378 オレ、復活!!
三百七十八話 オレ、復活!!
あぁ……この状況も久しぶりだぜ。
初めてこのダイキの身体に転生してきたときは身体が重くて目も開けづらかったんだよなぁ。
だけど今はーー……
「痛ってええええええええええええ!!!!!」
階段の上部から大ジャンプからの落下したんだ仕方ない。
全身を襲う痛みに耐えきれずオレは大声を出しながら飛び起きた。
「「「「ーー……あ」」」」
飛び起きたと同時に隣から声が漏れる。
オレは痛みに襲われながらも声のした方へと視線を向けた。
「「ダイキー!!」」
「福田ぁー!!」
そこには意識の戻った優香と優香に肩を貸しているギャルJK星、それに三好とドSの女王・小畑。
皆目を大きく見開いてこちらを見つめている。
「あ、お姉ちゃ……」
「ダイキーー!!!」
優香が大粒の涙を流しながら勢いよくオレに抱きつき力強く抱きしめてくる。
これもなんかデジャブだな……。
オレは優香に柔らかさを感じながらここは『まだ天界なのかな?』と約1年前と同じ感想を心の中で呟いた。
優香の後ろからはギャルJK星がオレに「大丈夫かダイキ……どこもおかしくないか!?」と心配しながらも興奮気味に話しかけ、ドSの女王・小畑は「本当心配させんなって!」と微笑みながらオレの足を軽く小突いてくる。
そしてそんな中、三好は……
ーー……ん、どうしたんだ?
皆が喜びの声を上げながら近寄ってくれている中で三好だけが一歩下がり静かにオレを見据えている。
どこか不安げな表情……一体どうしたのだろう。
気になったオレは直接三好に尋ねてみることにした。
「えっと、三好……」
「ーー……どっち?」
三好が小さく口を開く。
「え?」
「どっちの……福田?」
その声は僅かに震えており、胸のあたりで組まれている手も強く握りしめられているのか声同様に小刻みに震えている。
小畑が「どうしたの佳奈、喜ばないの?」と不思議そうに尋ねるも、三好は声を出さずに……小さく首を横に振った。
ーー……三好?
ずっと三好がオレを見続けてきていたのでオレも意味がわからず三好を見つめ返していたのだが、次に三好が放った一言でオレは全てを思い出したのだった。
「福田、私の髪型……どう?」
三好が自身のポニーテールを揺らしながらオレに尋ねてくる。
「え? それはもちろん前にも言ったと思うけど、オレは三好のポニーがかなり好……」
ーー……!!!!!!!
ああ、ああああああああああああ!!!!! そういうことか!!!!
なるほどな、三好が言ってる意味がわかったぜ!!
オレが前の……入院前のダイキなのか最近までのダイキなのかを尋ねてたってことだったのか!
そうと決まれば話は早い。
オレは少しでも早く三好を安心させるように親指を立てた手を三好へと向け……口角を上げながらこう返した。
「残念だったな三好……オレだ!!!!」
「!!!!」
このオレの言葉を聞いた三好の顔が一気に明るくなる。
「ほ、本当に……?」
「あぁ」
「本当の本当に福田!?」
「うるせーなだからそう言ってんだろ」
「本当の本当の本当に……今までの……福……田……。 福田ああああああああ!!!!!」
友情とは美しいな。
さっきまで不安そうだった元いじめっ子は何処へやら。 三好の瞳には光が戻り涙が溢れ……オレは優香に抱きつかれていたのにも関わらず、反対側からオレに抱きついてきたのであった。
ーー……のだが。
「あ、ちょっと待って佳奈ちゃん!」
「え?」
三好がオレを強く抱きしめにきたところで優香が焦った顔でストップをかける。
そんな優香の声に反応した三好がキョトンとした表情で優香に視線を向けた。
「どうしたの? 優香さん」
「佳奈ちゃんが触れてるところ……ダイキが出血してたところなんだけど……」
「え……エエ!?」
三好が顔を凍りつかせながらゆっくりと視線を移動……オレを見上げる。
「ふ、福田……?」
「なんだ」
「えっとゴメ……痛く……なかった?」
うん、普通こういう状況なら再会の嬉しさから大目に見るのが常識……当たり前なのだろう。
しかし……しかしだな。
「三好……」
オレは小さく三好に囁きかける。
「な、なに?」
「分かったら早くそこ触れるのやめろおおおおお!!! クソ痛いんじゃああああああああ!!!!!」
包帯で巻かれてるとはいえ傷口のちょうど真上に三好の指。
それも強く握られていたことでそれがグイグイと食い込んでもう……痛いどころの騒ぎじゃねぇ!!!!
「うわああああああ!! ごめ……ごめん福田ああああああああ!!!!」
「先生を……先生を呼んでくれえええええええ!!!!!」
こうしてオレは駆けつけてくれた医師により再び止血をしてもらいなんとか復活。
様子見のためにその日1日だけは入院することが決まり、やることのないオレはよりダメージの増した傷口の痛みに耐えながらただベッドの上でボーッと過ごしていたのであった。
その日の夜。
オレは頭を抱えながら夜空を見上げ小さく呟いた。
「くそ……天界に行ったことは覚えてるんだけどそれ以外の記憶が全く思い出せねぇ……! 神様のやつ……何か記憶を消しやがったなぁ……!!!」
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