをきっかけに結城に早めに持ちかけた……とのことだった。



「え、じゃあ結城さん……別に遠くに引っ越すってわけじゃないんだ」


「そうね。 でももちろんそうなった場合は、もういつものように一緒に学校には行けなくなるけどね」


「そうか……それは寂しいな」


「ね。 まぁでも引っ越ししたら校区は変わるけど、特別に同じ小学校に通っていいって許可が出たのはありがたいわね」


「確かに……校長には感謝だぜ」



 いやはや、今回はエマがいてくれて本当に助かったぜ。

 もしオレが結城に1対1でその話をされたとしたら、結城の『引っ越しする』の言葉だけでおそらくオレは大発狂……あまりのショックで会話を放棄しその場から逃げ出して、完全に結城が遠くに引っ越すって勘違いを起こしてしまってたに違いない。



 そう考えたオレは改めてエマにもお礼を言うことに。

 突然オレから感謝されたエマも最初こそ驚いてはいたが、「まぁいいわ。 ならその気持ちをエマにじゃなくて、エルシィに返してちょうだいね」と優しく微笑んだ。



「任せろ。 ちょっとでもエルシィちゃん関連で悩んだことがあったらすぐに連絡してくれ。 夜だろうと深夜だろうとすぐに駆けつけるぜ」


「そう? じゃあエマ、最近夜は遅くまでモデルの勉強してるんだけど……たまにでいいからエルシィが眠るまで話し相手になってくれないかしら」


「構わん! エルシィちゃんが望むなら、休みの日に遊びに行くこともやぶさかではない!!! もしレッスンとか急に入ったりしてエルシィちゃんと遊びに行く予定が狂いそうになった時も教えてくれ!! エマの代わりにオレが行く!」


「ーー……それ、単にアンタがエルシィとデートしたいだけなんじゃないの?」



 ぎく。



「あ、図星?」



 エマがジトッとオレを見つめながら首を傾げてくる。



「そ、そそそそんなわけねーだろ!! そんだけオレは今回のことでエマに感謝してる……その恩を少しでも多く返したいだけなんだよ!!」


「ふーん、まぁそう受け取っておいてあげるわよ。 じゃあその時はお願いするわね」


「おう!!」



 そんなことを話していると、いつの間にかマンション前に到着。

 エマとともに階段を上り、3階フロアでエマに「んじゃダイキ、また明日ねー」と手を振られたのだが……



「あ、ちょっと待ったエマ!」


 

 突然、とあることを思い出したオレはエマを引き止める。

 


「なに?」


「最後に聞き忘れてたことがあるんだけど」


「聞き忘れてたこと?」



 オレは改めてエマに向き直ると小さく深呼吸。

 若干緊張しながらあの件について聞いてみることにした。



「あのさ、結城さん……オレと話してる時に泣いてただろ? あの理由もエマ、聞いたんだよな?」


「え、あぁ……うん。 聞いたわね」


「なんで泣いてたんだ? マジでオレ、変態なこと無自覚でしてて結城さんビビらせちゃったのか?」



 学校も変わらないわけだし、引っ越しが決まっただけで泣くってことは到底信じられない。

 確か結城は『ううん、福田……くんは何も酷いこと……してないよ』って言ってくれてたけど、それはオレが目の前にいてエマにブチ切れられてたのもあり、気を使ってくれた可能性もあるしな。

 

 もし実際に酷いこと……いやらしい目線を送ってた等をしていたのなら全力で謝らなければならない。

 オレは自分が何をしてしまったんだという100パーセントオレが悪い方向で考えながらエマの言葉を待つ。

 しかしエマの答えは意外なもので……



「あーー、それはあれね、別に悪い意味じゃないからいいんじゃない?」


「え」


「それは直接桜子から聞いた方がいい……エマから言えるのはそれくらいね」


「ちょ」



 なんと無慈悲なことか。

 エマは「んじゃ、今度こそバイバイ」と手を振りながら階段を上っていく。



「えええ、エマ、そんなあああ!!! 教えてくれよおおおお!!!!」


「気になるなら直接本人に聞きなさい。 どんだけ根性なしなのよ」


「根性なんてねえよ!!! オレが根性出す時なんてクソ野郎やブスなモブを地獄に落とす時……あとはエロくらいだ!!」


「はいはーい、チェリーくん頑張ってねー」


「オメェもチェリーちゃんだろうがああああああああ!!!!!」



 結局エマからあの件について聞くことはできず。

 これは結城にどう聞けばいいのだろうか。 そんなことを考えながらメール画面を開き文章を考えていたオレだったのだが、なんと言うタイミング……結城からちょうどメールが届いたのだった。



【受信・結城さん】突然ごめんね。 明日学校終わりに、ママの病院一緒についてきてくれないかな。



「え」



【送信・結城さん】えっと……なんで?


【受信・結城さん】なんかママが福田くんと久しぶりにお話したいんだって。



 ーー……。



 あれ、エマは別にオレは悪くない的なこと言ってくれてたけど……



 これ、オレ結城のママから怒られちゃうやつなんじゃねえのおおおおおお!?!?!?

 そんなのってないぜええええええええええ!!!!!




お読みいただきましてありがとうございます!!

【結城編】と少しずつ変わってきましたね!!

感想や評価・レビュー・いいね等、お待ちしております!!!

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