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20 これも従順な奴隷のためさ


 二十話  これも従順な奴隷のためさ



 くそ!! どうしてオレは今日三好の話を聞く約束をしてしまったんだ!!

 早くこのリコーダーを舐めたいってのによおお!!!


 放課後。 オレは三好と一定の距離を保ちながら人気の少ない場所を探していたのだが、しばらく歩いていると誰も遊んでいないであろう寂れた公園を発見。 中を覗いてみるとどうやら長い間使われていないようで雑草がいたるところで生えており、滑り台には遊具使用禁止のテープが貼られていた。



「ここにするか、あんま人寄り付いてなさそうだし」


「……うん」



 オレたちはその公園に入り、奥に設置されていたブランコに腰掛けた。



 ◆◇◆◇



「ーー……で、どうしたんだ」



 そう尋ねると三好はおもむろにオレを見つめながら小さく口を開いた。



「あのさ、私らって今福田のこといじめてんじゃん?」


「うん。 それが?」


「なんか西園寺さんも福田のこと狙ってるっぽいしさ、そのうち私らにも目をつけてきそうで心配だったんだよね」



 三好はスカートの裾をギュッと掴みながら「あはは」と笑う。



 ーー……は?



「え、何? 怖いの?」


「そりゃ怖いよ! だってあの西園寺さんだよ!? 今まで何人も不登校にしてきた子だもん……怖いに決まってるじゃん!」



 この反応……ガチだな。

 ていうかそれダイキを自殺に追いやってた奴が言う台詞かよ。


 オレは小さくため息。 その後「じゃあ先にやっちゃえばいいじゃん。 そういうもんじゃないの?」と先に西園寺を狙って大人しくさせればいいんじゃないのと提案してみたのだが……


 

「それはそうだけど無理でしょ……人数が違いすぎるし」


 

 やはり流石は子供脳。


 自分に危機が迫ると一気に威勢がなくなるか、それとは反対にブチ切れて気迫で無理やり押し通すかのどっちかしかないよな。

 ブチ切れルートに関しては大人でもそういう奴らは一定数いて、オレはそんな奴らが悲惨な死を遂げて欲しいくらいには大嫌いなのだが……三好はそっちじゃなくて助かったぜ。

 オレは1人落ち込み俯いている三好に視線を向ける。


 んー、なんて声をかけるべきか。


 助けてあげるってのはなんか違うんだよな。 西園寺は将来的にオレの奴隷……下僕にしたいだけであって、こいつらを安心させてあげるためじゃない。

 でも迷いなくいじめてもらわないと蹴られてて気持ちよくないんだよなぁ。


 せめて行動してあげるにしても、それなりの何か見返りがあれば……例えば何だろうなぁ。

 オレはそんなことを考えながら三好のスカートから伸びる脚をジッと眺めていたのだが、さすがはオレの変態脳……素晴らしい提案を思いついた。



「なぁ三好」


「な、なに?」


「もしオレが宣言通り西園寺を攻略して三好の不安が消え去った時には……蹴りはいつも通りの力ってのは当たり前として、なんでも1つ言うことを聞けるか?」



 オレは人差し指を立てて三好の顔に近づける。



「え、うん。 ていうかそんなのしなくても言うことは聞くよ。 弱み握られてるんだし」



 おやおや? 知らないうちにちゃんと奴隷になってんじゃん!! 

 なら話は早い……オレはすぐに三好にとあることを提案してみることにした。



「ーー……もし今からオレがパンツ見せてって言っても?」


「うん。 それで私の音声、広めないでくれるなら」


「え」



 三好が自身のスカートの裾をキュッと掴み頬を若干赤らめながら唇を尖らせる。



 え!! マジ!!?? ガーチィイイイ!!??



 オレの体の中で人知れず小さく灯っていた情熱の炎がこれでもかというくらいに激しく燃えたぎり始める。



「それじゃあ三好、見せて……くれるのか!?」


「えっと……うん。 別にそんな可愛いの穿いてきてるわけじゃないけど」



 三好は少し手を震わせながらも掴んだスカートの裾を少しずつ上へ。

 可愛い太ももが露わになりそのさきに辿り着いた場所はもちろん……!!!!


 オレはそこでエデン……楽園を鑑賞。

 従順な奴隷のために少しでも早い西園寺の攻略を決意したのであった。



 そしてその夜。



「これだよ、これこれこれぇ!!! うんめええええええ!!!!」



 布団の中。オレはこれでもかというくらいに女子小学生の舐めたリコーダーを咥え、呼吸とともに不思議なメロディを奏でていた。


 


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