表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
460/733

460 【西園寺編】報告!!


 四百六十話 【西園寺編】報告!!



 手強そうで案外チョロかった第3のいじめっ子を退治した翌日の朝。

 西園寺を脅したいじめっ子2人をどう料理してやろうかと江良・成瀬とともに男子トイレ前で待っていると、頬は赤く腫れ目も充血したいじめっ子の1人目がトボトボと歩いてくる。



「え、あ……どうしたどうした!?」

「なんであんなにボロボロ……」



 江良と成瀬が驚きながらも見つめていると、そいつはオレたち……厳密には成瀬に視線を向けながら勢いよく頭を下げた。



「ほんっとうにごめんなさい!!! 許してください!!! なんでもします!!! だから警察には言わないでください!!!」



 な……ななな、なんだなんだなんだああああああああ!!?!?

 何が起こったんだあああああああああああ!?!?!?!



 オレの脳内シミュレーションでは画像を消したことでふて腐れたいじめっ子が登場……ムカつく態度で話しかけてくるはずなので、「本当に消したのか見せろ」とスマートフォンをチェック。 その後「成瀬と同じ気持ちを少しは味わえ」とパンツをずり下げて脅しの写真を撮るという流れだったのだが……



 とりあえずオレたちは一番気になっているであろう酷い見た目のことを尋ねることに。

 いじめっ子Aに戦意は感じられない……もはや男子トイレに引きづり込まなくてもよさそうだったので、その場で話を聞くことにした。



 ◆◇◆◇



「ええええええ、親にボコボコにされた!?」



 いじめっ子Aの言ったことを繰り返し尋ねると、いじめっ子Aは半泣きで力なく頷く。

 どうやら昨日、ちゃんと第3のいじめっ子が母親に成瀬の件を告白したらしく、いじめっ子Aの家に連絡……結果、いじめっ子Aは両親にスマートフォンを取り上げられ確認された後にボコボコにされたとのことだった。

 母親は号泣しながら何度もビンタ。 父親からも数回のビンタを食らってしまったらしい。



 うわぁ……5年の時にオレをいじめようと必死だった杉浦は両親ともにクズだったけど、こいつの親……まともだったーー。



 オレは隣町出身の荒れた生徒にもちゃんと叱れる親がいることに感心しながらもその後のことを聞くことに。

 するとまず成瀬の画像の件はすぐに両親立会いのもと全て消去。 「西園寺の音声データは?」と尋ねてみると、あれは単なる脅し……実際は録音なんてしてなかったし、する暇もなかったとのことだった。

 まぁ確かにそうか。 西園寺の鬼の連撃を受けながら録音モードにするとか普通に考えてそんな余裕ないもんな。


 それでどうしてそこまで怯えているのか尋ねると、どうやらいじめっ子Aは両親から「相手が許してくれなかった場合は警察に連絡してAを逮捕してもらう」と言われたかららしい。

 まぁ実際は未成年だし逮捕とかはないのだが、やはりそこもJS……世間を知らないあたり可愛いもんだぜ。



 こうしてオレたちは一応Aを解放。

 成瀬はAを許すらしく、Aは「ごめん……ありがとう」と泣きながら教室へと戻っていったのだった。



「ーー……いいの? 成瀬さん、一発殴らなくても」


「うん、反省してくれたなら……謝ってくれたし私はそれでいい」



 せっかくだし結城の時みたく、顔面にグーパン食らわしても良かったのではないかと思うのだが……まぁ成瀬がいいって言ってるんならいいか。



 それから数分後、次に現れたのはいじめっ子Bではなく6組の担任。 Bのことで話があると言われ、何故かオレたちも職員室へと連れて行かれたのだった。



 ◆◇◆◇



「先に謝らせて頂戴、成瀬さん……あなたやっぱりイジメられてたのね」



 職員室奥にある応接間。 そこで6組の担任が「気づけずごめんなさい」と頭を下げた。

 話を聞くと、どうやらBはA同様ボコボコにされたらしいのだが、流石に人前に出せる顔面の状態ではないらしく、反省の意も込めて学校は当分休ませるとのこと。 そんな内容の電話がB宅から今朝学校にかかってきて今に至るという。



「それで……成瀬さん、このことは……成瀬さんがイジメられてたってことはご両親は知ってるの?」



 6組の担任が緊張した面持ちで成瀬に尋ねる。



「それは……なんでですか?」


「先ずは先生が気付けなかったことに謝りたいの……それからあの2人の両親も成瀬さんのご両親に謝りに伺いたいって仰ってて……」



 これから先は成瀬と担任……そしていじめっ子ABの家庭の問題。

 これ以上聞いててもオレや江良には関係ないと感じたオレは6組の担任に「あのー僕らはもういいですか?」と尋ねる。

 するとどうだろう……6組の担任は「あ、じゃあちょっと先に話すね」と言いオレたちに視線を移すと、こう尋ねてきたのだった。



「聞きたいんだけど……どうやってあの3人を降参させたの?」



 ーー……。



「エ、ナンノ、コトデスカ?」


「それにあの3人がいじめに関与してることは私を含めて先生方もみんな気付けなかったし、成瀬さんに聞いてみても教えてくれなかった。 だけど成瀬さんはクラスも違うあなたたちには心を開いた……一体どうやって」

  


 言えない……第3のいじめっ子に動物園を開園して心を折らせたなんて……絶対に言えない。



「ワカラナイ、デスネー」



 オレは江良に何も発するなとアイコンタクト。

 そのまま分からないを突き通し、なんとか地獄の空間から抜け出したのであった。

 すると何故か出た先ではうちの担任が立っていて……



「ーー……ど、どうしたんですか先生」


「話は聞いたぞ福田。 成瀬がいじめられてるのを救うのに協力したらしいな」


「あー。 まぁ、あまり何もしてないんですけどねぇ。 なんでですかねぇ」


「ちなみにだが……」



 担任の顔色がおかしい。

 オレが「あれ、先生どうしました顔色悪いですよ」と尋ねたところ、担任の口から思いも寄らない言葉が返ってきたのだった。



「ちなみにその解決には……お姉さんが関わってたりとかは……しないよな?」


「お姉ちゃんですか? はい、ないですけど」


「そ、そうか!! 関わってないか!! そうか良かった良かった!!」



 一体何を心配していたのだろう。

 なんとなくは想像つくが、優香が関わっていないことを聞いた担任はホッとした表情で自身の席へ。 「お前らも早く教室に戻れよー」と爽快な声をかけてきたのだった。



「ーー……なぁ福田、あの先生、お前のお姉さんと何かあったのか?」


「江良よ。 この世には知らない方がいいこともあるんだぞ?」


「は?」



 ◆◇◆◇



 それからオレは教室に戻るなり西園寺にメールを送る。



【送信・西園寺】待たせたな。 音声データは単なる脅しで実際は録音なんてしてなかったらしいぞ。 そしてあのいじめっ子たちは成敗した。 西園寺、もう大丈夫だ。



 こうして西園寺は2時間目の授業から参加することに。

 1時間目の授業では隣のエマに「あれ? なんかダイキ、イカ臭くない?」と言われ、あぁ……この平和な気持ち、久しぶりだぜぇとノリノリで「イカ臭いってつまりは何?」などとセクハラを楽しんでいたのだが……



「6組の奴らが西園寺を脅してた!?!? ぶっ殺す!!!!!」



 それは1時間目の授業が終わってすぐの休み時間。

 4組の方から綾小路のかなりドスの効いた叫び声が聞こえてきたのだった。



 忘れてた……まだそっちの問題があったんだ。



 ああああああああああああああ、終わってなかったあああああああ。



お読みいただきましてあるがとうございます!

下の方に星マークがありますので、評価していってもらえると励みになります嬉しいです!!

感想やブクマ・レビュー等、お待ちしております!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 自滅していらっしゃったか……。 優香ちゃんが無関係で安堵する担任w 彼女が関わるといじめた相手が死にそうw 綾小路ちゃんの暴走を止めるのが次のダイキの仕事ですな!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ