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59 襲来!!


 五十九話  襲来!!



 ーー……おけおけ、結城はぐっすり眠ってるようだ。

 オレは結城の熟睡を確認した後優香の部屋へと向かう。



 電気は……消えてるな。

 扉に耳を当てても何も聞こえないことから通話してることもなさそうだ。


 それでは皆さん行ってきます!!!


 オレは静かに扉を開けて中へ侵入する。

 


 「え、ダイキ?」


 「!!!!」



 ベッドの上で横になりながらスマートフォンを弄っていた優香がオレに気づいて視線を向ける。


 くっ……!! 通話じゃなくてそっちのパターンだったか!!!

 しかしここまで来たんだ、諦めれるものかああああああ!!!

 

 オレはまるで幾多の苦難を乗り越えてようやく魔王の前に到達した勇者のような固い意志で、優香の声を無視して優香のベッドへダイブ。 掛け布団の中へと潜り込む。

 


 イェス!!!  オーーウイェス!!!



 オレの視界にまず入ってきたのは大きめのTシャツから出ている綺麗な白い脚。 そして同時にJK特有の甘い香りが鼻を抜ける。

 


 「だ、ダイキどうしたの!?」


 「お姉ちゃん。 オレ、活発になります!!」


 「ええええええ!!??」



 今日のオレはワイルドだぜぇー!?



 「お姉ちゃん!!」


 「ひゃあああ!!」



 オレは掛け布団の中で優香のお腹に顔を埋めながらそのまま抱きつく。

 


 「た、確かにお姉ちゃん……ダイキに少しは明るくなってほしいみたいなことは言ったけど……いきなり変わりすぎだよぉ!!」


 「じゃあお姉ちゃんはオレにどんな感じになってほしいの?」



 オレは優香のお腹に顔を埋めたまま尋ねる。



 「ひゃああ!! ダイキ、それ声がお腹の奥まで振動してくすぐったいからやめてぇ……!」



 優香が体をくねらせながらオレを引き剥がそうと試みる。



 ーー……お? 今の声なんかめっちゃ色っぽくなかったか?

 もう一度聞きたくなったオレは再び同じ場所で声を出す。



 「なんでーーーーーー?」


 「!!」


 「なーーーんーーでーーー?」


 「!!!」



 うおおおおおお!!! 最高じゃねえかあああああ!!!!


 

 オレが声を長く発せれば発せるほど優香はセクシーな声を出しながら身体をくねらせる。

 あれかナーー。 やはり姉と弟……ダイキと一緒できっと人一倍くすぐり系が弱いんだろうナー!!


 およそ十分ほどオレはそれを繰り返していると優香が優しくオレの頭を抱きかかえる。


 ーー……ん?


 顔を上げて優香を見ると、優香は顔を真っ赤にして息を切らしながらこちらを覗き込んでいた。



 「わかった。 わかったからもう……やめて? なんかお姉ちゃん、疲れちゃったぁ……」



 「ーー……!!!」



 これはあまりにも反則! 可愛すぎて色っぽすぎる!!

 本来ならこのまま朝まで一緒に寝たかったのだがこの興奮状態でそれは不可能とオレの体と脳が判断。 スルリと優香の抱擁から抜け出してベッドから脱出する。



 「ーー……?? ダイキ??」」


 「すみませんでしたやっぱり活発はオレにはまだ早かったです」



 オレは早口で優香にそう伝えるとそそくさと部屋の外へ。

 煩悩を取り除くため、熱気のこもったトイレに篭り存分に汗をかいたのだった。


 そうして汗で体力を使ったオレは再びシャワーを浴びてリビングで就寝。 途中目覚めることなく爆睡してしまっていたのだが、それはまだ日が昇ってそこまで経っていないんじゃないかというくらいの早朝のこと。



 ピンポンピンポンピンポン!!!



 家のチャイムが連続で鳴り響く。



 「なんだうっせーなぁ……ギャルJKか?」



 まだ誰も起きていなかったのでオレは目をこすりながら玄関へ。

 一応念のためのぞき穴から外にいるのが誰なのかを確認する。



 「ーー……!!!!」



 何故だ!? なぜあいつらがまたここに!?


 そこには不機嫌顔の大人が2人。 

 そう……杉浦の両親が玄関前に立っていたのだ。



下の方に☆マークがあるので評価していってくれると嬉しいです!

感想やブックマークもお待ちしてます!


●第58話『脳内全てがピンク色』にリクエストいただいた結城ちゃん挿絵いれました!

よろしければ見てやってください☆

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