202 ギャルJK星からのプレゼント!【挿絵有】
二百二話 ギャルJK星からのプレゼント!
誕生会も終盤に差し迫った頃、それは突然起こった。
「ねぇ、やっぱりこれ開けていいかな」
優香がギャルJK星から貰ったプレゼントに視線を向けながらギャルJK星に尋ねる。
「突然だねぇゆーちゃん」
「だってせっかく貰ったんだもん。 だったらこの誕生日パーティの盛り上がってるうちに見てみたいんだけど……ダイキと桜子もこの中身気になるよね」
優香がオレたちに尋ねながら再び紙袋の中から包装用紙に包まれた箱を取り出す。
「あー……まぁ、うん」
「私も……気になる」
しかしなんだろうな……ギャルJK星の顔が複雑そうだ。
優香に聞こえないような小声で「今じゃないんだよなー」と小さく呟く。
「え、どうしたの美咲。 そんななんとも言えなさそうな顔をして」
「んーー。 まぁゆーちゃんが良いなら開けても良いと思うんだけど……」
「なんか変なものが入ってるとか?」
「いやいや、そういうわけじゃないよ? 至って健全なプレゼントさね!!」
ギャルJK星は「あははは」とわざとらしく笑いながら優香の手に持つ箱をチラ見する。
「なら開けていいよね。 親友からのプレゼントだもん、やっぱり気になるよ」
「ゆーちゃん……」
ーー……あ、今の尊い。
優香は優しい微笑みをギャルJK星へと向けると、綺麗に結ばれた赤いリボンをほどいて丁寧に包装用紙を剥がしだす。
こういう時に性格って出るよね。 オレだったら見たい欲が勝りすぎて包装用紙とか力任せに破ってるぞ。
「何かな何かなー♪」
優香が幸せそうな声色でリズムに乗りながら包装用紙を剥がし、箱をゆっくりと開けていく。
少しずつ中身が見えてくる……オレや結城の視線もその中身へと集中した。
◆◇◆◇
「……えーーと、美咲。 なにかなぁこれ」
箱の中身に入っていたものを取り出した優香がギャルJK星に尋ねる。
「な、何を言ってるんだいゆーちゃん!」
「美咲……これで私に、何をしろと?」
優香は視線を手に持っている、とある物へ。 目をパチクリさせながらそれを凝視する。
ーー……いや、これはさすがにまずいだろ。
それは20センチくらいなのかなぁ……少し丸みを帯びた太めの機械で中心くらいの位置にスイッチが。 そしてその先端には縦幅6センチ・横幅5センチほどの丸いゴム状の球体が取り付けられている。 そう、いわゆる電マ……電動マッサージ機と言われるやつだ。
後ろからは結城が珍しいものを見るような視線を送っている。
「これはさすがにマズいでしょ美咲ーー!!!」
少しずつこの状況を理解し始めたのか、顔が徐々に赤くなった優香がギャルJK星に詰め寄る。
「な、何を言っているんだいゆーちゃんアハハハーー!!!」
「何を言っているんだいじゃないよぉーー!! 私これでどうするのーー!?」
優香がマッサージ機をギャルJK星の目の前に差し出し、声を震わせながら尋ねる。
「いやいやそりゃあマッサージでしょうよ! 肩や首、腰、太ももとか……そういうところに当てて気持ちよくなるやつだベー?」
「そ、それはそうだけど……!!」
「およよ? 逆にゆーちゃんは何を考えてたのかな?」
「それは……えっと……」
優香がギャルJK星から視線を逸らしながら口籠る。
「お? なにー?」
「もう!! 言ってんじゃん美咲ーー!!」
「言ってないよー何を言ったのさー」
JK同士の下ネタにも聞こえかねないこの会話……最高だああああ!!!
そしてギャルJK星よ、素晴らしいものを優香にプレゼントしてくれたじゃないか!!
オレは優香の持つ電動マッサージ機に視線を向ける。
このマッサージ機……今後は優香の部屋の中のどこかに置かれることになるのは明白だが、その置かれている場所によって使用方法が分かるってもんだよな。
もし普通に置かれてたら健全なマッサージ。 逆にもし引き出しや他人の目のつかないところに隠されてたら……あれ? 何に使うんだろうなーボク分かんない!!! そこは変態脳を持つ皆さんの想像力に委ねるとしようかな!!
「あーーもうーー!! ダイキも桜子もいるんだよーー!! なんでこれチョイスしたのぉーー!?」
「だから最初に言ったじゃん、あとでこっそり見た方がいいかもよって」
「ほらーー! やっぱりそういう意味じゃんーー!!」
「んーー? 美咲ちゃん、ワカラナイナー」
未だオレの目の前では優香とギャルJK星のマッサージ機使い方についての論争が繰り広げられている。
おいおいまさかこれがきっかけで喧嘩になったりしないよなぁ……。
そんなことを心配したオレだったが、それは意外な終わり方を迎えることとなる。
「ね、ねぇ……お姉ちゃん」
結城がギャルJK星と優香の間に入って2人の手を握る。
「ん? どうしたの桜子」
「桜子ちゃん?」
2人の視線が結城へと向けられる。
「あの……ね、結局それ、どうやって使うの?」
「「!!!!!」」
結城の言葉に2人は絶句。 互いに黙り込み顔を見合す。
「そ、そりゃあねぇ……美咲」
「だ、だべ。 さっきアタシが言ったとおりに、首とかにやるんだべ?」
「じゃあなんでそんなに2人とも顔が真っ赤なの?」
「「!!!!!」」
結城の純粋な疑問が2人の心に突き刺さる。
「え、あ、それは……き、気持ちいいからだべ!? ねぇゆーちゃん!」
「う、うんうん! それ使ったら気持ちよくなるって聞いたことあるから、ワクワクして顔が赤くなっちゃったのかなー!」
「じゃあ……私がそれ使って2人をマッサージしてあげよっか?」
「「ーー……え」」
◆◇◆◇
この状況を誰が予想しただろうか。
オレの目の前にはリビングの中心で仰向けに横たわっている優香とギャルJK星の姿。
「ちょ、ちょっと美咲。 これどうするの?」
「大丈夫だってゆーちゃん。 桜子ちゃんは純粋なんだから……足とかちょちょっとやってすぐに終わるはずだべ」
2人がコソコソと何かを話し合いながら足元に立つ結城を見上げる。
「じゃ、じゃあ……やるね」
結城がマッサージ機のスイッチを上にスライド。
それと同時に先端に取り付けられたゴム状の球体が細かく振動し、『ブーーーー』という低い音が部屋中に響き渡る。
「あ、すごい。 これ、体の中にも響く感じする」
球体に手を添えた結城が感想を口に出しながら優香たちに視線を向ける。
「まずは……どっちにしようかなぁ」
結城が小さく呟きながら、マッサージ機の球体を優香とギャルJKの交互に向ける。
なんだろう……ただマッサージの順番を考えているだけなのにエロいぞこの状況。
「じゃあ、最初は……」
「はいはいはーーい!! ゆーちゃんがいいと思いまーーす!!!」
結城が声を出すと同時にギャルJK星がピシッと手を上げる。
「ちょ……! え、美咲!?!?!?」
驚いた優香が目を大きく見開いてギャルJK星を見る。
「えっと……お姉ちゃんが先ってこと?」
「そうでーーす!! だってそのプレゼントはゆーちゃんに買ってきたんだから、先にゆーちゃんがした方がいいと思いまーーす!!!」
ギャルJK星が優香を指差しながら結城を見ると、結城も「確かに……」と小さく頷く。
「み、美咲ーーーーー!!!」
「ゆーちゃん、グッドラック」
こうして結城は最初の施術を優香に選択。
細かく震える球体が優香の太ももに触れる。
「んんっ!」
それと同時に優香の体がビクンと反応。 優香も緊張しているのか声が口から漏れる。
「えっと……これってどうやって使うの? ただこうやって押し付けるだけ?」
結城が首を傾げながら球体を見つめる。
「う、うん。 そうじゃないかな。 だから桜子、充分お姉ちゃんは気持ちいいことが分かったからもういいよ?」
「え、そうなの?」
結城がキョトンとした表情で優香を見ると、球体を優香の太ももから離す。
優香は少し安堵の表情を浮かべてはいるが……
ーー……いや、この状況をこれで終わらすのは実に勿体ない。
みんなもそう思うよなぁ?
「ねぇ結城さん」
「なに? 福田……くん」
「分からないんだけどさ、それ……足先から少しずつ首にかけて撫でるように這わせていったら全身気持ち良くなるんじゃないかな」
「「!?!?!?!?」」
優香とギャルJK星の視線がオレへと向けられる。
「ダ、ダイキ!? なに言ってんの!?」
「そ、そうだべ!! 流石にそれだと……!!」
「え、なにが?」
オレは口角が上がりそうになるのを必死に耐えながら純粋な表情で首をかしげる。
「だって気持ちいいんだったら、そうやった方が良さそうだなぁって思っただけなんだけど……オレ、何かまずいこと言ったカナァ」
「「……!!」」
オレの発言に2人は顔を合わせながら黙り込む。
「えっと……じゃあここから、かな」
オレの言葉を完全に信じた結城が優香の足裏に球体を当てる。
「ひぅ!!」
ニヤァ!!!!!
「こう……でいいのかな。 お、お姉ちゃん、気持ちいい?」
結城は優香の床に接地している箇所以外をまるで弧を描くようにゆっくりとマッサージ。
スネから太もも……そして股関節へかけて、たまに押し付けるようにしたりしながら優香を癒しの世界へと導いていく。
「ここも……当てていいのかな」
うーむ、結城はどの部分のことを言っているのだろうか。
ちょっと尊すぎて見えにくいのだが、優香はその部分を両手で押さえながら「ここは大丈夫……大丈夫だから」と細かく首を左右に振って拒否している。
足の……付け根カナ? うん、リンパが通ってるって言うもんね! そこはもちろんマッサージでほぐすべきだ!
「でも私……お姉ちゃんに気持ち良くなってもらいたいから……」
「!!!!!!!」
隣で寝そべっているギャルJK星を見てみると、顔を真っ赤にさせながらその後も悶絶している優香の姿をただただ見つめていたのだった。
「ふぅ……気持ちよかった? お、お姉ちゃん」
結城が満足そうな表情を浮かべながら優香に尋ねる。
「う、うん……ありがとう、桜子」
優香へと視線を向けると、結城のマッサージが上手だったのか……はたまたマッサージ機の性能が本物だったのか。
優香は気持ち良さそうな表情を浮かべ、息を乱しながらただただ天井を眺めている。
「じゃ、じゃあ次は星さんの番」
「ひぃっ!!」
結城の持つマッサージ機の先端がギャルJK星へと向けられる。
「み、美咲……」
「な、なにゆーちゃん!」
「その……すごいよ」
「!?!?!?!?」
その後ギャルJK星もマッサージ師結城の施術を受けて全身の力が抜けたのであろう……先ほどの優香同様、息を乱しながら「あー、これ凄いわぁ」と小さく呟く。
これほどまでの効力があるとは……最先端のマッサージ機、おそるべし。
「ねぇ福田……くん」
オレがマッサージ機の技術に感心していると結城がオレの名を呼んでいることに気づく。
「どうしたの?」
「福田……くんも、してあげよっか? 2人とも気持ち良さそうだったし、福田……くんにもしてあげる」
「ーー……」
ーー……え?
「ほら、ここ寝そべって」
「いや……あのオレは……」
「いいからいいから。 じゃあいくよ……」
「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!」
あ、ちなみにギャルJK星なんだけど、お互いに結城のマッサージを受けたということで……晴れて結城のお姉ちゃんになっていいと優香から許可が出ていたぞ。
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