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159 年上お姉さんの本気!


 百五十九話  年上お姉さんの本気!




 それはギャルJKがお風呂を入れに向かっている間にオレが自室でエロ本の隠し場所を変えていた時だった。



 「……よし、これでバレまい」



 オレは汗こそかいてはいないが、腕で額を拭いながら「ふぅ」と大きく息を吐く。

 優香の課題が終わるまでの時間、オレと絡むってギャルJK星が言ってたからな……変に尋問されそうなものは見つからなさそうな場所に封印しておいたほうが身のためだ。


 オレは隠しそびれたエロ本がないかを最終チェック。

 ベッドの下や本と本の間……他にもオレが隠してそうな場所を全て見て回りどこにも隠しそびれがないことを確認した後ようやく体の向きをリビングへ向ける。



 「くくく……なーにしてたのかなー。 ダイキくーん」


 「!!」



 なんということだ!!

 ギャルJK星が僅かに開いた扉の隙間からニヤニヤしながらこちらを覗いている。



 「ほ……星さん。 一体いつから……」


 「お風呂入れてリビングに戻ってきたらダイキいなかったからさ。 ゆーちゃんに聞いたら『部屋に行ったよ』って。 何しに行ったのかなーって思って見にきたら必死に何かをチェックしてるじゃん。 何してたのー?」



 ギャルJK星が悪戯な笑みを浮かべながらオレの部屋へ。

 「なんとなく分かるけど、ほら……言ってごらん」と囁きながらゆっくりとオレに顔を近づけてくる。



 「え、あーその……別になんでもーー」


 

 オレが必死に誤魔化そうとしているとギャルJKは何かに気付いたのかニマァを笑みを浮かべながら机の奥の僅かな隙間を覗き込む。

 そこはそう……オレが絶対に誰にもバレないと踏んだエロ本たちの……!!



 「あははは、あーった!」



 ギャルJK星がそこから1冊のエロ本を取り出しオレに表紙を見せつける。



 「な……なんで!?」


 「いやいやダイキ、視線ここにめっちゃ向けてたからさ。 バレバレだっつのーー」



 なん……だと!?!?



 ギャルJK星はそのまま手にした本のページを開いて読んでいく。


 確かあの本は……以前結城に見つかった【男女が部屋に閉じ込められて男の子の理性が崩壊した結果、女の子が次第に性に関して開放的になっていく】系のエロ漫画だ。


 

 「あ……あの、星さん」


 

 オレが声をかけてもギャルJK星は返事なし。

 一瞬オレの方を見上げるも、すぐにニヤリと笑ってそのままエロ漫画へと視線を戻す。



 「えっと……できればお姉ちゃんには黙ってて欲しいんですが」


 「うんそこは大丈夫ー」



 ペラペラとギャルJK星のページを捲る音だけが室内に響き渡る。



 「というかもう読まないで何も言わずに見なかったことにしてもらえると……」


 「あー、それは無理だねー。 今面白くなってきたとこだし」


 「お……面白いとこ?」

 

 「んー。 興奮した男の子が女の子の目の前で海パンを……うわ、マジか。 これは女の子もビックリするわ」


 「ーー……」



 すごいね。 こうも冷静に読んでるところを実況されたらそれはそれで興奮してきますな。

 そうか……興奮状態で女の子の目の前でアレをするとビックリするのか。

 ちなみにアレをするっていうのは各自の想像にお任せするぜ? オレの健全的な想像だとあれだ、興奮状態で白鳥体操をすることかな。


 それからもギャルJK星はたまに「マジか」とか、「いやいや流石に抵抗しなさすぎでしょ」とか突っ込みを入れながら手にしたエロ漫画を読破。

 パタンと本を閉じると「ふぅーーっ」と深く息を吐き、ゆっくりとオレを見上げる。



 「なるほどねー。 ダイキは今、こんな系が好きなんだー」


 「え、いやちが……これは……!!」


 「いやいや否定したところで無意味じゃん。 しかもアタシがこれ読んでるところ見て興奮するとか」


 

 ギャルJK星は笑いながらオレの下半身を指差す。



 オーゥ。


 オレの下半身辺りから興奮のオーラがバッキバキのバッチバチに溢れ出している。

 一応言っておくけどオーラだからな!?

 やっぱ見える人には見えるんだな凄いなーー。



 「ちょ、星さん違うんだよ。 これは別のこと考えてて……!」


 「別のこと? なに?」


 「えっと……それは……!」


 「あ、もしかしてアタシ読んでる時パンツ見えてた?」


 「!?!?!?」



 オレの視線は速攻でギャルJK星のスカートの隙間へ。

 しかしまったくと言っていいほどスカートは捲れておらず、残念ながらギャルJKパンツとのご対面は叶わなかった。

 オレは心の中で「ガッテム!」と叫ぶ。



 「いやいやガン見しすぎだべダイキ」


 「え……!」


 

 視線をギャルJK星の顔へと移すと、ギャルJK星は呆れたように笑っている。



 「さっきので余計に興奮してんじゃん。 てかアレだね。 この漫画然り今のダイキの反応然り……ダイキが好きなのってJKなの?」


 「!?」



 ギャルJK星の真意を突いた質問がオレの心に突き刺さる。


 

 「えっと……どうしてでしょうか」


 「あとは他の本を見る限り……JK以外にはおとなしそうで清楚っぽい子が好きなんだねー」


 

 ギャルJK星は他の本をパラパラと読みながらオレの性癖……というか好きな女の子のタイプを分析していく。

 

 ま……マジか!!

 あまり気にしたことなかったけど、そんなにエロ本にも偏りある!?


 オレは1人で驚いているとギャルJK星は「へぇー」と頷きながら本たちを元の場所へ。

 全て綺麗に隙間に入れるとゆっくりと膝に手をつきながら立ち上がりオレを見る。



 「ねぇダイキ」


 「あ、はい」


 「ダイキって結構大人な趣味だよね」


 「え?」



 弄られると思っていたオレは予想外のギャルJK星の言葉に一瞬動きを止める。



 「なんて言うかさ、ダイキくらいの男の子って女の子の裸とかパンツに興奮するくらいじゃん? だけどダイキってその1歩2歩先を行ってるよね」


 「ーー……そうかな」


 「うん。 痴漢とか露出とか無理矢理……とか、普通は小学生が読んでも意味わからなくない?」


 「あーーーー」



 これはどう切り返せばいいのだろうか。

 オレは視線を泳がせながら何か良い答えがないかを考える。



 「えっとですね、それは……」


 「やっぱ社会人の男の人相手だったらそういう系で攻めたほうがいいのかな」


 

 ギャルJK星がポソッと呟く。



 「え?」


 「ほら、なんだかんだで男の人って素っ気ない顔してても中身はエッチな人って多いじゃん? だから色気を使うのもありかなーとか思ったんだけど……」


 

 ギャルJK星が小さく呟きながら視線を自身の身体へと向ける。



 「ダイキ的にはどうかな。 なんだかんだでアタシ、結構スタイル良くない?」



 な……ななななんだってええええええ!?!?!?



 オレはまさかのギャルJK星の作戦を聞いて衝撃を受ける。


 そんなの決まっている……絶対にNOだ!!

 もし本命の相手がいない男の目の前にスタイル良し・顔良し・コミュニケーション良しの3拍子揃ったギャルJKないしは清楚JK星が現れて、そのアプローチを受けてみろ……おそらく99パーセントの男はすぐにそれを受け入れるぞ!!

 ちなみにそれは仮に片思いの子がいたとしてもだ!! オレも結城というマイエンジェルがいなかったら、他に気になる子がいたとしても迷わずギャルJKとのルートに突き進むに違いない!!



 だからオレはあえてこう答えよう。



 「星さんはもし色気でその人の気を向けさせることに成功したとして、その後にさっきの漫画みたいな展開になっても良いの?」



 オレの逆質問にギャルJK星は「えっ」と声を漏らす。



 「えっと……ダイキ、なんで?」


 「だって星さんめちゃめちゃスタイル良いし美人だし。 そんな星さんにそういう風にアプローチされたらどんな男も一瞬で理性崩壊すると思うよ」


 「そ、そう?」



 ギャルJK星は嬉しいのか恥ずかしいのかは分からないが、少しモジモジさせながら再び自身の体に視線を向ける。



 「そりゃそうだよ。 実際にほら、オレだってこの少しの時間でこうなっちゃったわけだし。 大人の男の人だったら力も強いから、もし星さんが望んでなくても襲われる可能性だってあると思う」



 ーー……実際に世間が許すならオレだって飛びつきたいくらいだぜ。

 あ、もちろん初めてだからリードしてほしいけど。



 ギャルJK星はしばらく黙り込んだ後、ゆっくりと口を開く。



 「うん……まぁ冗談だけどね!」


 「え」



 なんだよ冗談かよ!!

 このやろうJKだからってオレをからかいやがって!!



 「だ、だよね」


 「そうだよ、アタシがそんな手を使うわけないじゃん! ちょっとダイキをからかおうとしただけだべ!」



 ギャルJK星は「あははは!」と笑いながらオレの肩をポンポン叩く。

 なんだよそうだったのかよ安心したぜええええ!!!



 「うん、じゃあよかったよ」


 「だべさ! アタシはそんなことしなくても落とせるっつの!」


 「そう思う」


 「うんうん! なんかありがと。 からかってごめんねダイキ!」



 ギャルJK星が眩しい笑みをオレに向けたタイミングでリビングの方から「ご飯できたよ」と優香の声。



 「あ、お姉ちゃん呼んでるね」


 「だね! じゃあ行くべさ!」


 「うんっ」



 こうしてオレとギャルJK星は部屋を出てリビングに向かおうとしたわけだが……



 「ねぇダイキ」


 「なに?」


 「流石にそれは鎮めといたほうがいいんじゃない?」



 ギャルJK星が苦笑いでオレの下半身の辺りを指差す。



 「え? ……ホワァ!!」



 まさにいつぞやのデジャブ!!

 三好の時と結城の時もこんな感じだったな!!


 途中から気にはならなかったが下半身部分から興奮のオーラが絶えず展開中。

 こんなオーラ垂れ流してたら優香もびっくりすること間違いないだろう。



 「それちゃんと鎮めてから来なよー。 遅くなったらダイキの分のご飯もアタシが食べちゃおっかなー」



 ギャルJK星が二ヒヒと笑いながらリビングへと視線を向ける。



 「ねぇ星さん」


 「なんだべ?」


 「もしオレがここでズボン脱いだら、星さんあの漫画の女の子みたいになる?」


 

 オレがズボンに手をかけながら尋ねるとギャルJK星は「ふふっ」と微笑んだ後にオレの頭めがけて優しくチョップ。



 「アタシを手に入れたきゃもっと男を磨きなよエロ助♪」


 「!!!!」



 その後頭をわしゃわしゃと撫でるとギャルJK星は「早くおいでよー」とオレに言い残して1人リビングへ。

 

 

 「ーー……」



 な……なんだ今のトキメキは。

 胸に手を当てると心臓が先ほどまでとは比べものにならないくらいに激しく脈打っている。



 「あれが……いつぞやも感じた年上お姉さんの本気」



 これは何処の馬の骨とも分からない一般人にギャルJK星をとられるわけにはいかないな。

 オレがこの目で厳しくチェックしてやらないと。


 そう、オレは今この時よりギャルJK星の騎士……ナイトとなる!!!

  

 オレはそう心に固く誓うとその勢いのままトイレへ。

 ギャルJK星にオレの分のご飯を食べられるわけにはいかないので急いで興奮のオーラを鎮めにかかったのだった。


 

 

今回もお読みいただきありがとうございます! 

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ギャルJKも可愛いんじゃあっ……!!

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