486 【小畑編】フルマックス!
四百八十六話 【小畑編】フルマックス!
突然の着信。 そして偶然にもスマートフォンの画面がオレのとある部分に当たり、出ることになってしまった小畑の元チームメイト・鈴菜ちゃんって女の子からの電話。
「いた気持ちEE……じゃない、どうしよ小畑さん」
オレが視線を小畑に向けると、小畑は細かく体を振るわせながら素早く顔を左右に振った。
『もしもーし? 美波ちゃん?』
『小畑?』
スマートフォンのスピーカーからは2人の女の子の声。
オレもさすがにこのまま放置はまずいだろうと、小畑に「ねぇ小畑さん、出なくて大丈夫なの?」と尋ねようとしたのだが……
「しっ……黙って」
小畑は小さく叫びながら仰向けの状態で横になっているオレの上にしゃがみ込むと、勢いよくオレの口元をその手で抑え込んでくる。
「おひょう!」
「だからうるさいっ」
うおおおおおお!!!! 下の方……当たってるんじゃあああああああ!!!!!
夏ということで寝巻きも夏仕様……生地がかなり薄めということもあり、オレの上に跨るように乗ってきている小畑の感触が直に伝わってくる。
しかもあろうことか素晴らしい位置で座っているものだから余計にオレの興奮度はフルマックス。 そう……言うなれば柔らかくも魅惑的な場所でプレスされているのだ。
「うおふううううう!!!」
あまりのこの世のものとは思えない感覚に自分の意思とは関係なく心からの声が漏れる。
「うっさい福田! マジ黙って!」
『ーー……あれ、今男の子の声しなかったですか?』
『気のせいでしょ。 聞こえたとしたら五條だけじゃない?』
『ええええ、怖いこと言わないでくださいよー!!』
それからしばらくの間通話はオンの状態になっていたのだが、結果向こうから『電波悪いのかな……』と通話を切断。
小畑はあまりの動揺で股辺りに当たってたものの感触……とか全然気づかなかったんだな。 「あっぶな……」と言いながら通話の終了されたスマートフォンを手に取ると、「今更何話せって言うのさ……」とブツブツ呟きながら優香の部屋へと戻っていったのだった。
◆◇◆◇
早朝。 昨夜の優香と小畑との魅惑の会話を聞き、更には小畑の素晴らしい感触・圧力を体験したオレは興奮のあまりほとんど寝付けず。
眠り自体浅かったせいもあり、目覚ましが鳴るより早く起きたオレは眠ることを諦めリビングへと向かった。
「くそ……さすがにあれからハッスルしすぎたぜ」
まぁあんな天にも昇るような感覚を味わってしまっては仕方ない。
ともあれあの感覚を思い出していてはすぐにまたハッスルしたい欲がオレを襲ってくるしなぁ……。
さすがにこれ以上してしまっては身が持たないと感じたオレはソファーに腰掛け、気を紛れさせるようにスマートフォンを弄って時間を潰していると、どのくらい経ったのだろうか……未だ眠そうな優香がまだ完全に開ききっていない目を擦りながらリビングへと入ってきた。
「あ、ダイキ……早いねおはよ」
「うん、おはようお姉ちゃん」
「具合はどう?」
「大丈夫だよありがとう。 ていうかお姉ちゃん、いつもより起きるのちょっと早くない?」
「うん……昨日の夜干した洗濯物の乾き具合見ないとね。 美波ちゃんのまだ乾いてなかったら急いで乾かさないといけないからさ」
優香は冷蔵庫から取り出したコップ一杯のお茶を入れて飲むと、大きくあくびをしながら洗濯物を干している脱衣所の方へと向かう。
「もしあれだったらオレやっとくよ?」
「ううん、大丈夫。 流石に同い年の男の子にパンツ乾かしてほしい女の子はいないでしょ」
「あー……確かに」
優香……あなたって人はどこまで聖女なんだ。
結果夏場ということであまり湿気がなかったのか小畑のパンツは乾いていたようで優香は小畑の洗濯物を持ちながら再びリビングへ。
靴下やらパンツを綺麗に畳むと「じゃあもうちょっとしたら朝ごはんの用意するから、先に顔洗っておいで」とオレに伝え、それらを渡すために未だ爆睡中なのであろう小畑のもとへと向かったのだった。
「うし……じゃあオレも歯磨きとか先にしてくっか」
◆◇◆◇
オレは優香に言われた通り先に顔やら何やらを洗いに洗面所へ。
後に優香や小畑が控えているため高速で歯磨き等をしていたのだが……
「はよー、福田ぁー」
先ほどの優香と同様にかなり眠そうな表情をした小畑が洗面所へと登場。
オレの隣に並ぶと無表情のまま歯磨きを始める。
「お、おはよう小畑さん。 眠そうだね」
「んー、まぁ昨日の夜長かったからね」
な、長かった……だと。
「そ、そうなんだ。 なにしてたの?」
「言うわけないじゃんー。 女子の秘密」
「なるほど」
それからは沈黙の時間。
しばらくの間、オレと小畑の歯磨き中の音しか聞こえてきていなかったのだが……
「まぁでも……さすが高校生だわ。 まさか指と交互ってのは新発見だった」
沈黙の中、突然小畑がボソッと呟く。
「ーー……え、交互?」
「ん? 私何か言った?」
「いえ、何も」
な、なるほど。
てことはさっきの言葉から察するに、小畑は……持っていること自体が驚愕だったけど、今まではあの道具のみ……そして優香は夜な夜な指とそれとの交互で楽しんでいたというわけなのか。
ということは……ムフフフ!!!!
情報を得たオレの脳は一気にフル回転。
何を……とは言えないが、それらをしている2人のプライベートな風景を勝手に思い描いていったのだった。
「うわ……男って本当に朝にそんななっちゃうんだ」
「え」
オレが妄想の世界に浸っていると小畑が視線を何やら下の方へと落としながらポカンと口を開けている。
「お、小畑さん?」
「私、なんだかんだで嘘情報だと思ってたし。 そりゃそうだよね、朝っぱらからエッチなこと考えるわけないもんね」
「ーー……」
それからはもうお察しの通り。
小畑のやつ……思春期の男の脳を見くびってもらっちゃあ困るぜ。
朝からそんな熱い視線を向けられたオレは元気な状態を一定時間ずっとキープ。
小畑も「うわーこうして改めて見てるとなんかエロいよねー」と感想を漏らして更にオレの元気度を上昇させていたのだが、それは優香が「朝ごはんできたよー」とリビングからオレたちに声をかけた時だった。
「「はーい」」
オレはまだ絶賛歩きにくい状態だったため小畑に「先行ってていいよ」と伝えたところ、小畑が去り際に一言。
「うん。 てか福田」
「なに?」
「昨日の公園で福田が私にやったことなんだけどさ」
「エ」
「責任取ってもらうから。 とりあえず今日、休み時間になったらすぐにいつもの女子トイレに……私よりも早く来ること」
「E」
「もちろん昼休みオンリーとかじゃないよ? 休み時間全部」
「ーー……」
その後小畑は「んじゃお先にー」と手を振りながらリビングの方へ。
な、ななな……何をされるんだああああああああ!?!??!?
オレは先ほどの小畑の言葉により興奮度が急激に減少……ほどなくしてすぐに朝食の席に合流したのだった。
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