420 百聞は一見にしかず!?【挿絵有】
四百二十話 百聞は一見にしかず!?
あれから優香は小畑に貸すための衣類を探しにオレの部屋の洋服棚を物色……結城の服やパンツ等が忘れられていないかを小畑とともにチェックしていたのだが……
「んー、やっぱり置き忘れとかはしてないかー」と、優香が残念そうにオレのパンツ等を元の場所へと戻していく。
するとそんな中小畑が何かを見つけたのかグイッと引っ張り出して、それを優香の目の前へ。
「あのー優香さん、これ何ですか」と優香を見上げながら尋ねた。
「あー、それはハロウィンの時にダイキが着てた白鳥さんの衣装だね」
優香が「懐かしいねー」と感想を述べながら白鳥の頭をツンとつつく。
「これを……福田が!?」
「うんそうだよ」
「でもこれ、内側から見たらこの白鳥の首が生えてるところ……何か中心に丸い穴が空いてますけど。 不良品ですか?」
おっ! とうとうバレてしまったか!!
そう、実はこの相棒・白鳥パンツの首が生えている部分の内側には、一体何を入れるのか……500円玉サイズの穴が空いているのだ!!
小畑の言う通り不良品カナ?
ちなみに尋ねられた優香は「え、えーと、なんだろうねアハハハハ」と誤魔化している。
「えー、やっぱ不良品な感じなんだー。 こんなとこ穴空いてても意味ないですもんねー」
「そ、そうだね。 まぁ私たち女子だったらあんまり違和感ないかもなんだけど、男の子が履いたら窮屈だから……なのかもね」
「へ? つまりどう言うことですか?」
「んーー、私にもわかんないや!」
そんな優香の答えに小畑はあまり納得のいっていない様子。
その後白鳥の顔を再び見つめると、「これを福田が……へぇー」と何やらニヤニヤしながら「ねぇ優香さん!」と目をキラキラさせながら優香に顔を近づけた。
「どうしたの?」
「あの、これを福田が着てる写真とかってあります!?」
「え、ダイキがこれを着てる時の写真? うん、あるけど」
「見せてください!!!」
これに対して優香も別に断る理由もなかったのか「いいよ、ちょっと待ってね」と言いながら自身のスマートフォンの画像フォルダを開き、ハロウィンの時の日付まで遡っていく。
そしてそれはすぐに見つかったらしく、「あったよ。 これ」と言いながら小畑にスマートフォンの画面を見せたのだった。
一体いつの間に撮っていたのやら。
相棒白鳥パンツを装備したオレの写真がまぁ出るわ出るわ。
そしてそれを見た小畑は「あはははははは!!!! めっちゃ似合ってるんだけどーーー!!!」と涙を流しながら笑い転げていたのだが……
「あ、でもそういえば、あの子……麻由香ちゃんも履いてたよね」
突然優香が「確かあの時もパンツがなくて……これ履いてたんだっけ」とオレに尋ねてくる。
「あー、うん」
優香……急に何をブッこんできているんだ?
「えええええええ!?!? 麻由香があああああ!?!?!?」
ほら。
「それで確かあの時一緒にいたのって佳奈ちゃんだったよね」
「えええええええ!?!? なんで佳奈もいんのおおお!?!?」
おい優香それ以上やめい。
その後小畑は優香に「美波ちゃんもこれ履く?」と冗談交じりに提案されるも、小畑はそれを全力否定。
パンツは履かないことを選択し、今夜着る服を選んだのだった。
◆◇◆◇
オレの目の前には部屋着?に着替えた小畑の姿。
どうやらお風呂は最後に入りたいらしく一番風呂を拒否。 先に優香が入浴している間に服のサイズが合うか試したかったとのことだったので、オレの部屋で着替えてリビングに戻ってきたのだった。
その衣装とは……
「じゃーん、どう福田、案外似合ってるぽくない?」
小畑がくるりと回りながらオレの目の前でポーズを決める。
そう……それは以前結城が着ていた幼稚園児のコスプレ衣装で……!!!!!
「おおお……おおおおおおおおおおおお!!!!!!」
オレは黒いミニスカートから生えているエロい小畑の生太もも……いや、靴下等も脱いでいたので更にどエロくなった小畑の生脚全体を舐めるように視線を集中させる。
最近までエマたちと特訓していたせいもあるのだろう……足は程よく引き締まっていて、それでいて女の子らしさ漂う柔らかさも残っている素晴らしい脚だ!!
オレがそんな世界遺産級の太ももを眺めていると、それに気づいた小畑が「いや、流石にガン見は引くわ」と太ももを手で若干隠しながらオレに冷たい視線を向けてきた。
「あー、いや、ごめん」
「まぁ今日助けてもらったから別にそれくらいいいけどさー」
そう言うと小畑はその場でしゃがみ込み、「ていうかなんで足なん?」と尋ねてくる。
「え、それはどういう……?」
「だって今私コスプレしてるわけじゃん?」
「うん」
「だったらさ、普通は服装みて可愛いとかいうわけじゃん? なんで福田は服装とかあんまりみないで足ばっか見てたの?」
小畑は純粋にそう思ったのだろう。
頭上にはてなマークを浮かばせながら首を傾げている。
「あーー、それは……」
「それは?」
エロいからです!!!! ーー……なんて言ったら絶対に引かれるからなぁ。
ここはどう上手く切り抜けたらいいのだろうか。
オレは脳をフル回転させながら再び目の前でしゃがみこんでいた小畑の足へと視線を下ろしたのだが……
「!!!!!」
オレの目の前にはもちろん小畑の足。
しかししゃがみ込んでいることからスカートの中身が丸見えになっているわけで、それでいて小畑はなぜかその下に付けているはずのものを身につけていないわけで……
こ……これは……
女王ナイトフィーバー来たぜこれえええええ!!!! ふぉおおおおおおおおおおおおおう!!!!!!!
オレが両目を最大限に開かせて目に焼き付けていると、その様子に違和感を覚えたのか小畑が「ん?」と声を出す。
あ、やべ。 さりげなく……とかそういうの忘れてた。
「どうしたの福田」
「え、あ、いや。 なんというかその……」
「その……なに?」
「えーと……、乙女の花園……いや、最果ての楽園……いや、純潔の領地……いや、あ、禁断の聖域がその……開放されておりまして」
オレは顔を赤らめ、どことは言わないが禁断の聖域に視線を向けたままその場所を指差す。
そして小畑も「禁断の聖域?」と首を傾げながらオレの指差した先へと視線を向けていき……
「あ……ああああああああああああ!!!!! 福田ああああああああああ!!!!」
「すみませええええええええん!!!!!!!!」
その後オレは小畑の真正面キックをお腹で受けて転ばされ、「私と同じ気持ちを味わえ!」とズボンに手をかけられ……最近入場者が0に等しかった動物園の門を開いたのだった。
同じ気持ちを味わえと言われてもね。
オレの今の気持ちを言葉で表すと……まぁ、こんな感じだろうか。
『元気が出るぜ!!! グングングーーーン!!!!! それではパフォーマンスを開始しまぁああああす!!!』
それから小畑は久々に開園した動物園を1人で見学。
「なんか……教科書とか漫画で見たのと違うんだけど」
ーー……!!! でしょでしょーーー!?!?
百聞は一見にしかずってこのことでしょーー!?!?
あああ、マジマジとオレの飼っている動物に視線を向けられているこの感覚……久々なんじゃあああああああああ!!!!
オレが心を震わせながら小畑を見上げると、小畑もオレに言いたいことがあったのかオレに視線を向けてくる。
「ふ、福田。 聞きたいことあるんだけどいい?」
「はい!! なんでしょう!!!!」
「なんかさ、ここって中身?みたいなのが出てるもんじゃないの? なんで全部被ってんの? これが普通で……教科書とか漫画が間違ってるってこと?」
「ーー……」
「えっ……うわ! ヘナヘナってなった!」
1匹しかいない動物のやる気がなくなったことにより動物園はすぐに閉園。
この日の夜、オレは涙で枕を濡らしたことは言うまでもない。
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