570 【水島編】お楽しみの時間!!【挿絵有】
五百七十話 【水島編】お楽しみの時間!!
みんな……とうとうこの時がきたぞ!!!
ギャルJK星と水島の雑談を近くで聞いていたオレの耳が少し離れた場所……脱衣所の扉が開かれた音を感知。
すぐに視線をリビング入口へと向けると、顔を真っ赤にした優香が慌てた様子で中に入ってきた。
「ちょ、ちょっと美咲何これ……買ったもの間違ってないよね!?!?」
おお……おおおおおおおおおお!!!!!!
オレは目を最大限に見開きながらそんな優香の姿をガン見。
鼻からは早速興奮の血が垂れているがまぁそれは置いといて……実は優香、お風呂に向かう際にギャルJK星に『どうせお披露目するんだしパジャマは後で着ればいいしょ? だからこの紙袋だけ持ってきな』と言われていたためパジャマをあらかじめ用意していなかったのだ。
なので今は完全なる下着姿でオレたちの目の前に現れているわけで……
「おー!! それぞまさしくアタシが選んだアダルティーな下着……似合ってんでゆーちゃん!!!」
ギャルJK星がワイワイはしゃぎながら優香の周囲をぐるぐる回り観察を始める。
「ええええええ!?!? これ故意に買ったわけ!?」
「そーだよーん」
「隠すべきとこ隠せてないじゃん!!」
「はははーー!!! サプライズ大成功ーー!!!」
「全然大成功じゃないよ!!! どーするのこれ……普段使えなくない!?!?」
優香が身につけているギャルJK星プレゼンツのその下着……それはまさにドエロそのもの。
何といえばいいものか……上は布があるべき場所に布がなく、下も同様に一番大事そうな場所が心地いい風を感じ取れるようになっている。
ぶっちゃけギャルJK星はどこであんなものを購入出来たのかも気になるところではあるが、そこは深く考えないようにしておこう。
そしてここからがカオスの始まり。
優香は上を隠すことに必死で一番大事な箇所を隠すことを忘れていたようだったのだが、水島の「お姉さんは剃ってるんだね、きれー」の一言で優香の顔は更に紅潮。 「ちょ、ちょっと私普通の下着に着替え直してくる!!」と自分の部屋に向かおうとしたところ、それよりも先に行動していたギャルJK星が腕を組みながら扉の前に立ち塞がっているではないか。
「ふっふっふ。 まだ鑑賞会は終わってないぜゆーちゃん?」
ギャルJK星はニヤリと口角をあげながら優香にウインクを向ける。
「いやいやいやいや!! この格好で鑑賞会ってなに!? 見せる布も柄もないのに……どう鑑賞するっていうわけ!?」
「んー、そうだなー。 とりあえずエロは芸術とも言うし……アタシやこの花ちゃん&ダイキで写生大会でもするべ?」
「それもう鑑賞会じゃないじゃん! ていうかそれ出来るのダイキだけだし……いきなり何言ってんの美咲!!」
え。
一瞬室内の空気が凍る。
そしてしばらくの沈黙の後、何かを察したギャルJK星が「あーね、そう言うことか」と両手を叩いた。
「いやゆーちゃんをモデルに絵を描くだけだからアタシや花ちゃんにも出来るべさ。 何言ってんのゆーちゃん」
「エ?」
「あ、もしかしてゆーちゃん、さっきのアタシの言葉を別の意味でニヤニヤ。 そりゃあダイキはいつもやってるかもしんないけど流石にゆーちゃ……」
「うわあああああああ!!! 違う……違うの!! お願い忘れてえええええ!!!!」
優香はギャルJK星に抱きつきながら「お願いこれはさすがに胸張って見せられないよ許してぇ」と本気で懇願。
それに対しギャルJK星も「んー、そうだべな。 そこまで言うなら残念だけど仕方ないべ」と頷いていたのだが、オレの視界にはギャルJK星に抱きつきすがっているためこちらに向けて突き出されていた優香のヒップ。
普通なら『お、突き出されたお尻クッソエロいぜラッキー」くらいにしか思わないだろう。 しかし今の優香は下着姿。 それも下はかなり風通しが良さそうなため……
少年よ、大志を抱け。
ぶっちゃけ一緒にお風呂に入れさえすればいつでも見られるこの秘境なのだが、あんなドエロい装備をしてでの光景は今後見ることはおそらく不可能……だとしたら今のうちに目に焼き付けておかなければなるまいよな。
オレはただただ無言で視線を一点に固定することに。
しかしそんなオレが集中している隣で水島が小声で話しかけてきた。
「ねぇご主……福田くん」
「なんだ?」
「こういう楽しいのって……やっぱりいいね」
ん? なんだ?
前方の2人とは違った空気を感じたので視線を水島の方へと向けてみると、水島は何かを羨むような目で優香とギャルJK星のやりとりを見つめている。
「ねぇ……福田くんはそう思わない?」
「え、あぁ……そうだな。 でも突然どうした」
「花ちゃんね、明日お兄ちゃんにケーキ作って持って行こうと思うんだけど……どう思う?」
あー、なるほどね。
優香とギャルJK星のイチャイチャ具合を見て懐かしくなっちゃった感じか。
ならばオレの返事はこれしかないだろう。
「お兄さんに? いいんじゃないか? それで当時思い出して仲直りできるかもしれないんだもんな」
「ほんと? じゃあ明日も一緒に作るの手伝ってもらっていい?」
「任せろ」
「へへへ、ありがと」
水島は「じゃあ明日、早起きして作るから起こしに行くねー」とオレに柔らかく微笑んだ後に優香たちのもとへ。
「ねーねー、花ちゃんもそれ着てみたいなー」などとド天然な発言をかましながら2人の会話に混ざっていったのだった。
「ええ!? 花江ちゃんがこれを!? いや多分色々とマズいんじゃないかな!?」
「そうかなー? お姉さんめちゃくちゃセクシーだし、花ちゃんも大人の魅力出したいなーって」
「ほほう向上心は認めよう花ちゃん! ならパンツ履いてみるべ?」
「うんー!!」
「美咲ーーー!!!!」
あんな天然ちゃんでも水島もまだ小学生……優香は長期戦になるかもと言ってたが水島も家に帰れなくて寂しいはずだもんな。
オレは水島と水島兄の問題に早期決着をつけることを心に誓い、再び目の前で繰り広げられているパラダイスに視線を戻し静かにクシャミをしたのであった。
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