476 【三好編】告白
四百七十六話 【三好編】告白
時間が遅く進んでほしい時に限ってその時はすぐにやってくるもので、気づけば翌日。
オレは「ああ、どうやって三好と話そう……」とボソボソ呟きながら登校していたのだが……
「おっはよー! 福田ぁ!」
「うおぉ!?」
学校に到着し正面玄関を入ったところで背後からマドンナ四天王の1人兼ドSの女王の・小畑がオレの背中にタックルを決めてくる。
振り返ってみると……やはりいるな。 小畑の背後には仲良く登校してきたのであろう多田と三好。
「お、おはよー福田!」
「ーー……おはよ」
多田は無駄に明るく……そして三好は視線を合わせることなく挨拶をしてくる。
うわああああああ!! 三好、目を合わせてくれないけど顔めっちゃ赤いよおおおおお!!!
オレまで照れてきちゃうじゃねえかああああああ!!!!
自分の顔が少しずつ熱くなってきていることに気づいたオレは必死にポーカーフェイスを装いながら挨拶を返すことに。
「お、おお。 おはよう」
うむ、これは我ながら見事なポーカーフェイス。
そう思っていた矢先のこと、簡単にことを運ばせてくれないのがドSの女王・小畑だったのだ。
「えー、どしたの佳奈! なんか急にテンション低くない!?」
三好の違和感に気づいた小畑がクルリとオレに背を向けて三好の顔を覗き込むように歩み寄っていく。
「は、はあああ!? な、なななんでもないし! なに言ってんの美波!」
「いやいや佳奈、明らかにさっきまでと態度違うから」
「そ、そんなわけないじゃん!!!」
「はいダウトー。 あれれ、福田と何かあったのかにゃー? 佳奈ちゃん、お顔真っ赤っかだよー?」
「はああああああああああああ!?!??!?」
うわあああああああ!!! もうやめてくれええええええ!!!!
流石にこのままでは小畑と三好の間に亀裂が生じると感じたのかすぐに多田が2人の間へ。
「ほら美波、朝から佳奈いじってないで行くよー!」と無理やり小畑の腕を引っ張りながら教室へと向かいだした。
「え、麻由香、私は!?」
小畑と多田に置いていかれそうになった三好が慌てて上履きに履き替えながら多田に「ちょっと待ってよ!」と声をかける。
「だめ。 佳奈は福田とお話しておいで!」
「えええええ!?」
「何のために一昨日の夜、ウチが話聞いてあげたと思ってんの」
「それはそうだけど……」
ん? なんだなんだ?
また来たぞこの急展開。
小畑も多田に「え、何のこと!? もしかしてラブ系!? ねぇラブ系!?」などと目を輝かせながら尋ねていたのだが、多田はそれをもスルーして「はいはいいくよー」と小畑を連行。
あっという間にオレは三好と2人きりになってしまったのだった。
これは……腹をくくるしかねぇか。
「な、なぁ三好」
オレが恐る恐る話しかけると三好はポニーテールを激しく揺らしながらビクンと反応。
目を泳がせながらもオレに「な、なにさ」と尋ねてくる。
「とりあえずまだ時間はあるし……ここじゃアレだから、裏庭行こうぜ」
「ーー……うん」
そうだな、まずは昨夜の多田からのメールにもあったけど、本当に三好がオレにガチなのか確かめなけれないけない。
もしかしたら多田の勘違いって線もあるし、逆に三好が本当にオレのことを好きでいてくれているのだとしたら、そのまま放置ってのもかなり申し訳ないからな。
こうしてオレは三好とともに校舎裏付近にある裏庭へ。
登校して来ているクラスメイトたちに不審がられないよう、いつものような……日常的な会話を交えながら目的地へと足を運ぶ。
「そ、そういや今日はあれだな、晴れてるなー!!」
「うん。 そ、そうだね」
「こういう日はパンツを見るに限るよな! 三好はどんなパンツ履いて来たんだ?」
「ーー……え」
「あ」
ノ……ノオオオオオオオオオオオオ!!!! やってしまったあああああ!!!!
あまりにも緊張しすぎて昨日の夜ずっと眺めてた三好のいちご柄のパンツのこと考えながら話してたらそんな話題になっちまったあああああああ!!!!
オレはすぐに三好に向かって「い、いや! 違うんだ! 決してこれは今三好のパンツを見たいとか、そういうわけではなくてだな……!」と言い訳を開始。
しかし三好から返って来た言葉は意外なものだった。
「いいよ。 約束……したし」
ーー……へ?
「ていうか福田は私のパンツ見たくて裏庭まで連れていってるんでしょ?」
裏庭に到着すると三好が「じゃあここで捲ればいい?」と制服のスカート部分に手をかける。
「え、いや……ちょっと待て三好」
「それとその……私がパンツ見せたついででいいんだけどさ、私の話もちょっと聞いてほしいかなって」
「ーー……話?」
「うん。 まぁでもまずは……」
三好はオレの目の前に立つとスカートの裾を胸下あたりまで捲りあげる。
「ちょ、三好! おいこら待て……って。 お、おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
オレの瞳が捉えたのは白い布地に小さなブドウのイラストが散りばめられたJSしか履くことを許されない装備者を限定しているパンツ。
朝方ということで太陽の光がいい感じに三好のパンツに差し込んでおり、より一層の神々しさを醸し出しているではないか!
「べ、別にもっと近くで見てくれてもいいし」
なんというサービス! パンツを拝めただけでも眼福なのに、顔を真っ赤にした三好が呟くようにオレに更なる接近を許可する。
「ま、ままままマジかあああああ!! ありがとうございまぁあああす!!!」
オレは素直にその場でしゃがみ込むと、そんな体勢のまま数歩前進。
パンツとの距離が残り僅か約15センチ程というかなりの至近距離で凝視していると、三好が「あのさ、一昨日の電話のことだけど……」と話題を切り出してくる。
「電話……うんしたな!」
「あれ私……本気だから」
「本気?」
「うん。 私……福田のこと、好きなんだよね。 別に返事はしなくていいからさ、私が福田を好きってことだけ分かっててほしいかなって」
「ーー……え」
突然のパンツ越しの告白。
パンツからゆっくりと視線を上げていくと、そこには恥ずかしそうにしながらも優しく微笑んだ……純粋な瞳をこちらに向けている三好の姿があった。
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