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361 復活の元気娘!【挿絵有】


 三百六十一話  復活の元気娘!



 目的地である不動明王の身代わりお守りのある神社。 そこは駅からバスに乗り換え、少し行った先で更に結構歩いたところにあった。


 美香がくれた同じお守りを3つほど購入したオレがそれらをリュックの中に入れていると、結城が不思議そうにオレを見ていることに気づく。



「どうしたの結城さん」


「あ、うん。 なんで3つも買うのかなって」


「あー、それはなんとなくだよ」


「そうなの?」


「うん。 まぁあんま深い意味はないから気にしないで」



 オレはアハハハと笑いながら「とりあえず疲れたね」と話しながらその場を後に。

 この足でそのまま駅へ向かって帰ることも当初は考えてはいたのだが、流石に体力的にも結構限界が近づいていたためオレたちは一泊させてもらうのに最適な場所……そう、福田祖父母の家へと向かったのだった。


 

 ◆◇◆◇



 福田祖父母の家の最寄りのバス停。

 バスから降りたオレは結城に今一度念を入れる。



「あのさ結城さん、電車の中でも言ったけど、おじいちゃんとおばあちゃんには……」


「うん、大丈夫だよ。 お姉ちゃんのことは絶対に言わないように……だよね」



 結城が「ちゃんと覚えてるよ」と柔らかく微笑みながら小さく頷く。

 最近まで福田祖母の件でバタバタだったんだ……これで更に優香の心配をさせるわけにはいかないだろ? もし「お見舞いに行く」とでも言われてみろ、オレたちでも移動するだけで結構な体力使うのにご老体に無茶はさせられない。


 

「おーけ。 じゃあ行こっか。 オレたちは友達が入院したから良くなるためのお守りを買いに来た」


「うん」



 オレたちはここへ来た理由を再確認した後に福田祖父母の家のある方向へと体を向けた……その時だった。




「ええええーーーー!!! ダーイきちーーーーー!?!?!?」



 ーー……おお!?



 とてつもなく馴染みのある……そして耳がキーンとなるほどのうるさい声が後ろから聞こえてくる。

 振り向かずとも分かるんだけど、振り向いちゃうよなぁ……。

 オレは口元が緩みそうになるのを我慢しながら後ろを振り返った。



「うわあーーーやっぱりダイきちだああああ!! それに今度は桜子もいるーー!! なんでーー!?!?」



 今は夏場ではないため褐色という個性を失った……しかし元気はピカイチの陽奈が少し離れたところから元気よくこちらに手を振っている。



挿絵(By みてみん)



 てかよく気づいたな。

 

 オレが陽奈の視力に感心していると陽奈はその間にオレたちのもとへと全力ダッシュ。

「え!? なんでおるん!?」とかなりの興奮状態でオレたちに尋ねて来た。



「ん、まぁ色々あってな。 それよりも陽奈、退院したんだな」


「うん! つい2・3日前やけどねー!! 傷が塞がってからもリハビリとか色々大変やったんやけんー」



 あの陽奈がそこまで言うってことは、なかなかハードなものだったのだろう。

 それを思い出していたのか陽奈は「もうあれ、陽奈やりたくないもんー」とガクリと肩を落とす。



「うん、その割には元気そうだな」


「そうやよー! やっぱ元気が陽奈の個性やけんね!」



 陽奈は眩しい笑顔でオレにピースサインを決めると、そのまま視線を結城へと向ける。



「桜子もひさしぶり!!!」


「う、うん! 久しぶり陽奈ちゃん」


「桜子はなんでここに来てるんー!?」


「あ、それはね……」



 ここからは女子小学生2人によるガールズトークの開始。

 お互いに話したいことが山ほどあるのだろう、2人はいろんな話題について代わる代わる話をしていたのだが……



 ーー……うん、このままだとオレの予定が崩れるな。



 この後オレには外せない用事があるためオレは仕方なく2人の間に割って入る。



「と、とりあえず陽奈、お前も一回ウチに来い。 そこでゆっくり結城さんと話すといい」


「え、いいの!?」



 陽奈が嬉しそうに目をキラキラと光らせながらオレに尋ねてくる。



「まぁそこはおじいちゃん達にオレが上手く言うからさ。 結城さんも立ち話が続いたら疲れるでしょ。 長時間の移動で疲れてるだろうし」


「う、うん。 ありがとう福田……くん」



 こうしてオレは結城と陽奈を引き連れて福田祖父母の家へ。

 家に着くと福田祖父母に訳を話し、オレの寝室予定の部屋に結城と陽奈を通してガールズトークの続きをさせたのであった。



「じゃあオレはちょっと出てくるから」



 結城に声をかけると結城が「え?」と言いながらオレを見上げてくる。



「福田……くん、どこ行くの? まだ予定あるなら私も行くよ?」


「あーいいのいいの。 大したことじゃないから」


「そうなの?」


「うん。 だから結城さんは陽奈と楽しんでなよ」


「じゃあ……うん、ありがとう」



 その後オレは福田祖父母にも少し出てくることを伝えて家の外へ。

 少し歩いたところでスマートフォンを取り出すと、とある人物に電話をかけたのだった。




「あ、ダイキですお久しぶりです。 あ、はい。 大丈夫です。 じゃあバス停付近で待ってますね」




お読みいただきましてありがとうございます!

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感想やブクマ・レビュー等、お待ちしてます!!!!


今回も作者の意地で挿絵なんとか完成!!!笑

元気さが伝わると嬉しいです!!


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― 新着の感想 ―
[良い点] いざ祖父母宅へ! と思っていたら……あらーー! 満開のひまわりのような明るさの陽菜ちゃんじゃありませんか!! いいですねぇ、いいですよぉ(自己完結) 祖父母さんへの配慮も抜かりなし! …
[一言] 現地妻の娘に会いにいったな
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