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583 【水島編】運命の時間まで後少し


 五百八十三話  【水島編】運命の時間まで後少し



 いやー、持つべきものはお互いの性癖までも理解しあってる友達だよな!!


 水島宅を後にしたオレは本来ならば真っ直ぐ家へと帰る予定となっていたのだが、この友達・工藤の計らいによりノートパソコンを貰うため……そしてエロゲーやら他のゲームやらを物色させてもらうために行き先を急遽工藤の家へと変更。

 もちろん優香にも『知り合いが中古のパソコンくれるから寄って帰る』と伝え、いざ工藤宅へと向かった……のだが。



 ◆◇◆◇



「ーー……え、まじ」



 工藤から「ここだよ」と言われて着いた先はかなり古めのアパート。

 てっきりお金持ちになったんだからオートロック式の高級マンションか一戸建ての豪邸に住んでいるものかと思っていたぜ。

 オレが「え、ここ?」と尋ねると工藤が「そうだよー」と迷いなく頷く。



「いや、お前金めっちゃ持ってんだろ? 何で良いところに引っ越さねーの?」


「そんなの決まってるじゃないか」


「え?」


「ここに面してる道ね、JSやJC、JKの通学路だからめちゃくちゃ見放題なんだよ」


「あ……あーーー」


「だから風の強くて運のいい時はパンチラ三昧……こんな好立地な場所から引っ越すわけないだろう!」



 そ、そうだったああああ!!!

 こいつ……昔から性癖には正直なやつなんだったああああああ!!!!


 

 なんだかんだで納得してしまったオレは工藤に連れられアパートの一室へ。

 そこまで古くない比較的新しめのノートパソコンを譲り受けると、水島兄との話で再熱したんだろうな。 オレや工藤にとっても思い出深いエロゲー【幼女開発魔法】を真っ先にインストールし、他にも何本かエロゲーを入れてもらって自宅へとタクシーで送ってもらうことにしたのだった。



「ていうかダイキ、タクシーで帰るんだからわざわざ僕が着いていく意味なくない?」


「そうか?」


「それに一応僕も最新作の【魔獣ハンター】はやってるけど持参だなんて……ダイキもやってるの?」


「まぁな。 だからウチで一緒にやろーぜ、JKのお姉ちゃんもやってるんだけどオレなんかよりもクソ上手くて強いから工藤にもその気持ちを味わって欲しくてな」



 そう伝えた途端、工藤の鼻息がみるみる荒くなっていく。



「え、てことはダイキ……それってつまりはもしかして……!!」


「うむ。 女の子と一緒にゲームで盛り上がる……夢だったんだろ? これでまた1つ叶ったな」


「心の友よおおおおおおおおおおん!!!!」



 それからの工藤は本当に凄かった。

 帰宅するなり迎え入れてくれた優香に向かってまるでお見合いかのように「覚えてるかわかりませんがお久しぶりです!! ダイキくんの趣味友達の工藤裕太です!!」と前屈並みの叔お辞儀を披露。

 その後オレが簡単に工藤を紹介しノートパソコンをくれた人とも説明すると、優香が「え、ほんとにこんな綺麗なのうちのダイキにいいんですか?」と工藤に心配そうに尋ねた。



「ふひょ!! リアルJKがこんなに近……ゲフンゲフン!! い、いえ構いませんよ!! ダイキくんとは親友なので!!」


「そ、そうなんですか?」


「はい!! それはもう大学時代には……」



 ーー……!!!!

 なっ、このバカっ……!!



「お姉ちゃん!! この人はあれなんだよ!! オレがイジメられて苦しんでた時に相談に乗ってもらってた心の恩人なんだ!! 」



 この野郎工藤め。 緊張とハイテンションで何真実をポロリしそうになってんだこら。

 

 オレは即座に工藤の声に被せながら必死に弁明。

 そしてそれを聞いた優香は「え、ええええ!? そうだったの!? もっと早く言ってよおおおおお!!!」とオレに突っ込みながら工藤に深々と頭を下げる。



「すみませんでしたその件についてお礼を言うのが先でした!!」


「え、あ、やばっ……あはは、そうなんですよ実はね!!」


「工藤さんも仰ってくださいよー! その節は本当にダイキの心の支えになっていただきありがとうございました!!」



 あ、危なかった。



 挨拶を済ませた後は玄関で話すのも寒いだろうからとオレたちはリビングへと移動。

 そこでオレがすぐに工藤も【魔獣ハンター】をしているという話題をぶっ込むと、案の定優香はそれに反応。 「え、工藤さんはなんの武器使ってらっしゃるんですか!?」と興味津々で距離を詰めていく。



 ーー……頼む優香、今この時だけは工藤との会話に集中して、決してあいつの下半身に視線を向けないでくれよ。



「あ、あー僕は武器というよりはこれですほら! テイマー……【魔獣使い】なんですよ!」


「うわー! テイマーさんですか! でもテイマーって今作でかなり弱体化されたように思ったんですけど、それでクエストどのくらいまで行きました?」


「え、それはもちろんS級まで行きましたけど」


「ええええ!! 凄いですね!! 是非その腕前……立ち回りを見せて欲しいんですけど……一戦私とPVPいかがですか!?」


「オウフッ!! も、ももももちろんです!! ただ手加減はしませんよ!」


「望むところですっ!!」



 こうして優香と工藤はリビングでゲームを開始。

「ええええ、ダイキくんのお姉さん全身GOD装備……マジですか!!」やら「ええ!? 工藤さんなんですかその戦い方……これどうやって突破すればいいのー!?」やらと、夕方までかなりの盛り上がりをみせていたのであった。



 そんなこんなで時間は早く過ぎていき、工藤は満面の笑みで帰宅……それと入れ替わるような形で水島と水島母が来訪してくる。



「こんにちは福田くん。 今夜はお世話になります。 早速だけど、ひm……お姉さんはいる?」

「福田くーん、きたよー」



 ここから運命の夜が幕をあけることとなる。

 


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[一言] 工藤がおいしい目にあってるとちょっとほっこりするワイです
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