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594 【優香編】想定外!!


 五百九十四話  【優香編】想定外!!



 新しい学校は田舎ということもあり前の学校とは違い生徒の人数は比較的少なめ。 そして陽菜のおかげもあってかすぐに周囲とは打ち解け、普通の学校生活を送っていたのだが……



「ーー……ダメだ。 これは完全に想定外だ」



 帰り道、オレは1人俯きながら小さく呟く。



「んー? どうしたんダイきち。 何かあったんー?」


「いや……なんでもない」



 言えるわけねえだろ……こんなこと。



 なんでオレの学年……いや、この学校には目を見張るほどの美人や可愛い女子がいねえんだよおおおおおおおおお!!!!!!!

 今までのオレはどんだけ恵まれてたんだあああああああああああ!!!!!!!



『むーっ! ダイきちくん、そんなこと言っちゃうんだ!! うちの陽菜ちゃん可愛いでしょ!?』



 オレが心の中で大文句を垂れていると、斜め上辺りから陽菜の姉・愛莉が頬を膨らませながらオレに顔を近づけてくる。



 ちげぇよ愛莉さん。 何も陽菜がブスってわけではないんだ。

 もちろん陽菜も顔面偏差値は高いんだけど、詳しく分類すると陽菜は【活発元気っ娘】というジャンルであって【美人】や【可愛い】とは違う世界。 オレはその辺りの女子も周りにいねぇと満足できない体にはなってしまってるんだよおおおおお!!!!!



『うわー、ダイきちくん、どうしようもない変態じゃない』


「うるせーな」


「えっ、どうしたんダイきち。 陽菜、何も言ってないよ?」


「ああああ、なんでもない。 なんか耳鳴りするから熱でも上がるのかな。 とりあえず今日は早く寝ることにするわ」


「ええええ!? それは大変やね!! お大事にねー!!」



 ◆◇◆◇



 こっちの学校には【可愛い】や【美人】がいない。 まぁそのおかげって言うのもあれなんだけど、だからこそオレはこっちの学校で過ちを犯す気にもならずに優香のサポートに専念することができてるんだよな。



「ただいまー。 早速だけど洗濯物取り込んどいていい?」


「ええ? いいけどそれ夕方くらいにおばあちゃんが取り込もうと思ってたんだけど」


「いいよ別にやることないから」



 ーー……じゃないと優香が率先してやりだすんだよ。



 こういう風にオレは優香が周囲に気を取られないで勉強に集中してもらうように家事を先回りしてやるように。

「遊んで帰ってきてもいい」とも言われてはいるんだが、田舎で遊ぶところって運動場か公園しかないからな。 元気に外を駆け回るとかオレみたいなインキャには似合わねーんだよ……それに一緒に遊びたくなるような可愛い子ちゃんもいないし。


 あとはあれだ……平均より上の顔はチラホラ見かけるけど、三好たちとも頻繁にやりとりしてるからってのもあるんだろうな。

 向こうとの繋がりが強すぎるおかげか全然気持ちがこっちの女子に向かないぜ。



 例えば……ほら、見てみるか?

 これは今さっききた三好からのメールなんだけど……



【受信・三好】麻由香が私立の中学受験受かったよ!! それで明日の土曜日に昼から美波と2人でお祝いしに行くんだ!! それでさ、福田からもサプライズでおめでとう言ってほしいからその時に電話していい!?



 な? 温かいしまるでまだ近くにいるような話し方だろ?

 こういうことしてくれるのって本当にありがたい……まぁなんだかんだで1年も経てばまた再会できるんだけどな。



「それにしても多田のやつ受かったのか。 あんだけたくさん塾にも通って頑張ってたんだ……努力が実ってよかったな」



 オレは早くこいつらに会いたいなーなどと思いながらも洗濯物を取り込み優香の帰りを待つことに。

 そして17時頃優香が帰宅……いつもなら部屋に戻って晩御飯の時間まで勉強する流れ。 今日もそうなんだろうなーなどと思っていたらどうしたのだろう、優香は部屋へは向かわずまっすぐ居間へ。 「はぁ……」とため息をつきながらオレの対面……コタツに入った。



「ど、どうしたのお姉ちゃん。 元気ないね」


「あ、うん。 ちょっとね」



 優香のやつどうしたんだ? 


 もしかして女の子の日で……ナーバスになっちゃう日なのか?

 そんなことを考えながら優香の方をジッと見つめていると、優香はオレの視線に気づいたのかオレに目を合わせてきて「ごめんね、ちょっとダイキ、席外してくれるかな」と力なく笑う。



「え」


「ちょっとおばあちゃん達に話があってさ。 すぐに終わるから……お願い」


「あ、はい……」



 こんなこと初めてだ。

 オレには聞かれたくない内容……学校で何かトラブルでもあったのだろうか。


 もしそうなのだとしたらオレが優香を酷い目に合わせた奴らを粛清しに行かなければならない。

 オレは部屋から出て行くフリをしてお得意の扉に張り付き中の会話を盗み聞きすることにした。



「どうしたの優香ちゃん」


「あのね、お金は自分で払うから……塾行っていいかな」


「え? お金の心配ならしなくてもいいんだけど……どうしたの急に」


「うん……少し前に模試があったんだけどさ、あんまり結果が良くなくて。 このままだとあっちの志望校受からないかもしれないから出来ることはしておきたいんだよね」


「そういうことね。 いいわよ、優香ちゃんが行きたい塾あったらそこに決めておいで」


「ありがとう。 ダイキには心配かけたくないからこのことは……」


「分かってるわ。 塾に行く理由は黙っててあげる。 でもあまり気張りすぎないようにね」


「ーー……うん」



 ーー……え、ここまで来てオレまだ優香の重荷になってんの?


 

お読みいただきましてありがとうございます!!

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感想やブクマ・レビュー等、お待ちしております!!!


無敵の優香も勉学だけはパワープレイで乗り越えられそうにないですね!笑

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