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28 まさかの遭遇!


 二十八話  まさかの遭遇!



 今晩も結城はうちに泊まることだし、どうせならパジャマや下着も買っちゃおう……ということとなり優香と結城はスーパー内に併設されている衣料品コーナーへ。

 オレはいても仕方ないので近くにある本屋前のベンチに腰掛けていたのだが。



「ーー……ん?」



 どこか見慣れた風貌の男性がオレの前を通り過ぎる。

 大柄でいわゆるポッチャリ系。 それでいて黒縁メガネをしたその男性……もしかして。



「工藤?」


「え?」



 大柄の男性がオレの方を振り向く。



「えーと……君、誰かな」



 やっぱりだ!!!

 この野太い声に滝のような汗のかき具合……こいつは……!!



「工藤! オレだよオレ!! 友達の森本だよ!!!」



 オレはこのダイキの体に入る前の自分の苗字……森本を名乗る。

 そしてこいつはオレの大学からのオタク友達・工藤裕太。 よく休みの日にはエロゲーやエロ漫画を漁りに出かけたものだ。

 そういや少し前に転勤が決まったって言っててそれきりだったけど、まさかそれがこの周辺だったとは。



「森本……? ごめんだけど僕には君みたいなショタな友達はいないよ?」


「ちげーよ!! 森本信也だよ!! まぁ今の名前は福田ダイキだけど……ほら、一緒にエロゲーとか買いに行ったじゃんか!!」



 そう口にしてみるとどうだろう。 工藤の表情が一気に固まる。



「え、いや、そんなはずは。 だって森本は……」


「死んだんだよな?」


「え!?」



 工藤が驚いた表情でオレをみる。



「工藤、転勤するって言ってたけどこの辺だったんだな」


「ちょっ……え!? ま、待って!? 本当に森本なの!?」


「じゃあこれで信じてくれると思うんだが……オレのフェチはアンダー20の太もも。 そして工藤、お前のフェチは上限がJKで好きな部位は二の腕、そして脇だ」


「ほ……本当に森本じゃないか!! どうしてそんな姿になってんだ!?」


 

 工藤が目を大きく見開きながらオレの肩を掴み強く揺すってくる。

「まさかこんな漫画な展開ってあるんだな!」などと興奮気味に尋ねてくるのでオレは簡潔に教えることにした。



「なんか死んで、魂を移してもらった先がこのダイキって子の体だったんだ」


「ウワァ、マジであるとか胸熱じゃないか!! ……てことは今は!?」


「あぁ。 合法でJS見放題だぜ」


「ウーワアアアア、マジかよーー!! 今の時期だったら二の腕とか脇見放題じゃないか!!」


「そうなんだよ! ちなみにパンツも見放題だぜ」


「うらやますぐるーーー!!!」



 なんだろう、懐かしいなこの感じ。

 この魂の底から語り合えるこの喜び……!



 オレがかつての親友との再会に喜びと懐かしさを感じていると工藤が「あ、そうだ森本!」と何かを思い出したかのようにオレの肩を叩いてくる。



「どうした?」


「そういや最近『絆アソ』最新刊でたの知ってる?」


「え、マジ?」


「マジマジ!!! やっぱ知らなかったかー!!」



 そう言うと工藤はオレの隣に座りスマートフォンをいじりながらオレにその詳細ページを見せてきた。


 ちなみに『絆アソ』とはオレたちの間で流行していた小説、『絆創膏をアソコに貼った私が無双して世界を救う!?』のことで、魔王討伐に向かう主人公・ナタリーが旅に出る際、王国から餞別として絆創膏を渡されるところから始まるちょっぴりエッチなゆるふわ冒険ファンタジーだ。



「森本さ、どの辺まで読んでたっけ?」


「あー、確かイルーナ式機械人形のイルレシオン?が起動したあたりだったかな」


「まじー!? そこからが熱い展開なんだよ! まさかのウルゼッタちゃんと……!」


「ちょちょちょ!! ネタバレかよ工藤! ーー……いや、どの道オレには読める手段がない。 教えてくれ」


「おうさ! あのイルレシオンな、実はーー……」



 工藤が目をキラキラさせながら『絆アソ』の続きを語り出した……その時だった。



「お待たせダイキー」



 ーー……あ。



 ちょうどいいところで買い物を済ませた優香と結城がオレのところへ。

 オレと仲良く話をしていた工藤に「こんにちはー」と頭を下げた。



「なぁ森本、目の前の2人は?」



 工藤がオレの耳元で小さく囁く。

 


「JKがオレの姉・優香で、ちっちゃいのが同じ学年の結城って子だ」


「ウフォオオオオオ!!! 2人揃って美人じゃないかーー!!! お前人生勝ちすぎだろーー!!!」


「そうなんだよ! お前もわかってくれるか!!」



「えーと、ダイキ、この方は?」


「あー、なんと言ったらいいか」



 オレが視線を優香から工藤に移すと、工藤は突然つま先を揃えてピシッと立ち上がり、優香に向けて紳士的に頭を下げる。



「こんにちはお姉さん。 僕は工藤裕太。 森本……いや、ダイキくんとはさっき知り合いました!」


「え、あ、こんにちは。 ダイキの姉の優香です」


 

 もしかして工藤のやつ、自分のことを印象良く見せたいんだろうな。

 優香は戸惑いながらも工藤に挨拶。 再びぺこりと頭を下げた。


 そりゃ戸惑うよな。 小五の弟が大の男とテンション高く喋ってたら。



「えっと……じゃあ行くよ、ダイキ」


「あ、うん。 すぐに追いかけるから先に行ってて」



 オレは優香と結城が小さくなるのを確認して工藤に電話番号を教える。



「ちょっとまだ話したいことめっちゃあるから、また連絡するわ!」


「うん! 森本、待ってるぞ!」


「森本じゃなくて、今はダイキな」


「そ、そうだったな。 うんダイキ! 連絡待ってるぞ!」


 

 こうしてオレは工藤とまた近いうちに会うことを約束をした後、先を行く優香たちを追った。

 



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― 新着の感想 ―
[良い点] すごい……! 変態過ぎるwwwwww(褒め言葉) ダイキの変態脳が高性能過ぎてニヤニヤが止まりませんwwwwww 面白い!www あといちいちJCたちがカワユ過ぎて辛いです。 なんと…
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