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621 【ギャルJK星編】掴んだ情報!!


 六百二十一話  【ギャルJK星編】掴んだ情報!!



 えー、エルシィちゃんの発言がなぜか採用されまして、本日通販サイトから届きましたのはーー……



「んー、やっぱり上着羽織らないと膨らみ隠せないなー」



 黒髪短髪ウィッグを被ったボーイッシュコーデの優香が前髪をくるくるさせながら鏡で自身の姿をチェックしている。

 顔バレのリスクを少しでも回避するために黒縁メガネまでしているという徹底ぶりだ。

 そしてそれを隣で楽しそうに眺めているエマ。



「うわあああ優香さん、めっちゃイケメン……ねぇ、『エマ、こっち来いよ』って甘く囁いてくれます?」


「えええ? じゃあ……コホンッ、エマ、こっち来いよ」


「ひきゃああああああああああああ!!!!!」



 腰を抜かしたエマがその場でペタリと座り込む。

 オレはそんな2人の姿を死んだ魚のような目で見ていたのだが……



「ダイキ、おんなのこは、あしをひらいちゃ、メー、なのよー?」



 両足の感覚を空けて立っていたオレの太ももをエルシィちゃんがパシパシと叩いてくる。



「いやエルシィちゃん、別にここ家の中だし大丈夫でしょ」


「だーめ。 おうちでできないことは、おそとでもできないのよー? エマおねーたん、いってたぁー」


「ーー……そうなの?」


「そうなー。 だからエッチー、おそとでも、にんじん、たべれなー」


「そ、そうなんだ」



 それとこれとはジャンルが違うような気もするんだが……まぁ仕方ない。



 オレは言われた通りに両脚の感覚を狭めて若干内股に。



「んー! よくなたねぇ」


「ど、どうも?」



 エルシィちゃんは満足そうに微笑みながらオレに天使のスマイルを向けている。 

 しかし……しかしだ。 オレにはどうしても尋ねなければならないことがあるんだ。


 それはだな……



「ていうかなんでオレだけ女物のパンツまで履かなきゃならんのじゃあああああああああああああ!!!!!」



 一周回って恥ずかしさを通り越したオレはワンピースのスカートをめくり上げながら優香とエマのもとへ歩み寄った。



「ちょ、ちょっとダイキどうしたの!?」



 優香が驚きながらオレの方を振り返るも、それよりも強烈な反応を示したのはオレの股の位置に顔がある座り込んだ体勢のエマ。 「もーダイキ!! それ以上エマに近づけるのやめなさい……ていうか片方はみ出てるわよ!! 早く収めなさいよ!!!」と両手を突き出してオレの進行を妨げてくる。



「仕方ないじゃねーか!! 布の面積が狭すぎ……んでピチピチすぎて窮屈なんだよ!!!」


「大丈夫でしょ! アンタのなんかそんな立派なものでもないんだから!!」


「ガーーーーン!!! エマ、お前言っちゃならんこと言ったな!! 今に見てろよ……成長期が来たらすごいことになるんだからな!!!」


「なんでまたエマに見せる前提なのよ!!!」



 エマが「とりあえず早くそれ直しなさいよ!」とそこに視線を向けたままオレの太ももをポカポカを殴ってくる。

 ちっくしょおおおおお!!! オレの気持ちも知らないでこのやろおおおおおおお!!!!!



「だからこの布の中に収めることが難しいの!! そこまで言うならエマ、お前が直してくれよ!!! ほら!!!」



 オレが腰を突き出すと一気に顔を赤らめていくエマ。

「やめなさいよ!」と必死に訴えかけてくるもオレは一切引く気はなく更に突き出していく。



「ちょ、近づけないで……形がくっきりしすぎてて気持ち悪いのよ!!」



 くっきりしすぎてるって……、一体何の形なんだろうね。

 試しに聞いてみたもののエマは近くに優香やエルシィちゃんがいるからなのか、「だ、だから……ゴニョゴニョ」と誤魔化すように小さく呟く。



「んー!? なんて!? 聞こえないなあああ!!」


「だあああ、もう!! 言わなくても分かるでしょ!! ていうかなんでちょっと大きくしてんのよ!!!」



 第三者から見たら下半身を押し付けようとしているオレとそれに抵抗しているエマ。

 明らかにオレの方が100パーセント悪者的な立場だったのだが、その小競り合いもエルシィちゃんにより終結させられることになる。



「だったらダイキー、エッチーが、なおしてあげうのよー?」


「「え」」



 気づけばオレの足元には四つん這いになりながらとある箇所を見上げているエルシィちゃん。 エルシィちゃんは迷わずはみ出しているモノに手を伸ばしそして……



「はい、おかたじゅけーー」



 ムギュッ



「あんぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」



『直す』というよりも『掴んで押し込む』。



 いくら小学2年生の女の子といえど、普通の握力で持たれたら無事でいられるわけもなくオレは絶叫しながらその場で崩壊。

 エマにもたれかかるようにしてうずくまり、掠れた声でなんとか今の気持ちを口に出したのだった。



「ほ、本当に女の子になるところだった……」



 ◆◇◆◇



 そしてその数日後、とうとう動きがあった。

 夕方優香から聞いたのだが、あのストーカーらしき男がギャルJK星の家周辺をうろついていたと探偵から情報が入ったらしい。



「えええ、お姉ちゃん、それほんと!?」


「うん。 いつも姿見せないから一度無理言って深夜に見て欲しいってお願いしてみたの。 そしたらフードを深く被ってマスクまでした男の人がジョギングしてたらしいんだけど、美咲の家付近を何度も往復して……美咲の部屋のあたりを見上げてたんだって」



 なんだそれ。 いかにも怪しいな。



「それって何時くらい?」


「確か午前1時くらいって言ってたよ」


「そ、そうなんだ」


「うん。 それでね、まだその男の人、それ以外にはまだ変な行動をしてないから探偵さんたちも接触はしてないんだけど……気になることがあってさ」



 気になること?



「なに?」


「実はその男の人の職場も探偵さんが調べてくれてね、そしたらエアコン業者で働いてるんだって」


「なるほど」



 さすがは優香国の民、仕事が早いぜ。

 これでそいつが黒の場合はすぐに確保に向かえるってわけだな。



 オレがそんなプロの働きに関心していると優香がじっとオレを見つめてきていることに気づく。

 そしてこの後オレは衝撃的な言葉を聞くことになったのだった。



「ん、どうしたのお姉ちゃん」


「美咲のおばさんに電話で確認とってみたんだけど最近美咲の家、『エアコンの室外機から異音がしてる』って通りすがりの業者の人に言われて……全ての室外機の修理と点検してもらったらしいよ」


「え」


「ダイキが夜に美咲と電話してたのなぜかバレてたでしょ? それってさ……」



 なるほど、そう言うことか。 



 もしそうだとすればギャルJK星だけでなく……あの家自体が危ねぇ。



お読みいただきましてありがとうございます!!

本日昨日更新した620話に挿絵入れました!! 久々に描いた子なので、よろしければ覗いてやってください!!

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