467 【三好編】ダイキ☆エクササイズ
四百六十七話 【三好編】ダイキ☆エクササイズ
微熱で日中は部屋で休んでいた三好。
しかし少し寝たのが功を奏したのかは分からないが僅かにだが熱は下がり、ちなみに今は夕食タイムなのだが『こいつ本当に体調悪いのか?』と思えるほどの食べっぷりだ。
「お、おい三好、めっちゃ食べるな」
「うん! お腹空いてたんだよねー!」
「お前本当にまだ熱あんのかよ」
「うーん、どうだろ。 もしかしたらもう治っちゃったのかもね」
「うむうむ、オレの愛ある看病のおかげだな」
「うるさいバーカ」
ていうかあれだよな、三好がここまで美味しそうに食べているとこっちまで食欲が湧いてくるぜ。
オレもそんな病み上がりの三好に負けないよう夕ご飯を爆食。 三好からも「ほへー、福田も案外食べれるんだね」とお褒めの言葉をもらい、「てかあれだぞ三好、ちゃんと水着写真届いたら教えろよ」となんだかんだで盛り上がっていたのだが……
「はいー、みんな聞いてくださーい。 今から自由参加の肝試しをするので、希望者は30分後に体操服に着替えてロビーに集合してくださーい」
どうやらシークレットイベントが始まる模様。
それも普通の肝試しではなく、前回の宝探しイベントに似たような構成とのことだ。
・ゴールまで行くと参加賞:遅刻1回免除チケット(10分まで)
・途中隠された封筒を見つけると、その中に入っているチケットの内容の特別賞:(例)1回休み無効・テスト5点アップ・通知表1教科限定1段階アップ
どうやら隣町出身生徒はこのようなイベントは初めてのようで「マジで!?」「これはやるしかないよね!」と活気付いている。 一方で前回イベントで参戦した既存生徒側も「今度こそ見つける!」やら「参加賞があるだけでも熱い!」など隣町にも負けない盛り上がりを見せていたのだった。
「うーわ、みんな元気だなぁ」
オレが一人シラけた目で参加意思のある生徒を眺めていると、三好が「え、福田は参加しないの?」と尋ねてくる。
「いやいや勘弁してくれよ。 お化け系統はトラウマあるんだよ」
「そうなの?」
「あぁ」
それにオレの記憶が確かなら、以前神様……美香が『この山は神の世界と近い場所にある』的な発言してたからな。(第148話『オカルト少女の正体』より)
神の世界に近いってことは霊的な何かがあるってことだろ? オレはもうクヒヒ野郎みたいなものは見たくないんだよ。
オレが「そんなことより水着画像だろ」と三好に語っていると、三好が「いやーでもなぁ」と若干首を傾げる。
「ん、どうした」
「私はその……参加したいなって」
ーー……は?
「なんで」
「だって私ここに来てから何も遊べてないもん! せっかく来たんだから何かしたいじゃん!?」
「な、なるほど」
ちなみに一応教師に三好が参加意思がある的なことを伝えると、どうやらこの肝試しイベントは2人以上3人未満のグループで行うらしく、他にメンバーがいれば安心だし大丈夫とのこと。
それでオレが三好に「で、誰と参加するんだ?」と尋ねてみたのだが……
「え、それはもちろん福田と?」
三好がオレが同行するのを当たり前かのような目でオレを見てくる。
「いやいやフザけんなって。 トラウマあるって言っただろ」
「えー、どうしても?」
「どうしても」
「お願い!!」
「無理」
「おーねーがーいー!」
「可愛く言っても無理」
「送られてきた写真で1枚好きなのあげるから!」
「おい何やってる。 早く参加するって報告しに行くぞ」
まったく……素晴らしいご褒美じゃねえか。
マジで目を凝らしたら恥ずかしいところが見えそうな写真を選別してやるぜ!!!!
こうしてオレは三好との参加を教師に報告。
部屋に戻り体操服に着替えると、三好を迎えに三好の部屋の扉を開けたのだった。
「おい三好、準備出来たかー? 早速行くぞー……って、え」
視界に飛び込んできたのは半着替え状態の三好の姿。
真っ白なブラジャーにこれまた白の布地に黒の星が散りばめられた可愛いパンツ。
「ふ、福田ーー!?!?」
三好が目を大きく見開きながら顔を一気に赤く染めていく。
くうううう!!! JSの照れ顔やっぱり堪らん!! それにそんなものを見せられたらオレの性的な何かも夜モードになっているわけで……
テンション上がるぜグングングーーン☆
ん、なんだ? 下半身の方から何やら声が聞こえたような……気のせいか。
そして三好の視線の先を追っていき改めて気づく。
そうだ……最近オレ、ブリーフからトランクスデビューして何が……とは言わないが綺麗に収まっていないんだった。 それでいて今は夏。
ハーフパンツは凄いな! 通気性柔軟性ともに最高じゃないか!!!
三好と2人きりの空間。 窓の外からは夏虫の合唱が……部屋の中ではオレの魂がサンバを踊っていたのだった。
「うっし、じゃあ三好、行くぞ!」
「いや……待ってたの私なんだけど。 元に戻すのに時間そんなかかるんだ」
「まぁ解放してないからな。 無理もない」
「解放?」
「ん? 直接的表現の方がよかったか?」
「何が?」
ふむ、やはり三好もまだ小学生。 そこらへんの知識はまだ疎い……ということなのか。
ここでオレの三好の知識に関しての知的好奇心が点火。
オレは三好と集合場所のロビーへと向かっている途中、少しだけちょっかいを出すことにした。
「なぁ三好、いいダイエット方法があるんだけど知りたいか?」
「え、なに急に。 ちなみにどこ?」
「二の腕だな」
「へー、ちなみにどんな?」
「ちょっと胸の前あたりの高さで手を軽く握って……親指が上にくるよう縦に向けてくれ」
そう指示すると三好は「こう?」とオレの言葉通りの位置に手を持ってくる。
「そうそう。 で、そのまま手首のスナップを効かせた感じで上下にプラプラーってしてみ?」
「こ、こう?」
「イェス!! ナイス!!!」
オレはまるで西部劇のガンマンのようにポケットから素早くスマートフォンを取り出すと、華麗な指さばきで録画モードへ。 三好のダイエット仕草を記録し始める。
もしこの三好の動きでいやらしいことを想像した紳士は手を挙げなさい!! これはれっきとしたダイエット方法……そう、ダイキ☆エクササイズなのだ!!
「なんで撮ってんの?」
「記録だ記録。 一応な」
「あー、でもほんとだ。 なんか腕が疲れて熱くなってきたかも。 これいいね」
え、マジ? そんなはずは……ゲフンゲフン!!!!
「だ、だだだろ? オレもそれ見てたら……熱くなってきたぜ」
まさか本当に効果があるとは。
今度エマや小畑、西園寺……それにワンチャンスを狙って優香にもふっかけてみるか。
そんなことを考えている間に集合場所へと到着。
オレはサンバ状態の心を誰かに見透かされないよう……後ろの方で体を若干丸めて説明を聞いていたのだった。
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