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57 きっかけはテレビ


 五十七話  きっかけはテレビ



 「じゃあちょっと部屋軽く掃除してくる!」



 オレはリビングでくつろぐことなく自室へ直行。 引き出しにしまっておいたギャルJK星から貰ったパンツを取り出すと素早く鼻に当てる。



 「日曜の夜にまた会おう」



 思い切り息を吸いわずかに残っているであろうギャルJK成分を体内に取り込み引き出しの最奥へ。

 そしてエロ同人誌はーー……



 「これはワンチャン結城と読むか。 またそういう系の本読みたいって前に言ってたし」



 ということで同人誌【ラブ☆ピュッピュ活動】は引き出しの取り出しやすい位置へ。

 その後見られて困るようなものがないかを再確認した後、私服に着替えてリビングへと戻った。




 ◆◇◆◇




 それは晩御飯を終え、ソファーでテレビを見ていた時のこと。



 「あ、美咲から電話だ。 ちょっとごめんね」



 優香がソファーから立ち上がりスマートフォンを耳に当てながらリビングから出ていく。



 「ねぇ福田……くん、福田くんはこういうの平気なの?」



 結城がテレビ画面を指差す。

 今流れているのは夏の定番でもある心霊番組。 夏のトイレやお風呂に出た幽霊の再現VTRだ。



 「あー、まぁ怖いっちゃ怖いけどオレは平気かな」


 「なんで?」


 「だってさ、向こう幽霊なんだから人間のオレたちを触ることできないだろ? 逆に触れたらこっちも触れるってことだからどうにでもなりそうなんだけど」


 

 ーー……実際に少女の幽霊が出てきて触れてみろ。 周囲からは見えないんだから奴隷にして裸で街を歩かせてやるわ。



 「確かにそうだね。 私は怖いんだけど、ついつい見ちゃってお風呂とか怖くなっちゃうんだ」

 

 「あー、あるあるだねー」


 

 そんな世間話をしているとスマートフォンを持った優香がリビングに戻ってくる。



 「ちょっとごめんね。 美咲がどうしても話したいことがあるって言うからちょっと出てくるよ。 そんな遅くはならないから先にお風呂とか済ませちゃってて。 最後に私が洗濯機回すから」

 


 「あ、わかり……ました」


 「はーい」



 優香は財布とスマートフォンだけを持って外へ。

 そのタイミングで心霊番組が終わる。



 「いやー、まぁまぁ怖かったね。 あ、結城さんお風呂先入っていいよ」



 オレは背伸びをしながら時刻を確認。

 結城に風呂を勧める。



 「あ……でも」


 「ん?」



 結城の様子がおかしい。

 なんかオレをチラチラ見ながらモゾモゾしているような。


 ーー……はっ!!!


 オレは数分前の結城の言葉を思い出す。

 確かホラー系見たらトイレやお風呂は入れなくなるって言ってなかったか!?



 「も、もしかして結城さん、さっき言ってたみたいに怖くなっちゃった?」


 「ーー……うん」


 

 オレの問いに結城は素直に頷く。



 ーー……待てよ。 このままお風呂入らずにオレのベッドで寝てもらったら結城成分めちゃめちゃ染み付いてくれるんじゃね?

 金曜の夜に純粋な結城成分がベッドに付着。

 そして土曜の夜にはお風呂に入ったフローラルの香り漂う結城成分が付着。

 そこに日曜の夜、オレが寝ることになる……と。



 ニヤァ……



 オレはニヤつきを心の中で留めながら結城に顔を向ける。



 「ーー……なに?」


 

 結城が頭上にはてなマークを浮かべながら首をかしげる。



 「あのさ、怖いんだったら今日はお風呂入らなくてもいいんじゃないかな」


 「ーー……え、でも私、汗かいちゃってるし。 福田……くんのベッドで寝るんだから汚いよ」


 「いやいや、逆にそれが良い……ゲフンゲフン。 そんなのオレ気にしないからさ、無理にお風呂入ろうとしなくても……」



 オレは自分の野望のため、必死に結城を説得する。

 しかし返ってきたのは想像をはるかに超えた言葉だった。



 「じゃ、じゃあさ、怖いからその……一緒に入ってくれる?」




 な……ななななな、なんだってェエエエエエ!?!?!?


 

 

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