494 【陽奈編】まさかの相手!!【挿絵有】
四百九十四話 【陽奈編】まさかの相手!!
夏休みに入って早くも1週間。 ギャルJK星も家事修行が終わり帰って行き、オレは色んな意味で疲れた身体を少しでも早く回復させるため、ベッドの上で横になっていた。
「うーーん、いかんな。 ボーッとしてたらついつい優香たちのムフフな姿が浮かんでしまう。 とりあえず1回フィーバーしてから冷静になるか」
このままでは脳自体も休まらないから仕方ないよな。
オレは「しかしこれは何度見ても……ウヘヘ」と呟きながら最近録画した秘蔵映像を再生。 優香はお買い物中だから30分は帰ってこない……それまでにけりを付ける!
オレは壁に掛けてある時計を見上げて時間を確認すると、早速金……ゲフンゲフン、筋トレを開始したわけなのだが……
それは突然現れた。
『ダイきちくーーん!! どうしよーーー!!!! ってキャアアアアアアアアアアアア!!!!!』
「うおおおおおおおおおおお!?!?!?!?」
ベッドの上で仰向けになっていたオレの目の前……頭上に現れたのは褐色少女陽奈の姉・愛莉。
愛梨はオレの姿を見るなり一気に顔を赤面させて絶叫する。
「ちょ、ちょちょちょ!! なんで愛莉さん来てるの!」
『それよりも早くそれしまってよーー!!! 何やってるのまだ夕方だよーー!?!?』
「いやいや時間帯は関係ないだろ! ていうかこの状態で止めろとか……鬼かよ!!」
『鬼じゃないよ幽霊だよ!!』
「知ってるわそれくらい!!!」
オレは片手で筋トレをしながらも愛梨に華麗にツッコミ。
この状態での『待て』は絶対に嫌だったので愛莉には申し訳ないが少しの間待ってもらおうとしたのだが……
「あれ、これって……」
オレは気づいてしまったんだ。
もちろんオレは小学生ということで基本何をしたとしても合法……そして目の前にいる愛梨は霊体……何をしても罪にならない。
ということは……だ。
アレが出来ますやあああああん!!!!!
オレは愛莉の『ーー……心の声、聞こえてるよ』の言葉など耳に入れず欲望を実行。
愛莉に「すぐ終わるから……頼む、見ててくれ」と囁くと、スマートフォンをベッドに置き愛莉の視線を感じながら筋トレに集中しはじめる。
『ダ……ダダダダ、ダイきちくんっっっっっっっ!!!!!!!』
うおおおおおおおおおお!!!! 見られながら(筋トレ)するのってとっても気持ち……EEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!
「愛莉さあああああああああん!!!! パンツを見せてくださあああああああああい!!!!!!」
『いやあああああああああ!!!! 変態ーーーーー!!!!!』
こうしてオレは想定していた時間の約5分の1という好タイムで筋トレを終了。
宙に浮かびながら放心している愛莉を置いてトイレへと向かい、筋トレ後の手洗いを済ませたのであった。
「うん、待たせた。 で、なんだ?」
『なんだじゃないよ……なんてもの見せてんのーーー!!!!』
オレは愛莉の視線が未だオレの下半身のとある部分へと注がれていることに気づく。
「いや、今はもう服の下で見えてないけど」
『今じゃなくて、さっきの話ーー!!!!』
「見たい?」
『見たくないよ!!!』
ーー……あ、筋肉の話ダヨ?
オレは真っ赤な顔でキーキーうるさい愛莉を「分かったごめんごめん」となだめながら再びベッドの上に腰掛ける。
すると愛莉もオレは話を聞く体勢が整ったことに気づいたのか『ほんとにもー!』と未だにブツブツ小言を言いながら目の前に降りてきたのだった。
『ダイきちくんのせいで一瞬何話そうとしてたか忘れそうだったじゃない』
「だからごめんって。 で、なんだ?」
『ーー……なんだっけ。 ダイきちくんのアドレス……』
「ん? オレのアドレスがなんだって?」
『じゃなかった!! そうだ聞いてよお!!!! 陽奈ちゃん、学校でラブレター貰っちゃったんだよーーーーー!!!!!』
愛莉がなんとも言えない……困惑した表情でオレを見上げてくる。
「え、ラブレター?」
『うん!』
「それは良かったじゃないか。 まぁ陽奈に先を越されるのはちょっと悔しいが……愛莉さん嬉しくないの?」
『嬉しくないよ!!!』
「ええええ、即答ですやん!!!」
愛莉がそこまで拒絶しているということは……もしかしてその相手に難ありってこと何だろうか。
そんな予想を勝手にしていると、オレの心を読んだ愛莉が『そうだよ!』と大きく頷きながら答える。
「そうなんですか!! え、てことは……ヤンキーとか?」
『ううん』
「じゃあ……先生?」
『ううん』
「も、もしかして……同性の女の子……とか?」
オレが若干興奮しながら尋ねると『そんなのあり得ないじゃん!!!』と高速のツッコミが飛んでくる。
「いやいやもう答え言ってくれよ。 他に何かあるか? オレが思いつく限りあり得なさそうな相手ってもう残りはオバケしかねえぞ」
『それだよ!』
「え」
今のは冗談で言ったつもりなんですが……。
オレは大きく瞬きをしながら愛莉に「ーー……マジ?」と尋ねる。
『マジだよ!』
「でもなんでそんなこと……」
『だって私、陽奈ちゃんがラブレター読んでる時にこっそり後ろから覗いたんだけど……そこに「夏休み、いつでもいいので学校に来て返事ください」って書いてたんだよ!? それに手紙の最後にソウタって名前書いてたんだけど……陽奈ちゃんのお友達にはそんな名前の子いないんだもんーー!!!』
「ええええええ!?!?」
『どうしようダイきちくん!! このままじゃ陽奈ちゃん近いうちに返事しに行って……怖い目にあっちゃうかもしれないよおおおおおお!!!!!』
「なんだってええええええええええ!?!?!?」
そういや優香が近々また福田祖父母の家に行くと言ってた気がする。
オレは愛莉にそれまでなんとか邪魔をしておいてくれと頼み、その後買い物から帰ってきた優香にいつ向かうのかを尋ねた。
「え、おじいちゃん達のとこに行くのいつかって?」
「うん!」
「一応明後日って前にも言ったような気もするんだけど……何か予定でもできた?」
「ううん!! 大丈夫ありがとう!!」
もし本当に陽奈にラブレターを渡した相手が幽霊で、それで陽奈に危害を加えようとしているのならオレがなんとかするしかない。
こうして2日後、オレは優香とともに福田祖父母のいる田舎へと帰省したのであった。
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