170 真相!【挿絵有】
百七十話 真相!!
「ちょ……ちょっと美咲! 美咲何かしたの!?」
優香が声を震わせながらギャルJK星に尋ねる。
「いやーー、むしろされたというか、なんというか……。 あーー、なんかもうアタシはしばらくダメかもしれないぞーー」
ソファーに座っていたギャルJK星の体がズルズルと前に。
瞳もいつもみたいに輝いておらず、どこか生気が抜けているようにも感じられる。
「あーー、やる気でねーー」
「美咲!?」
とりあえずギャルJK星の話を聞こうとなったオレたちはギャルJK星の体を起こさせてテーブル席へと誘導。
ココアを渡し、一息ついてもらうことにしたのだった。
◆◇◆◇
「ええええ!? 盗撮されてた!?」
オレが無言でギャルJK星を見つめている中、優香がギャルJK星に顔を近づける。
「うん、なんか近くのコンビニの雑誌コーナーで女の人のスカートの中にスマホ入れてる人がいたらしくてね。 それで捕まった人のスマホの中にアタシの写真がめっちゃ入ってたっぽいのさーー」
ギャルJK星がガクリと肩を落とす。
「でもよく美咲ってわかったね」
「あーまぁ、制服で学校割れるしね。 あとはアタシその写真では金髪だったしさ、金髪ってなったら大体は絞れるっしょ」
「あぁ、なるほど」
「てかさ、盗撮だけならまだアタシは別に良かったわけよ。 まぁ良くはないけどさ……」
ギャルJK星は大きくため息をつくと隣に座っていた優香の肩にもたれかかる。
「……どうしたの?」
「その犯人がさ、アタシが好きって言ってた人だったのだーー」
「「ええええええええ!?!?!?!?」」
「だからさー、ゆーちゃん慰めてよー。 できればアタシしばらく学校行きたくないから風邪うつしてくれーー」
ギャルJK星が優香の体に顔を擦りつける。
「えぇ!? ていうか美咲、それほんと!?」
「ホントもホントよ……ほら、アタシ前にその人と出会った経緯話したべ?」
「ーー……うん」
えっと確か……機種変更したスマホをエスカレーターで落としたときに、後ろからキャッチしてくれてたんだよな。
「あん時撮られてたんじゃーー」
ギャルJK星は「ああああ……」と、か細い声を出しながらその場でテーブルの上に突っ伏す。
「そ、そうなの!?」
「そうじゃ……。 その人のスマホの写真フォルダに新しいスマホを弄ってるアタシの姿が映ってたんじゃーー。 あとパンツもーー」
「ありゃあ……」
優香は口に手を当てて絶句。
「それは辛かったね」と声をかけながらギャルJK星の頭を優しく撫でる。
「まさか盗撮されてる時ににアタシがスマホを落としてそれを偶然キャッチされて、それにアタシは勝手に感動して……バカじゃんーー」
「まあまあ美咲、今日はゆっくりしてってよ。 またうち泊まる?」
優香がギャルJK星の耳元で柔らかく話しかける。
「でもゆーちゃん風邪じゃね? アタシの勝手で無茶させられないし」
「それはほとんど治ったから大丈夫。 じゃあ早くお風呂入ってさ、寝ながら話そうよ」
「うぅ……ゆーちゃんはホントに優しいねぇ。 じゃあお言葉に甘えるよ」
こうして再びギャルJK星のお泊まりが急遽決定。
オレは2人が少しでも長くお話ができるように速攻でお風呂を沸かしに向かい、その後食器洗い等の立候補をする。
「すまんねダイキ。 ゆーちゃん借りるわ」
ギャルJK星が力のない瞳をオレに向ける。
「いいよいいよ。 星さん早く元気になってね」
◆◇◆◇
翌日。
「美咲ちゃん、ふっかーーーつ!!」
朝、オレがソファーの家で寝ているといつもの覇気のあるギャルJK星の声がリビング内に木霊する。
「ほ、星さん!?」
「ふふふ……心配かけたねダイキ!!」
「もう大丈夫なの?」
オレの問いかけにギャルJK星は元気よく首を縦に。 その後親指を立ててオレに向ける。
「うむっ! 乙女は終わった恋に長くひきづっているほど暇ではないのだ!! 今日からまた全力JK生活満喫するぜぇえ!!」
うん、いつものギャルJK星だ。
まぁ見た目が清楚なままだから今までに比べたらイマイチ迫力は劣るが……まぁ見た目的には好みだしとりあえずは良かったよ。
「ん? どしたダイキ! アタシの顔をジッと見ちゃって」
ギャルJK星が軽快な足取りでオレのもとへ近づいてくる。
「え、あ、いや。 それでこそ星さんだなって」
「そかそか!」
「うん。 それで、お姉ちゃんは?」
「今着替えてるべ! もうちょいしたらくると思う!」
そうか。 着替えてるってことは学校へ行く……元気になったってことなんだな。
よかったぁ……。
オレはホッと胸をなでおろしながら安堵のため息をつく。
「まぁその……あれだ、ダイキ」
「ん?」
ギャルJK星がオレの頭をわしゃわしゃと撫で回してきたのでオレはギャルJK星を見上げる。
「なに?」
「ダイキのおかげで昨日はゆーちゃんといっぱい話せたわけだしさ、色々とやってもらっちゃってサンキューね」
「あ、うん。 大丈夫」
「だからってことではないけどさ、お礼にーー……」
「ん?」
そう言うとギャルJK星はポケットの中に手を突っ込むと、何かを掴んで取り出す。
「これ、ダイキにあげるべ」
「えっ」
差し出されたそれに視線を向けると、それはまさかのリップ!!
ギャルJKのリップううううううう!?!?!?!?
オレは恐る恐るそれを受け取る。
「ほんとなら今までみたいにパンツとかブラとかでも良かったんだけどさ、流石にこの季節にノーパン・ノーブラは厳しいぜ。 ごめんね」
ギャルJK星がオレに視線を向けながら妖艶にウインクをする。
「いやいやいやそんなそんなそんな!!! これ、本当にいいの!?」
「リップ? うんいいよ。 ちゃんとアタシが愛用してるやつだ!」
「おおおおおおおお!!!!!」
オレはギャルJK愛用のリップを両手で持ちながらガン見していると、ギャルJK星が「つけてみるべ?」とキャップを外してオレの手を持ちながらリップの先をオレの唇へと誘導。
そして先端がオレの下唇の真ん中に触れる。
ウワアアアアアアアアアアアア!!!!
「ちなみにさっきアタシ使ったばっかりだべ」
「えええええええ!?!?」
てことはつまり……つまり……!!!
超新鮮な関節キス!!!!
オレはギャルJK星の唇に視線を向ける。
あぁ……プルプルだぁ。
このプルプル唇を見てるとこう……ホワホワしてきたぜぇ。
「ん? あれ、ダイキ大丈夫? 顔赤いべ?」
「んあーー、なんか夢見心地ってやつですかねぇ」
そう答えながらオレは体を左右に揺らしていると制服に着替えた優香がリビングへと入ってくる。
「あ、お姉ちゃーん」
「うん、おはようダイキ。 今日はもう元気になったからちゃんと学校行くね」
「うーん」
「ーー……ん? ダイキ?」
「?」
優香はオレを見るなり一瞬足を止めるとギャルJK星に視線を移す。
「どしたゆーちゃん」
「なんかダイキ、フワフワしてない?」
「だね。 ゆーちゃんが元気になって嬉しいんじゃないの?」
「いや……違う、ダイキがこんなフワフワしてるところを見たことなんて一度も……」
そう言うと優香はオレのもとへ。
目の前でしゃがみこんでオレの額に手を当てる。
「あっつ!!!」
「「え」」
オレとギャルJK星の声がシンクロ。
「ダイキ、風邪ひいちゃってるじゃん!!」
「「ええええええええ!?!?!?」」
優香の言葉に驚いたギャルJK星が同じようにオレの額に手を当てる。
「うーわっ! マジじゃんダイキ。 もしかしてゆーちゃんの風邪が移ったんじゃないの?」
ーー……マジ?
「うわああああ、ごめんねダイキ、昨日お姉ちゃんがワガママ言ったからだよね、ごめんねダイキいい!!」
優香が慌てふためきながらオレの目の前を右往左往する。
「決めた!! お姉ちゃん学校休む!!」
優香の発言にギャルJK星は「それがいいかもね」と同調。
いやいやいや……流石にオレは1人でも大丈夫だぞ。
「いやお姉ちゃん、オレは平気だから学校行きなよ」
「でもダイキ……」
「病院開く時間になったら行っとくからさ。 それにそこまで体が重いわけでもないし心配しないで。 それにまたお姉ちゃん風邪ひいちゃったら悲しいし」
「ダイキ……」
「そうだな……今日の夜はハンバーグ食べたいかな……」
「ハンバーグね!! わかった!!」
こうして時間になると優香はギャルJK星とともに登校。
オレは病院の開く時間になるまで自分の部屋へ。 今朝まで優香たちが寝ていたベッドに潜り込み、JK2人の異なる甘い香りを堪能していたのだった。
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ギャルJK ……どんまい!!