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392 特別編・ライバル!?


 三百九十二話  特別編・ライバル!?



 ある日のお昼時。

 三好佳奈は軽やかなステップを踏みながら近くのデパートにあるドラッグストアへと向かっていた。



「ふふふーん♪ とうとう私もオ・ト・ナ♪ だってなっちゃったもーん♪」



 そう、最近佳奈は念願であった初めての女の子の日を迎え、ずっと持ち歩きたかったそれに関しての必要な物……生理用品を買いにきていたのだ。


 佳奈のお財布の中には、これはめでたいということで『ついでに好きなポーチとか買っておいで』と母親から渡された一万円。

 揃えるべきものは母親からはもちろん、親友である多田麻由香や小畑美波からも聞いているし抜かりない。

 ドラッグストアに到着した佳奈は、スマートフォンにメモした買うものリストをニヤニヤと眺めながら目的のものを買い物カゴへと次々と入れていったのだった。



 ◆◇◆◇



 生理用品をあらかた買い終えた佳奈は続けてずっと欲しかったポーチを買うことに。

 ドラッグストアを出た佳奈が雑貨屋へと向かっていると、その途中にある本屋の前で一瞬見たことのある人物とすれ違うのを視界の端に捉える。


 ーー……気のせいかな。


 気になってしまったものは仕方ない。

 佳奈はそのままスルー出来るほど我慢強くはないので振り返って確認することに。

 するとどうやら向こうもこちらに気づいたみたいで、佳奈とすれ違ったと同時に立ち止まり……これまた同じタイミングで振り返った。

 


「あ! 西園寺さん!」

「え、三好さん?」



 そう、すれ違った相手は4組の西園寺希。

 少し前までは全女子のドンとして名をはせていたのだが、ある日を境に大人しくなり今では学年マドンナ候補とまで謳われているほどのかなりの美少女だ。

 

 やはりさすがは学年マドンナ候補。 私服も清楚で可愛いなぁ……。


 佳奈が希の私服姿に見惚れていると、希が「あれ、今日は1人なの?」と尋ねてくる。



「え、そうだけど……なんで?」


「いや、いつも三好さんって小畑さんや多田さんと一緒にいるイメージがあったから」


「あーね。 まぁ今日の買い物は完全な私用っていうか」


「私用? 何を買いに来てたの?」



 ピクン。



 この希の言葉に佳奈の耳は鋭く反応。

 待ってましたと言わんばかりのテンションで片手に下げていた買い物袋を前に突き出すと、「ふっふっふー! 中を見てみてよ!」と嬉しそうに希に中を覗かせた。



「え、三好さんこれ……生理用品?」


「せいかーい!!! 私も最近なっちゃってさー!! とうとう大人の仲間入りなんだよねー!!」



 佳奈が誇らしげに鼻を高くしながらエヘンと答える。



「えー凄いなぁ。 私まだなんだよね」


「そうなの!?」


「うん。 やっぱり痛かった?」


「うーーん、美波とかはめっちゃ痛かったって言ってたけど私はそんなだったかな。 お腹押さえてたら耐えれるくらいだったし」


「そうなんだー……でも羨ましいな。 私もそういうの早く買いに行きたいかも」


「でしょ!? それで私、今からこれら入れるポーチ買いに行くところだったんだ!」



 佳奈が嬉しそうに雑貨屋の方を指差す。

 そして希も「いいなぁー」と口にしながら佳奈の差した方に視線を向けていったのだが……



「ーー……え」



 突然希の表情が真顔になる。



「ん? どうしたの西園寺さん」


「三好さん……あれみて」


「あれ?」



 一体どうしたというのだろう。

 佳奈は頭上にはてなマークを浮かばせながらも今度は希の指差した先に視線を向けてみることに。



「ーー……ええ?」



 佳奈は思いもしなかった光景に一旦目を瞑り、数回擦った後に再び目を開け確認。



 ーー……間違いない。



 佳奈と希にとってかなり馴染みの深い人物がそこに。

 距離こそ結構離れていたのだが、そこにいたのは最近佳奈がかなり気になっている男子・福田ダイキと、その相手は……誰だろう、髪の両サイドを上の方で結んだ明るそうな女の子の姿があったのだった。



「あれ……福田くんだよね?」



 希が福田を指差しながら静かに尋ねてくる。



「うん、そうだと思うけど……」


「じゃあさ、あの一緒にいる女の子誰? 三好さんのクラスにいた?」


「ううん!! いないいない!! ていうか見たことないよあんな子!!」


「だよね!!!」


「うん!!」



 2人がお互いに情報共有していると、だんだんと福田と謎の女の子がこちらに近づいてくる。

 なので佳奈と希は福田たちにバレないよう、背を向けるなどしてその場をやり過ごそうとしたのだが……




「ねーねーダイきち!! 次はあっち!!! あっち行こ!!!」


「お前ちょっとは落ち着けよ。 変に心配するだろーが」




「「ーー……」」」



 福田たちがすれ違い過ぎていった後に佳奈と希は無言でお互いの顔を見つめ合い、そして……


 


「「だ、ダイきちぃーー!?!?!!??」」




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― 新着の感想 ―
[良い点] 三好ちゃんルンルンですなw 西園寺ちゃんもまだでしたか! と、そこにダイキが……。 なんというタイミングw
[一言] ダイキをあだ名で、読んでるのって陽菜だけだったな… こりゃあ、好きな子達にしたら焦るわな。
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