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617 【ギャルJK星編】訪問!【挿絵有】


 六百十七話  【ギャルJK星編】訪問!



 オレが悩みに悩んだ末送ったギャルJK星へのメール。



【送信・星美咲】最近ウチ来ないし、お姉ちゃんからも学校でもちょっと様子がおかしいって聞いたけど……大丈夫? 何かあったの星さん。



 これを送ったのは数日前なのだが一向に返事は帰って来ず。

 もしかして本当にオバケを見たが故の呪いとか……そういう類じゃないよな?


 どうしたものかとかなり心配していると、夕食終わり……突然優香が「決めたっ!」と立ち上がった。



「お、お姉ちゃん?」


「ダイキも気になって仕方ないよね。 明日休みだし、お姉ちゃんちょっと美咲の家いってくる」



 え。



 ◆◇◆◇



 どうやら優香は中学生の頃何度かギャルJK星の家にも遊びに行ったことがあったようで、翌日オレは優香とともにギャルJK星の家へ。

 優香が先陣を切りインターホンを押すと中から声……しばらくしてギャルJK星の母親らしき女性が扉から顔を出した。



「はいはい、お待たせしましたー。 あれ、えっと確かあなたは……」


「お久しぶりですおばさん。 福田優香です」


「あら優香ちゃん久しぶりねーー!!! てことは隣にいるのは弟さん?」


「あ、はいそうです弟のダイキです」


「あらそうー! 美咲からも何度か話聞いてたからすぐ分かったわ!! 初めましてダイキくん、おばちゃん、美咲の母ですー」



 なるほどな、ギャルJK星の明るさは母親譲りだったのか。



 ただし申し訳ないが顔や体格はまったく似ていない……言うなればあれだ、顔も体格も某有名パン顔のスーパーマンアニメに出てくるパン職人そのもの。 もしかしたら昔はギャルJK星みたいに美人でスタイル良かったけど、食べ過ぎ等の生活であぁなってしまったのか?



 それからもギャルJK星の母がテンション高めに優香と世間話を開始。 しかし今日来たのはそんな他愛のない話をしに来たわけではないからな。

 優香は途中で話を強制終了。 「そんなことよりもおばさん、ちょっと聞きたいことがあって本日はお伺いさせてもらったんです」と話を切りだした。



「あー……やっぱりそうよね、美咲のこと……おばさんもどうしようか悩んでたの」


「はい。 美咲から何か聞いてますか?」


「全然。 最近はあんまりご飯も食べずに部屋に籠っちゃって……ほとんど出て来ないの。 どうしたのかしらね、病院にも行こうともしないし」



 それってもう呪いなのでは?

 オレの中での【ギャルJK星オバケに呪われている説】がだんだんと確信を帯びてくる。



「えっと……今からダイキと美咲に会ってもいいですか?」


「ぜひお願い出来るかしら。 親友の優香ちゃんたちと会ったらあの子も元気が出るだろうし」



 こうしてオレたちはギャルJK星の家の中へ。

 家に入ると優香は来たことあるんだもんな……まっすぐ二階にあるのであろうギャルJK星の部屋へ。 オレも静かにその後をついていったのだが……



「入るよ美咲」



 数回扉をノックした後、優香は静かにドアノブを回す。


 ゆっくり開いていくと中から冷房の冷気が外へと漏れ出し、オレや優香の汗ばんだ身体に一瞬の安らぎを与えてくる。 しかし今のオレにはそんな快楽などどうでもいい……少しでも早くギャルJK星の姿を見たいという一心でその隙間へと目を凝らした。


 中はどうやらカーテンが閉められ電気も付いていないようで薄暗い。

 そしてオレが見つけるよりも先、優香が「美咲!!!」と叫びながら部屋の中へと駆け込んだ。



 ◆◇◆◇



「ちょっと美咲……!?」



 ーー……。



 オレは視界に映し出されている光景が信じられず言葉を失う。

 何があったというんだ。 オレの目の前にいるギャルJK星は今までの……いつもハイテンションで、だけどかなり頼りになる姉御肌なギャルJK星にあらず。 冷房をガンガンにかけている薄暗い室内で、掛け布団に包まりながら目の下にクマをつけたギャルJK星が静かにオレたちを見上げていた。


 何かに怯えているのか挙動がおかしい。



挿絵(By みてみん)



「あ……あぁ、ゆーちゃん。 それにダイキも」



 まったく覇気のないギャルJK星と目が合う。



「ほ、星さん……」


「あはは……かっこ悪いとこ見せちゃったなー」


「そのえっと、星さんメール見てくれた?」


「ごめんにゃー。 スマホ最近ずっと触ってなかったからすっかり電源切れてんだ」



 見せかけの笑顔。 ギャルJK星は「あはは」と笑うも全然楽しさが伝わって来ない。

 おいおいオレの憧れの……あのかっこいいギャルJK・星美咲はどこへいっちまったんだ!!!


 もしこうなってしまった原因が幽霊……オバケにあるのだとするならば対処は至って簡単だ。

 お札を買ったり除霊して貰えばすぐに解決はする。 だけどクヒヒさんに会った時のようなヒンヤリしたような感覚は全く感じられないんだよなぁ。



 このままでは埒が明かないと感じたオレは直接聞いてみることに。

 ギャルJK星の前でしゃがみこみ、何が原因でそうなってしなったのか尋ねようとしたのだが……



「ねぇ星さん、なんでそうなっ……」

「ダイキ」


「!」



 突然優香が後ろからオレの口に手を当ててオレの言葉を遮ってくる。

 


「え、お姉ちゃ……」



 優香は小さく首を左右に振ると、視線をまっすぐオレの目へ。

 なんだ……? なんか『それ以上言うな』って伝えてきてるような気がするぞ。



「ん? どーしたダイキ」


「ううん、ごめんね星さん。 なんでもない」



 オレがそれ以上喋らないでいるとそれが正解だったようで、優香は優しくオレの頭を撫でて耳元で小さく囁く。



「ありがとねダイキ」


「え?」



 その後優香はオレに場所を代わるよう指示……オレの座っていた場所に優香が改めて座ると、大きく伸びをしたのだった。



「ゆ、ゆーちゃん?」


「んーー、外めちゃくちゃ暑かったから、ここ涼しくて快適だね美咲ー」


「そ、そうだね?」


「別に何も話さなくていいからさ、もうちょっとここにいていいかな」


「え……う、うん。 別にいいけど」



 ギャルJK星に許可を得た優香は「ありがとー」と言いながらゆっくりとギャルJK星にもたれかかる。

 それからすぐにオレに再びアイコンタクト。



 今度はなんだ? 雰囲気的に……『2人きりにしてくれ』とかか?



 オレは目で『わかった』と答えると静かに2人に背を向ける。

「なんかジュースとかお菓子とか買ってくるよ」と言い残し部屋を出ることにした。


 


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