表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
180/733

180 スーツはエロい!(確信)【挿絵有】


 百八十話  スーツはエロい!(確信)



「あ、みんな。 おはようございます」



 東北旅行当日の早朝、結城やエマ、エルシィちゃんと待ち合わせ場所である駅に向かうとオレたちに気づいた高槻さんがニコリと微笑みながらこちらへ体を向ける。

 


「おはようございます先生」



 オレもここはちゃんと挨拶。

 そう、『高槻さん』ではなく『先生』。

 実は昨日の放課後、どこで待ち合わせをするか……などの話をしていた際、高槻さんから「私のこと、出来れば先生って呼んでほしいな」と頼まれたのでオレは『高槻さん』呼びを封印したのだ。

 なんでも『先生呼び』ならこの年の差で遠出をしたとしても、母親には見られないからだそう。

 ーー……必死だな。


 

「はいおはようございます」



「お……おはよう、ございます」

「おはよーございます」

「はーよぉー♪」



 3人も高槻さんに挨拶。

 その後エルシィちゃん以外のオレたち3人の視線は高槻さんの服へと向けられた。



「ーー……? どうかしました?」


「え、あ……その、なんでスーツなんですか?」



 そう……なぜだか旅行だというのに高槻さんはスーツに黒タイツという服装で集合場所で待っていたのだ。

 どうしてだろうと考えていると、高槻さんが自身のスーツに視線を移しながら「あー、これですか?」と言いながら再び視線をオレたちに。



「これはですね、とっても深い理由があるんです!」



 高槻さんが口元に指を当て、優しく微笑みながらオレに視線を向ける。



挿絵(By みてみん)



「ふ、深い……理由?」


「そうです!」


「それは聞いてもいいんでしょうか」



 オレが尋ねると高槻さんは少し照れた様子で「いいでしょう」と答え、ゆっくりとオレたちを見渡した。



「福田くん、私……先生は昨日、福田くんに『先生と呼んでほしい』とお願いしましたよね」


「はい」


「その理由と一緒です」


「え?」



 オレが頭上にはてなマークを浮かべていると、結城が「あっ」と声を出し、何か言いたげな表情を高槻さんに向けた。



「あら、結城さんわかりました?」



 高槻さんの問いかけに結城はコクコクと数回頷く。



「えっと……私服じゃないのは、移動中、私たちの親に見られないように……ですか?」



 いやいや結城よ、流石にそれは『先生呼び』だけで充分じゃないか?

 オレは心の中で優しくツッコミを入れた……のだが。

 


「その通り!」



 うむ、なるほど。

 しかし大人の女性のスーツはいいね!! オレの中で黒タイツは多田が一番似合うと思っていたのだが、残念だったな多田……今日をもってその座は高槻さんのものだ!!

 


 ◆◇◆◇



 行きの新幹線車内。

 席は向かい合わせにして片方にオレ(通路側)と結城(窓側)、対面に高槻さん(通路側)・エルシィちゃん・エマ(窓側)という順。

 本来は高槻さんがもう1席予約していたのだが、エルシィちゃんが高槻さんとも一緒に座りたいと駄々をこねたため、こういう並びとなったのだ。


 それにしても……



 ゴクリ



 オレは目の前に座る高槻さんの下半身……スカートの方へと視線を向ける。

 元々が膝上の丈だったんだ。 そりゃあ座るともっと短くなるわなぁ……タイツから透けて見える肌がめちゃめちゃエロいぜ。

 オレがそんな魅惑の漆黒に視線を奪われていると隣から結城が「福田……くん?」と、オレの名を呼ぶ。



「ーー……ん、どうしたの結城さん」


「あのさ、さっきからどこ……見てたの?」


「え」


 

 それはきっと結城の純粋な質問。

 


「えっと……なんで?」


「さっきからその、先生の足ばっかり見てたような気がして……なにか付いてるの?」


「!?!?」



 席は向かい合わせ……距離も結構近いということで結城の声は普通に対面の方々にも聞こえていたわけで……。



「あら、福田くん、先生の足に何かついてた?」


 

 高槻さんが足下を覗き込みながらオレに尋ねる。



「え、あ……いや、気のせいかもです」

「いや先生、ダイキは多分……てかおそらく、先生の足を眺めてたんですよ。 先生って足綺麗ですし」



 オレがなんとか言い訳をしようとしているところでエマが茶々を入れてくる。



「ちょ! こら、エマ!! 何言ってんだ!!!」


「ふふーん、でも図星っぽいわねー? ダイキ、めっちゃ焦ってるじゃない」


「な!! これは!!!」



 オレがエマに「これ以上変なことを言うな」と釘を刺していると、高槻さんが「あらー」と口に手を当てながらオレをニヤニヤと見てくる。



「な……なんですか」


「福田くん……先生の足見てたのー?」


「!!! いや、だから違っ……!!!」


「照れちゃって可愛いのねー」


「ーー……!!!!!」



 高槻さんの言葉がオレの下半身にズドンとのしかかる。

 ギャルJK星よりも年上の女性のいじり……こんなにも攻撃力があったなんてええええええ!!!


 とりあえずこの状況をなんとかしようと考えたオレはそれっぽい言い訳を思いついたのでそれを試すことにする。

 


「えっと……あれなんです! 先生はスーツだけで寒くないのかなーって思って見てただけなんです!」


「あら、そうなの?」


「はい」



 エマに視線を移すとエマは小さく首を横に振りながら窓の外の景色に視線を向ける。 きっとオレの素晴らしい言い訳に言葉を失ったからに違いない。

 これは……オレの勝ちだ!!


 オレのその発言に結城も納得したようで「確かに先生、寒そう……」と同情の眼差しを高槻さんに向けている。

 ふぅ……なんとかオレの変態脳が高槻さんにバレずに済みそうだぜ。

 

 オレは小さく安堵の息を吐く。



「とりあえずみんな朝早かったでしょ? 着いたら先生が起こしてあげるから、今は安心して眠りなさい」


 

 高槻さんがいかにも先生っぽい言葉を口にしながらオレたちに視線を向ける。



「はい……実は私、ちょっと眠かった」



 結城が小さく呟く。



「エマも少し寝ようかしらね」

「エッチーも、ねゆー」



 しばらくすると結城・エマ・エルシィちゃんは完全に夢に世界へ。

 スースーと聞こえる可愛い寝息がオレの心を癒していく。


 ーー……なんだかこの癒しの音を聞いてるとオレも眠くなってきたぜ。

 高槻さんもあぁ言ってくれてたし、ここは先生を頼るとするか。


 安心したオレの瞼が次第に重く……視界がゆっくりとぼやけていく。


 おそらく次に目を覚ました時には到着している頃だろう。

 そう思いながらゆっくりと目を閉じた……その時だった。



「車内販売ですー。 ご利用の方はおっしゃってくださーい」



 少し先の方から車内販売の売り子さんの声とともにガラガラとカートの音が聞こえてくる。

 うむ、旅行って感じがして実にいいね。



「車内販売ですー。 ご利用の方は……」


「あ、すみません、その日本酒を1つ」



「ーー……」



 え。



 今の声は明らかにオレの目の前から……高槻さんの声だったような。



「1瓶3000円になりまーす。 付属のミニカップでお飲みくださーい」

 

「ありがとうございますー」



 ーー……大丈夫、なのか?



 そしてそれから30分後くらいかな。



「ーー……ヒック。 むにゃむにゃむにゃ」


「いやでしょうね!!!」



 結局その後起きていないといけなくなったオレは、酔いつぶれたことにより若干脚を開いて眠ってしまった高槻さんのスカートの中を凝視しながら目的地までの時間を費やしたのだった。



 スーツの中に潜んでいたタイツ越しのパンツ……めちゃめちゃセクシーでエロかったぞ!!!



 

今回もお読みいただきありがとうございます! 

下の方に☆マークがありますのでよろしければ評価していってくださると嬉しいです!

感想やブックマーク・レビューもお待ちしております♪


エルシィちゃんの担任の高槻さん……髪のウェーブに時間かかりましたぁ 笑

スーツ女性、最高ですね!!!(確信)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] たいとすかーとのシワがアダルティで良いとおもいました。まる。 (小並感)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ