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47 新たな扉、開きました!


 四十七話  新たな扉、開きました!



 優香の友達らしきギャルJKとコンタクトを取れたオレは時間もあまりないことから単刀直入に尋ねる。



「ここだけの話、お姉ちゃん……優香はビッチなんですか?」


「ーー……は?」



 ギャルJKがポカンと口を開ける。



「えーっと……キミ、その年でよくそんな言葉知ってんね」


「そんなことはどうでもいいんです。 お姉ちゃんはビッチなんですか?」


「なんで?」


「だってさっきアレ……渡してたじゃないですか!!!」


「あーね、見てたんだ」



 ギャルJKが笑いながらオレの肩をポンポン叩いてくる。



「んーとね、教えてあげたいんだけど、そろそろゆーちゃん……キミのお姉ちゃん帰って来るかもだし、メールとかで良き?」


「え」


「だってゆーちゃんにバレたくないんだべ? 今ここで話してもいいけど確実に時間足んないよ?」



 な、なるほど確かに。



 オレが納得しているとギャルJKが自らのスマートフォンを取り出して通信画面を見せてくる。



「んでどうする? 交換する?」


「ーー……わかりました」



 オレはその場でギャルJKと電話番号・メールアドレスを交換。 その後優香にバレないようそそくさと自分の席に戻った。



「んじゃ後でねーん」


「ありがとうございます」



 元の席に戻ったオレは先ほど連絡先を交換したギャルJKの名前を確認。



 ーー……【星 美咲】か。



「優香にあんなギャルタイプの友達がいたなんてなんか意外だな」



 とりあえずミッションをクリアしたオレは安堵の深い息を吐く。 その後心配させるのも申し訳ないので優香には『間違って電話ボタン押しちゃった』的な内容のメールを送ったのだった。



 ◆◇◆◇


 

「ごめんねおまたせー」



 母親からの電話を終えた多田が戻ってくる。



「なんだったの?」


「あー、来月に塾で模試があるんだけどね、ちゃんと持たせた代金払いなさいよーって」


「なるほどな」


「裕太兄ちゃんまだきてないんだ」


「うん。 連絡もあれからきてないから間に合うかわからないな」



 オレは工藤から連絡がきていないかを確かめながら答える。

 しかし連絡は案の定来てはおらず、多田の時間も差し迫っていたため早速本題に入ることにした。



「まぁあれだ。 一応多田の声で合いそうなラブカツの曲ピックアップしてきたから、ちょっと聞いてみてくれるか?」


「へぇー! ウチのために選んでくれてたんだ! サンキュー!!」



 オレはイヤホンを取り出し、スマートフォンに差し込むと多田に渡して再生ボタンを押す。



「んじゃちょっと聞くねー」


「おう」



 こうして多田はオレピックアップのラブカツ曲の試聴を開始。

 やることのなくなったオレはボーっと多田が曲に集中している姿を眺めていた。



 ていうか多田ってあれだよな、オン眉の髪型似合ってるよなー。

 


 そんなことを考えていると後ろの席から「あ、じゃあ私そろそろ帰るね」と優香の声が。



「もうそんな時間かー。 夕飯の買い出し?」


「うん。 食材買って晩御飯作らないと」


「ゆーちゃん、いいお嫁さんになるねぇー、てかアタシと結婚する?」


「もうやめてよー」



 2人が席から立ち上がる音が聞こえたのでオレは即座にランドセルからノートを取り出し顔を隠す。

 すると……今のオレの行動はナイス判断だったな。 「ねぇ美咲見た? 今の小学生ってファミレスで勉強するんだねー。 すごい」とこちらを見たらしい優香の声が聞こえてきた。



「オー、ソーダネー。 ほら、早く行くべ行くべ」


「ちょっと美咲、何その棒読み」


 

 あぶなかった。 ノートで顔隠してなかったらどうなってたことか……。 



 2人はじゃれ合いながら会計を終わらせ店の外へ。

 オレはそんな2人の後ろ姿を目で追っていたのだが店を出る際、優香の友達のギャルJK……星美咲が一瞬こっちを振り返り、笑顔で小さく手を振ってくる。

 なのでもちろんオレも小さく手を振り返したのだが……


 え、あれ? ギャルってこんなにいいものだったっけ。


 大学時代、アニオタを本気でやってた時も基本は清純無垢な女の子にしか興味なかったのだが……まさに今、オレは新たな扉を開いたのか?



 ギャル……結構好きかも。



 その後しばらくして工藤が息を切らせながら汗だくで到着したのだった。



 ◆◇◆◇


 

「多田ちゃんは音楽聞いてるの?」



 音楽を聴いている多田に犯罪ギリギリのような視線を向けた工藤がオレに話を振ってくる。



「そ。 オレがピックアップした曲の中で気にいる物があるか選んでもらってるんだ。 てかおせーよ」


「そう言わないでよ。 僕もただ遅れたわけじゃないんだから」



 そう言うと工藤はリュックから大量の本を取り出してテーブルの上に乗せていく。

 すると曲に集中していた多田が工藤に気づいてイヤホンを外した。



「あ! 裕太兄ちゃん来たんだね、こんちゃー!」


「ゆ……裕太兄ちゃん!?!?」



 多田の『お兄ちゃん』攻撃が工藤の性癖にダイレクトアタック。

 工藤の鼻の穴が1・5倍に膨らみ口角が45度上がる。



「そう! 裕太兄ちゃん、名前が工藤……裕太だったでしょ? だから裕太兄ちゃん! ……だめ?」


「ノンノン!!! むしろそれでお願いします!! ああああ、生きててよかったああああああ!!!!」



 工藤が両手を握りしめながら感動の涙を流す。

 しかしオレは極めて冷静に工藤の肩を叩き、こう耳元で囁いたのだった。



「とりあえず落ち着け。 周囲の目が痛い」



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[一言] ショタとギャルの掛け算はどっちが前だろう…? 誘い受けギャルも良き
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