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446 【結城編】最悪の予想からの!?


 四百四十六話 【結城編】 最悪の予想からの!?



「え……ええええええ!?!? 桜子と高槻先生が……転校!?!?」



 結城が引越しをすると言う事実を知ったその日の夕方。

 オレはこの気持ちを早く誰かとシェアしたかったため、早速晩御飯の用意をしていた優香にそのことを伝えると流石はガチで結城と姉妹の契りを交わしただけのことはある……「そ、そんなダイキ、ウソつかないでよ! もうエイプリルフールはとっくに過ぎてるよ!?」と優香はこれでもかと言うほどにかなり動揺。 何も置いていないまな板の上でエアー千切りをし始める。



「ち、ちなみにそれ……いつなの?」


「それはオレも分からない。 今日引越しすることを聞いただけだから」


「うーーん、てことは桜子のお母さんが関わってるのかな」



 優香が相変わらずの芸術的なエアー千切りをしながら小さく呟く。



「え、なんで?」


「だってそれしか理由考えられなくない? もし高槻先生が転任するんだったら新学期始まる前……もう引越ししてるはずでしょ? それが原因ではないとしたらやっぱり桜子のお母さん……もしかしたら別の病院に転院するからそこに近い物件に引っ越すとか。 先生は校区とか関係ないから引き続き同じ学校で、桜子だけその校区内の学校……みたいな感じじゃないのかな」


「ええええ……」



 オレは優香の推理を聞いて更に絶望。

 これは……どうにかならないのか?



「ちなみにその校区って縛りはさ、お姉ちゃんが校長先生たちに言っても意味ないのかな」



 こういうときこそ優香姫の発言力だろ。 オレが苦し紛れに尋ねると、優香は「うーん、それくらいなら出来ると思うんだけど、それだと行き帰りが大変になって桜子に負担がかかるんじゃないかな」と答える。



「あ……そっか」


「うん。 そもそもそれでも大丈夫なら桜子、真っ先に私に相談してくるはずだし」



 ここでようやく優香はエアー千切りに気づき、まな板の上に野菜をセット。 自分の手を切らないよう注意しながら少しペースを落として切り始めた。



 ていうか……え?



「えっと……なんで結城さん、お姉ちゃんに聞いてくるの?」



 するとどうだろう……優香は「あ、そっか。 ダイキには教えてなかったね」と思い出したように小さく呟きながら視線をオレに向けてくるではないか。



「ん? お姉ちゃん?」


「実はね、お姉ちゃんちょっと前まで夜に桜子とオンラインで一緒にあのゲーム……【魔獣ハンター】をしてたんだけど、その時に色々と教えてあげてたんだよね」


「色々?」


「うん。 例えば自分の要求が通らない時はどうすれば通りやすいか……とか、あまりにも自分に敵対してくる人がいたらどう対処すればいいのか……とか」


「え……えええええええええ!!?!??!」



 なんという衝撃的な事実。

 ちなみにそのゲームは大勢の人数で遊べることから基本的には優香国の民たちもログインしてくるとのこと。 そういう人たちはほとんどが大人なため、社会人の立場から見たアドバイス等も結城は教えてもらっていたとのことだった。



 こ……これはまさに姫の継承の儀。



 ゴクリと生唾を飲み込んでいると優香が「ん、どうしたのダイキ」と尋ねてくる。

 オレは口を滑らさないようにその場から退散。 自室へと戻ると気分を入れ替えるため、あの癒し系グッズ・ギャルJK星のパンツを頭から被り心を落ち着かせたのだった。



「あああ……やっぱりこれに限るぜぇ」



 股の辺りに鼻をつけてスハスハしていると突然ポケットに入れていたスマートフォンが振動。

 オレは優香からの呼び出しメールなのかなと思い確認してみたのだが……



「ーー……ん、結城?」



【受信・結城さん】突然ごめんね。 明日学校終わりに、ママの病院一緒についてきてくれないかな。



「ん……んんんんん!?!?」



 なんということだ。

 メールの送信者はまさかの結城でしかも内容が『私のママの病院についてきて』ときたもんだ。

 それにしても一体何故。



【送信・結城さん】えーと……オレ? なんで?


【受信・結城さん】なんかママが福田くんと久しぶりにお話したいんだって。



 ーー……。



「これってあれじゃん!! 今まで娘と仲良くしてくれてありがとうとか……そういうやつじゃん!!!!」



 そしてその翌日の放課後。

 オレは結城とともに結城母の入院している病院へ。 院内に入ると結城が「ちょっとママに差し入れ買ってくるから……ちょっとそこで待ってて」と売店へと駆けていく。

 なのでオレは結城に言われた通りにその場……待合室エリア付近の柱に持たれてジッと待っていたのだが……



「ーー……あれ、ダイきちくん?」



「え?」



 声が聞こえたのは待合席の方。

 その人物を視界が捉えた瞬間、オレはあまりの衝撃に声を出すことすら忘れてしまっていたのだった。



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― 新着の感想 ―
[一言] お?おや?おやおやおや?
[良い点] 優香ちゃんとも仲が良いようで!! ダイきちくん呼びは限られてくるぜ!! とりあえず、ダイキ……頑張れ!
[一言] ダイキチくん こう言う娘は… 現地妻元中学生!(名前忘れた!すまん!)
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