54 ギャルJKの提案
五十四話 ギャルJKの提案
「ああ……えーと歯を磨かないで寝ちゃったから、歯磨きでもしようと思って」
オレはギャルJK星に苦し紛れの言い訳をする。
「そっかぁー。 そういや弟くんアタシらお風呂上がった時もう寝ちゃってたもんねー」
お! 流石は寝ぼけた脳……これはいけるか!?
「う、うん! だから歯磨きした後にシャワーでも浴びようかなーって」
「ふーん、んじゃアタシはトイレしに起きただけだから、おやすみぃー」
ギャルJK星は目を擦りながらくるりと背を向けると脱衣所をあとにする。
「お、おやすみなさい」
助かった。
オレは心のそこから深い安堵の息を吐く。
「ーー……って言うとでも思ったかーーー!!」
「!?!?!?!?」
突然目をぱっちり開けたギャルJK星が勢いよく中へと入ってくると、素早い動きでオレの背後に回り込み、その後肩に腕を回してオレの体の自由を完全にロックする。
「うわわ!!!」
「ふふーん、さすがは女子に興味出てくるくらいの年頃の男の子だねー。 嘘ついてもこのアタシ……美咲様にはバレバレだよー?」
ギャルJK星がニヤリと笑みを浮かべながらオレに顔を近づける。
「な、何を言って……」
「だっておかしいもんねぇ。 なーんで歯磨きしたりシャワー浴びる予定なのにここの電気つけてないの?」
「ーー……!!」
す、鋭い!!!
「なんかやらしいことしてたんじゃないのー? ねぇねぇ」
ギャルJK星がオレの頬をツンツンつつく。
「そ、そんなこと……!」
「なんだろなー。 アタシの予想だけど……弟くん、もしかしてアタシやゆーちゃんのパンツとか見て楽しんでたとか?」
「し……してません」
「ほんとにー??」
くっそ!! 打開策を考えようと必死に脳を動かそうとしてるのに……耳元から聞こえてくるギャルJK星の妖艶な声とJK特有の甘い香りに魅了されて充分に考えきれない!!
それにしてもいい香りだなぁーーーー。
「え、なに幸せそうな顔してんの?」
ギャルJK星が間の抜けた声を発しながらオレの顔を覗き込む。
「へ?」
「ほら、鏡で自分の顔確認してみ?」
オレはギャルJK星に顔を鏡の方に向けさせられる。
するとそこにはかなり幸せそうに目をトロンとさせた表情のダイキ。
あーー。 これはもう言い訳できねーや。
ギャルJK、君の勝利だ。 敗者のオレはどんな非難だって受けよう。
オレはパンツを見ていたことを正直に話すことを決心。 その後ゆっくりと口を開く。
「実は……」
「なんかその表情、母性本能くすぐられるんですけどーー!!」
「ーー……え?」
ギャルJK星がオレの言葉を遮りながら力強く抱きしめてくる。
「ほ、星さん!?」
「アタシさー、一人っ子なんだけど弟くんみたいな弟欲しかったんだよねー!!」
なんなんだこの展開!!
ギャルJK星は後ろから抱きついたままオレの頭を優しく撫で始める。
の……脳が蕩けるぅうううううう!!!!!
しばらく頭を撫でられ続けていると突然ギャルJK星の手が止まる。
オレは突然撫でられるのを飼い主にやめられた犬や猫のように「え、もう終わり?」と言わんばかりの感情を込めながらギャルJK星へと視線を向けた。
「そうだいいこと思いついた! ねぇねぇ弟くん、ゆーちゃんに許可もらったらさ、アタシのこともお姉ちゃん扱いしてよ!」
ーー……え?
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