321 プレゼント!!
三百二十一話 プレゼント!!
ギャルJK星お手製の愛情たっぷりお粥……これがなんともまぁ絶品で、西園寺が予め買ってきてくれていたお弁当も美味しかったのだが、それを超える美味しさがオレの口全体に広がっていく。
「ちょっとダイキ、流石にお粥だからお米が柔らかくなってるって言っても、ちゃんと噛んで食べないとお腹に悪いぞー」
あまりの美味さに夢中になって口へと運んでいるオレを対面に座ってこちらを見ていたギャルJK星が笑いながらツッコミを入れた。
「いやだってこれ……美味しすぎるから!」
「そっかー、それは作った甲斐があったってもんだ」
「星さんは食べないの!?」
「んー。 私は希ちゃんが買ってきてくれたお弁当で満足かなー。 それに夜たくさん食べたら太っちゃうし」
「えー。こんなに美味しいのに勿体ない」
「ありがとな。 まぁでも久々に作ったけど上手くいってよかったよ。 ゆーちゃんもペロリと食べてくれたしね」
そう……ギャルJK星の言った通り先に優香のもとに運んで食べさせたのだが、優香は身体こそ重たそうなのだけど「美味しい……」と口にしながら完食していたのだ。
ーー……それにしてもギャルJK星が優香の口にスプーンでお粥を運んでいるシーン……なかなかに良かったな。
オレがそんな超尊い場面を思い出していると、ギャルJK星が「あ、そうだダイキ」と何かを思い出したのかオレの視界に入るように手をヒラヒラと振る。
「なに?」
「ゆーちゃんのご飯が終わった時に貰ったんだけどさ、これ!」
そう口にしたギャルJK星の手には淡い色の包装用紙に包まれた長細い箱。
「あー! お姉ちゃんからもらったんだ」
「そうそう!」
あれだ。 皆が覚えてくれてるかはわからないが、早めにホワイトデーのお返しの際に優香とのお揃いで買っておいたやつだ。
あの時はギャルJK星とは予定が合わなかったので直接渡すことが出来なかったんだよな。 だから学校で優香に渡してもらおうと預けておいたのだ。
ギャルJK星はオレに「開けていい?」と尋ねながらプレゼントに視線を向ける。
「もちろんだよ。 でもそんな高価なものじゃないよ?」
「そんなの気にしてないって。 大事なのは値段よりも気持ち! これテストに出るべ」
そうしてオレが絶品お粥を味わってる前でギャルJK星はラッピングされていたリボンを解き、包装用紙を丁寧に剥がして箱を取り出し、その上蓋を開けた。
「何かな何かな……って、おおおおーーー!!」
中身を見たギャルJK星の目が大きく開かれる。
「ダイキ、これ腕時計じゃん!」
「そうだよ」
「これってあれかな、ゆーちゃんがしてた青色のやつと色違い?」
「え、よく気づいたね」
「そりゃそうだよー。 ゆーちゃん、ベッドで寝てる時も大事そうに腕につけてたんだもん」
ギャルJK星は「ゆーちゃんとお揃いかー」と微笑みながら、優香のとは色違い……赤色の小さな腕時計を嬉しそうに眺める。
「星さんって腕時計する人?」
「んーにゃ、しなかったから持ってないよ。 スマホがあればいらないって思ってたからね」
ガーーーーン!!!!
オレはギャルJK星の言葉に即座に反応。
口の中に残っていたお粥を一気に飲み込みギャルJK星を見上げる。
「えええええ!?!? そうなの!?!?」
「ん、どしたダイキ。 そんなに焦って」
「だってさ……てことは星さんには腕時計必要ないってことじゃん!! オレ、星さんに要らないものプレゼントしちゃったあああああああ!!!!」
なんだかんだで西園寺も三好も学園のマドンナ・水島も、エマも結城も優香も……みんな喜んでくれていたから結構自信があったんだけど、やっぱりこういうのって事前に情報収集とか必要なんだな。
まさか最後の最後でミスってしまうなんて。
オレは自分のダサさからガクリと肩を落とす。
そんなオレに向かってギャルJK星が「いやいや要らないとか、そんなことないべ?」とフォローしてくれてはいるが、それが更に気を遣わせてしまっているようで「はぁ……」と深いため息をついた。
「ちょ、ちょっとダイキ、アタシの声ちゃんと聞いてる!?」
「え……?」
「アタシ、ちゃんと嬉しいべ!? そこんところ勘違いされたら困るんだけど!」
そう言うとギャルJK星がニカッと笑いながらオレの頭をワシャワシャと撫でる。
「ーー……勘違い?」
「そう勘違い! アタシ、さっき確かにスマホがあれば要らないと思ってたから持ってないって言ったけど、それはもともと興味がなかったからなの! プレゼントしてくれたらそれは話が別じゃん!」
「そうなの?」
「そりゃそうだよ! だってダイキ、アタシのこと考えて選んでくれたんでしょ?」
「それはまぁ……そうだけど」
「これ付けてたらさ、時間を見るたびに『あー、これダイキがアタシのこと考えて買ってくれたんだよね』とか思えるわけじゃん? 何それめっちゃエモくね?」
「ーー……エモ?」
オレは頭上に『エモ?』と浮かび上がらせながら首を傾げる。
「簡単に言うとグッとくる……感動するってこと!」
「そ……そうなんだ」
ーー……また新しいの出てきたぜ若者言葉。
「そうなの! だからそんなエモを提供してくれてありがとなダイキ」
ギャルJK星は眩しい笑顔をオレに向けるとその腕時計を右腕にはめてオレに見せつける。
「どう? 似合うべ?」
「うん。 オレは似合うと思う」
「そっか。 アタシもそう思う! ダイキ、アタシに似合うものをちゃんと選べるなんて大したもんだねぇー」
ジワ……ジワジワジワジワ……!!!
これがさっきギャルJK星の言ってた感情……エモいってやつなのだろうか!
今オレは猛烈にグッときている!!!!
だから……
「星さあああああああん!!!!!」
オレは一時的にやらしい感情を忘れてギャルJK星にダイブ。
ギャルJK星も「あーあー、流石に涙で濡らすなよー。 ブラ透けるからー」と笑いながらオレの頭を撫でてくれていたのだった。
それからしばらく。
「あ、そうだ星さん」
オレはギャルJK星に撫でられていると、とあることを思い出す。
「なにー?」
「言うの忘れてたんだけど、お風呂沸いてるよ。 食器はオレが洗っておくから先にゆっくりしててよ」
「え、いつの間にお風呂入れたん!?」
「星さんがコンビニに行った時に。 少しでもくつろいで欲しくて」
「あーー! もうダイキ、いい子だねぇ!! よし、じゃあまたアタシと入るべ!!」
「え!?」
改めて言うが、オレはやらしい感情を忘れて接していたので今の言葉がオレの変態脳を刺激……少しずつ活動を再開させていく。
「ん? ダイキ?」
「星さん……それはガチですか?」
「ガチだよー。 あ、でもダイキがイヤなんだったら強制はしないけど」
オレの目線に高さを合わせたギャルJK星がニヤリと笑う。
そんなの……決まってるじゃないか!!!
「是非に!」
「流石エロガキだねぇ。 あとそうだ、ゆーちゃんからダイキが田舎で結構頑張ってたって言ってたから、ついでにパンツいるべ?」
「ナッ!?!?!?」
まさかのご褒美発言2連発!!
オレはギャルJK星の顔に向けていた視線をゆっくりと下に降ろしていく。
「い、いま……履いてるやつですか?」
「もちろん。 まぁでも一回洗わせてもらうけどね」
「いやそこはまず洗わないままで楽しませてください!!!!!」
こうしてオレはギャルJK星と2人で浴室へ。
そこでオレはギャルJK星のパンツをまず新鮮な状態で堪能……その後パラダイスなお風呂タイムを満喫したのだった。
まぁ案の定何回かそこでクシャミしてしまったので、翌朝起きるのが苦痛だったことは言うまでもない。
お読みいただきましてありがとうございます!!
下の方に星マークがありますので、評価していってもらえると嬉しいです!!
感想やブクマ・レビュー等お待ちしております!!




