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569 【水島編】バースデーパーティー!!


 五百六十九話  【水島編】バースデーパーティー!!



 夜。 あれからケーキは無事完成し、優香やギャルJK星を加えた4人で早速優香のバースデーパーティーが開始。

 やはり盛り上げ役のギャルJK星や場の空気に溶け込める水島がいると違うな。 パーティーは序盤から大盛り上がりを見せそのままプレゼントを渡す流れに……オレは水島と共に選んだプレゼントを優香に渡した。

 


「わー、ありがとうダイキ。 なんだろう……開けてもいい?」


「うん。 水島にも手伝ってもらったんだ」


「そうなんだ。 花江ちゃんもありがと」


「へへー、でも花ちゃんはアドバイスしただけだから、福田くんのセンスだよー」



 優香はニコニコ微笑み「なんだろうなー」と口にしながらラッピングを外して箱を開ける。

 そして上箱を開け中身を見たとほぼ同時……優香の目から大量の涙が溢れでてきた。



「お、おおおお姉ちゃん!?」

「えええ、花ちゃんもしかして変なアドバイスしちゃった!?」



 予想だにしていなかった展開にオレと水島は大焦り。

 これにはギャルJK星も予想外だったようで、「え、まさかのドッキリ……ホラー系? 一体何プレゼントしたんだべー?」と優香の後ろから箱の中身を覗き込んだのだが……



「あーー……、こりゃ泣くわ。 良かったねゆーちゃん」



 ギャルJK星がいつになく優しい声で優香の背中をゆっくりと摩る。

 優香は嗚咽を漏らしながらも声にならないような声で「うんっ……うん!」と力強く頷き、プレゼントした箱を胸に抱え力強く抱きしめていた。

 ちなみに何をプレゼントしたのかというとだな、それは……



「てかダイキ、腕時計なんてよく考えついたね。 それも前にゆーちゃんにプレゼントしたやつと全く同じものなんて」



 そう、腕時計だ。

 水島とプレゼントを選んでいた時、偶然にも同じ腕時計を発見……あのことを思い出してすぐ買いに向かったんだよな。



「うん。 だってお姉ちゃんに前にプレゼントした時計、もう動かないもんね」


「あの事故でなー。 修理に出そうともしてたけど、どこももう無理って言われたもんなー」



 ギャルJK星が先ほど言った通り、優香に以前プレゼントした腕時計は以前優香が事故にあった際に激しく損傷。 ガラス面はバキバキに割れ、秒針もガラス面が割れた時に外れたのだろうな……短針だけが残った状態で時を止めていた。

 その後優香はいろんな修理屋さんに出向き修理をお願いしたのだが、答えは皆『損傷が大きすぎてちょっと……』。 それでもオレからもらった思い出の品というとで、優香はそれをベッドの近く大事に飾っていたのだ。

 


「ありが……とう、ダイキ……。 あれからお姉ちゃん、あの時計を見る度に悲しい気持ちになって……それでも自分で買い直すのも違うからそのままにしてたんだけど……うぐっ」



 優香は涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながら箱の中から腕時計を取り出し自身の手首へ。

 それからしばらくの間時計盤を見つめていたのだが、「うぅ……、当たり前だけど針が動いてるぅう……!」と再び号泣し出したのであった。


 これを見た水島はオレの耳元で「よかったねご主人さま」と囁き、なぜか優香につられたのか涙目のギャルJK星がオレの隣へと移動してきて「いやこのチョイスはイケメンだわ」とオレの背中を叩いてくる。



「そ、そうかなイケメンかな。 でも喜んでくれて安心したよ」


「だべ。 てかあれじゃん、あんだけゆーちゃんが感動して泣いちゃってさ……次アタシがゆーちゃんにプレゼント渡す番なのに渡しづらくなっちったじゃん」


「え」



 そう言ってギャルJK星が視線を向けた先はリビングの入り口横にこっそりと置いてあった中くらいの紙袋。

 オレや水島、優香の視線がその袋へと一気に集中する。



「み、美咲もプレゼント買ってきてくれたんだ」


「まぁねー。 でもこの中身見るのは今じゃない気がするんだよなー」


「そうなの?」


「うん。 だってゆーちゃん今めっちゃ感動してるしさ。 その感情ぶち壊すのもなんか悪いし」


「?」



 優香の頭上にはてなマークが数個浮かび上がる。

 そして優香も前年の小型マッサージ機……あれを上回るド下ネタなプレゼントはないと踏んだのだろう。 「ぶち壊すなんて……そんなのない、美咲がくれるものは何だって嬉しいよ」とギャルJK星にこれでもかというほどの慈愛に満ちた笑みを向けた。



「んー……。 じゃあ、そこまで言ってくれるなら……はいこれ、プレゼント」



 ギャルJK星は一瞬戸惑った様子を見せつつもそれを手に取り優香に差し出す。



「ありがとう……開けていい?」


「いや、ちょい待ち。 とりあえず先にネタバレすると下着系なんだけど……あ、そうだ。 あとでお風呂入るっしょ? お風呂上がった後でそこで初めて開けて、それ着て欲しいぜ」


「まぁいいけど……うん、じゃあその時に着させてもらうね」



 一体どんな可愛い下着……ブラジャーなのかパンツなのか。 かなり気になるところだ。

 ギャルJK星はニヤニヤしながら「ちなみ今日アタシ泊まるからちゃんと着てるかチェックするからなー?」と優香に渡した紙袋を指先でつついていた。



「それはもちろん着るよ。 親友に貰った大切なものだし」


「でへへー! じゃあ数時間後お披露目会だべな!」


「え、ダイキにも見せるの?」



 優香が若干戸惑いつつもオレに視線を向けてくる。

 しかしギャルJK星は即座に「当たり前だべさ、お披露目会だもん」と返答。 それに優香も謎に納得したのか「まぁいいか、1人だけ仲間はずれなのもかわいそうだし……何より弟だしね」と頷いたのだった。



 ナイスだギャルJK!!!!


 

 それからもパーティーはしばらく続き、とうとう待ちに待ったお風呂の時間。


 もちろんオレは女子たちの魅惑のエキスが溶け込んだ……世界最高級の湯船に浸かりたかったため一番最後に入ることを立候補。

 最初にギャルJK星と水島が一緒にお風呂へと向かい、次に優香が向かう。

 


 早く……早く見たいんじゃああああああ!!!



 オレは自分の胸の高鳴りを直に感じ取りながら今か今かとその時を待っていたのだった。



「それにしても水島」


「なにー?」


「お前もう……あの白鳥さんパンツ履かないのな」


「うん。 だってお姉さんに下着一式とかパジャマとか買ってもらったからねー」


「ーー……そうか」


「なんなの福田くん、ちょっと残念そう」


「まぁ……ちょっとな」



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