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541 【茜編】甘い1日!!【挿絵有】


 五百四十一話  【茜編】甘い1日!!



 オレが水島とともに色々と動いた週末。

 茜から遊びの誘いを受けたオレは、待ち合わせ場所に指定された大型ショッピングモールのある駅で改札から出てくる人混みの中から茜の姿を必死に探していた。


 ちなみに茜は『水島さんも一緒に遊べたら嬉しいな』と言ってはいたのだが、水島はタイミングの悪いことに家族でお出かけなんだとよ。



「お待たせ、ダイきちくんっ!」



 突然背後から肩に手を乗せられる。 

 振り返ってみると……見落としていたのか? そこには小学生らしくもありその中でも大人びて見えるような……なんともな服装を決め込んだ茜が優しい笑みを浮かべながら立っていた。



「うわわっ!! あ、茜か。 すまん、改札出てくるとこ気づかなかった」


「あはは、ごめんね。 お母さんに車で送ってもらったんだ」


「車……あ、そうだったのか」


「うん。 前にメールでも言ったんだけど、お母さん、あれから本当私に過保護になっちゃってさ」



 そういやあれから何度かメールしてた中でそんなこと言ってたな。

 なんでも中身が中学生ってのは茜の母親も知ってるのだが、今まで一緒の時間を過ごせなかった分、完全な小学生の娘として可愛がっているらしい。 休みの日はほとんんどが家族で出かけてるんだと。



「過保護……ねぇ。 まぁいいじゃねえか、放置されるよりは」


「そうだね。 お母さんたちの気が変わらないまでは私も子供扱いされるのを楽しむとするよ」



 その後茜が「じゃあダイきちくん、行こっか」とオレの手に腕を絡めながらショッピングモールのある方向へ。

 目的はそこで遊ぶこともそうだが、最優先するべきはスイーツ等のお店を回ること。



「えーと、まずはスイーツバイキングだったか」


「うん! 入院してた時に陽奈ちゃんが教えてくれたんだ。 『ダイきちが連れてってくれたお店がめっちゃ美味しかったんだーっ』て。 まさかこうして本当に行けることになるなんて、幸せだなー」


「なるほどな」



 そういう話も2人の時してたのか。

 過程はそれぞれ違うとはいえ、2人とも元気になって本当に良かったぜ。


 そんなことをしみじみ感じながらもオレは茜に「とりあえずさ」と話を振る。



「なに?」


「スイーツバイキングは確かに美味い。 ただオレはそこで食い過ぎて胃を数日大人しくしなければならなくなったんだ。 だから茜も気をつけろよ」


「そうなの? でも大丈夫だよ、だって私若いもん」



「いやオレも若けーよ!!!!!!!」



 こうしてオレたちは目的の店へ。

 オレは腕にぴったりくっついている茜の体温に若干ドキドキしながらも必死にそれを隠していたのだった。



 そして分かりきってたことだけどやはり小4。 どことはいわないが流石に膨らんでるわけもなく、体温を感じる分にはドキドキだけど……腕に当たる感覚は虚しいものだったぜ。



「あー、今ダイきちくん、エッチなこと考えたでしょ」


「は!? か、考えてねーよ!」


「ウソだー。 だってダイきちくん、私の胸らへんが当たるたびにビクって反応するけどすぐにため息ついてるじゃない」


「え……マジ?」


「うん。 今はもう見えないけどやっぱりピンクのオーラ……エッチなのは変わらないんだね」



 そんな哀れな顔で見るな茜。 

 なんかオレ、あの日から成長してないみたいじゃねーか。



 ◆◇◆◇




 数時間後、オレのお腹は爆発寸前。 しかし隣を歩く茜は……



「あー、美味しかった! 陽奈ちゃんが言ってたこと本当だったね!」



 茜が満面の笑みをオレに向けてくる。



「ーー……何故だ。 オレよりたくさん食ってたはずなのに」


「なんかこの身体本当に凄いんだよ? 前に美香さんが言ってた通り本当に神聖なの」


「あー、なんかそんなこと手紙に書いてたな。 なんだっけか、今後病気になることもなければ大きな怪我をすることもないんだっけ?」


「そうそう。 どんなに夜更かししても肌荒れしないし、脂っこいもの食べても全然胃に残らないの。 それに前水島さんが気づいた脚のアザだってほら……」



 茜が思い出したようにスカートを少し捲りオレにアザがあった箇所……内太ももを見せてくる。

 なんとも白くエロい太ももだろうか。 今すぐにでも顔を埋めてペロペロしたいくらいだぜ。



挿絵(By みてみん)



「ね? すごいでしょ」


「あぁ。 エロい」


「え?」


「あ、いや違っ……ゲフンゲフン。 本当にそこにアザがあったのか?」


「うん。 でも数日で消えちゃった。 ネットで調べたら普通はもっと残るって書いてたんだけど、これも神聖だからなんだよきっと」


「それは神様……美香に感謝だな」


「そうだね。 いつも寝る前にお礼言ってるもん」


「そうか」



 なんとも感動する話。

 しかし普段そこまで拝めない内太ももを見たオレの意識はその聖域に一点集中。 気づけば若干前のめりになりながら歩かざるをえなくなってしまっていたのだった。



「あれ、どうしたのダイきちくん。 お腹痛いの?」


「ーー……いや、その中学生脳で考えてくれ」


「え?」


「いくら小4の太ももでもな、エロいもんはエロいんだよ勘弁してくれ。 でもありがとう」


「エロいものはエロい……あ、もしかして勃っ……」



 あぁ……まさか小4の女の子の口からそんな単語を聞ける日が来ようなんて。



 オレの脳内では先ほど茜が発したヒャッホウワードが永遠リピート。

 この影響でオレの満腹中枢は一気に破壊され、茜とともに更に別のスイーツのお店に入ったりと文字通り甘い1日を過ごしたのだった。



「あ、そういえば言う忘れてたけど……あれから意識して誰が私の靴や上履きにイタズラしてきてるのか見てたんだけどね」


「うん」


「多分……だけど目星はついたよ。 そこに何人仲間がいるかは分からないけど」


「そうか。 じゃあそれまた水島に伝えとく。 また水島交えて3人で話そうぜ」


「うん。 なんかありがとうね、変なことに足突っ込ませちゃって」


「いやいや構わん。 どっちかと言うとオレはその茜の脚に顔を突っ込みたいぜ」


「えー? でも私の身体、前みたいに大人びてないよ?」


「分かってねーな、それはそれ、これはこれなんだよ」


「エッチー。 あ、あのパンケーキのお店行きたいな」


「ーー……まだ食うのか。 まぁなぜかオレもまだいけそうな気もするが」



 なんかネットニュースだったかな。 最近の脳の研究か何かで、性欲と食欲を司る器官は近い位置にあるためお互いに影響を受けやすいことが分かったとか書いてあった気がする。

 その記事を見たときは『いやいや、んなことねーよ』とか思ってたけど……



 あながち間違いではないかもしれないな。


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 茜ちゃんとデート。 ラブラブカップルですね。 甘々ですね。 蕩けますね……!! この時がそのまま止まればいいのに……。
[一言] この世界の女の子たちは、寛大だなぁ。何対してとは言わないけど…
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