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27 Tシャツの向こう側


 二十七話  Tシャツの向こう側



 ーー……本当だ。



【もう疲れた。死にたい】 



 オレは結城の見つけたダイキのメッセージを指でなぞる。


 

「これ、福田くんが……書いたんだよね?」


「えっ……あぁ、そうだよ。 そうなんだけどその辺の記憶がちょっと飛んでてさ。 実は少し前のことあまり覚えてないんだよね」


「そうだったんだ……」



 結城が自らの腕で涙を拭う。


 自分のことでもないのにここまで悲しんでくれて、なんて優しい子なんだ結城。

 オレは元祖ダイキの書いたメッセージの内容に驚きつつもそんな結城の優しい心に感動。 とりあえず「今はもう大丈夫だよありがとう」とその話を締めて暗い話題を終わらせようとしたのだが……

 


「それでも福田……くん、これからでも辛いことあったら私に力にならせて。 私は家と学校、両方辛かったけど福田くんのおかげで学校の方は楽しく行けるようになったから」



 結城が再び目に涙をためながらオレに優しく微笑みかける。



 ーー……え、なんだこれ。 めっちゃキュンときたんだけど。

 しかしそうか、西園寺と仲良くなったことで他の奴らからもイジメられなくなったのか。 よかったよかった。



 オレがそんな結城の近況に安堵していると突然結城が「あっ」と声を漏らして自身の足をキュッと閉じる。

 視線を下に移すと優香と同様、大きめのTシャツから細い結城の足が出ているではないか。

 


「ん、どうした? トイレ?」


「ううん」



 オレの問いに結城は首を左右に振る。



「だったらどうしたの?」


「その……実は」



 トイレじゃなかったら一体何だって言うんだ。

 オレは頭上にはてなマークを浮かばせながらも結城が足を閉じ声を漏らした理由を考えることに。


 ーー……もしかして可愛いパンツがオレに見えると思っての行動だったのか?


 そんな可愛い理由だったら最高だよなとニヤついていると、結城は下半身をモジモジさせ少し顔を赤らめながら小さく口を開いた。



「その……あんまり見ないで。 私、パンツ一緒に洗濯機いれちゃって……今履いてない」



「!!!!!!!」



 なん……だと。

 てことはそのTシャツの向こうは……



 オオオウ!! イェス!!! イェエエエス!!!



 ◆◇◆◇



「あぁ……眠たい」



 結局オレはあれから寝れず気づけば朝。 しかしここで寝るのももったいないのでリビングのソファーでボーッと過ごしていたわけだが……



「ダイキ、せっかくの土曜が台無しだよー」



 後ろから優香がオレの頭をわしゃわしゃと撫できて、結城がオレの顔を覗き込みながら「福田……くん、大丈夫?」と声をかけてくる。


 誰のせいだよ!!!


 いざ寝ようと思っても優香の甘い香り、柔らかな太もも、魅惑のパンツ。 そして結城のTシャツの向こう側を想像してたら寝ようにも心と脳が覚醒してしまって寝られなかったんだよ!!!


 オレは心の中でそう2人にツッコミを入れるももちろん実際に口に出しては言うことができず。

「あー、まぁまだ小学生だしこういうのもいいかなって」などと誤魔化し笑っていると、優香が「あ、そうそう」と思い出したかのように両手を合わせながら話を振ってきた。



「これからお姉ちゃん、お昼の買い物行ってくるけど……ダイキと桜子ちゃんどうする? 一緒に行く?」



 あー、買い物か。

 ぶっちゃけ外は暑いから家から出たくないってのもあるんだけど、そうだな……眠気を飛ばすには案外いいかもしれない。

 それに買い物といえど今はオレや優香の他に結城もいる。 流石に3人分の買い物となると荷物量も多くなるだろうし男手もあったほうがいいか。



 ということでオレは「ーー……行こっかな」と優香との買い物の同行を立候補。

 すると結城も「わ、私も!!」と慌てて手を挙げ3人でスーパーへと出かけることになったのだった。



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