126 ハロウィン・イブ【挿絵有】
百二十六話 ハロウィン・イブ
昼休みに西園寺のダブルアトラクションを満喫したことで上機嫌のオレは放課後、鼻歌を歌いながら……また軽くスキップなんてしちゃったりしながら家へと帰る。
すると玄関前にダンボールを発見。 これはあれだ、ハロウィン仮装用の衣装の入ったやつだなニヤニヤ。
オレはそれをリビングの中まで運び、その後オレの部屋の掃除を開始。
だって結城が寝るんだからな! ちゃんと綺麗にしておかないと!
◆◇◆◇
そうこうしていると買い物帰りに合流した優香と結城が帰宅。
楽しそうに話を弾ませながらリビングへと入ってきた。
「あ、ダイキただいま」
「おかえりお姉ちゃん」
「そのダンボール……あぁ、仮装のやつ?」
「そうそう。 外に置かれてたから中に運んでおいた」
「ありがとうダイキ」
優香はダンボールに視線を向けた後買い物した食材を冷蔵庫へ入れるためにキッチンへ。
「仮装?」
オレたちの会話を聞いた結城が不思議そうに首をかしげる。
「そうだよ。 明日エマちゃんたちがハロウィンパーティーに誘ってくれてね、だからそれ用の衣装をダイキにネットで頼んでもらったんだ」
「そうなんだ」
「あ、もちろん桜子ちゃんのもあるから安心してね」
優香が優しく結城に微笑みかける。
「え、そうなの?」
「うん。 そりゃあそうだよ。 だって桜子ちゃんも参加するもんね」
「う、うん。 ありがとう優香さん」
結城は嬉しそうに目を輝かせながら優香にぺこりと頭を下げる。
「それで……どんな服頼んだの?」
結城が興味あり気にダンボールに視線を向けている。
「それが私にも分からないんだよね。 ダイキに全部任せちゃったから」
「そうなんだ」
「うん。 それじゃあ……早速この箱開けちゃおっか」
優香がニコリと微笑みながら結城のもとへ。
手を繋いで一緒にダンボールの前でしゃがみこんだ。
「優香さん……私、開ける」
「ううん、はさみ危ないから私が開けるよ。 ありがとう桜子ちゃん」
優香はそのままはさみを片手に器用にダンボールの封を切っていく。
「優香さん、私なんかドキドキする」
「私もだよ。 ダイキはどんなもの頼んでくれたんだろうね」
2人は魔女の衣装が入ってるのかなーとか、そんなことを話しながら中に入ってた衣装を掴んで持ち上げるんだけど……オレどんな衣装頼んだっけな。
記憶の曖昧だったオレは結城と優香が取り出したその衣装に視線を向けた。
そしてそこから出てきたものを目にした2人が同時に驚きの声を上げる。
「「えええええええ!?!?!?」」
◆◇◆◇
「福田……くん、こんな感じ……かな」
当日にサイズが合わなかったら元も子もないということで優香と結城は各自別室でその衣装を着てみることに。
先に着替え終えた結城が顔を赤らめながらオレの待つリビングの扉を開ける。
「お……おおおおお」
そこに現れたのは幼稚園児姿の結城ちゃん。
黄色いスクールバッグを肩から斜めにかけていて、水色の上着に紺色のスカート……もともとがロリフェイスなのに更にロリ度が増している感じだ。
実に可愛い結婚したいギュッてしたいペロペロしたい!!
「私……幼稚園の制服なかったから嬉しいな。 似合ってる?」
結城が照れて赤面しながらオレにチラッと視線を向ける。
「似合ってる! めちゃめちゃ似合ってるよ結城さん!!」
オレはその姿にノックアウト。
結城の顔を直視できなくなったオレは視線を下へと下げることに。
「ーー……!? ホァア!!!!」
なんてことだ、視線を下げてようやく気づくなんてな。
結城!! お前スクールバッグに挟まってスカート捲れてるから……イチゴのパンツが見えてるぞ!!
……え、てか今バッグにスカート挟むの流行ってんのか?
オレは心の中で静かに突っ込みを入れる。
この短期間に西園寺、エマ、結城がやってるなんて……もしかしてオレたち大人が気づいていなかっただけで実はこの現象……日常茶飯事なのだろうか。
これは、どう言ったものかなぁ。
オレは結城のパンツに視線をロックさせながら静かに考える。
「……? 福田くん?」
何も気づいていない結城がオレに尋ねてくる。
うむ……ここは恥を忍んで言うしかないよな!! 恥ずかしがるだろうけど、これを言ったことによって好感度が爆上げするかもしれないし!!!
男を見せるんだオレええええええ!!!!
オレはゆっくりと結城のパンツを指差す。
「ーー……福田くん?」
「その……結城さん、スカートが」
「スカート? ん?」
結城がゆっくりとオレの指差した先を目で追っていく。
「捲れております」
「ーー……!! ひゃ……ひゃああああぁぁっ」
結城は力なく叫びながら両手を前に。 パンツが見えないように必死に隠し始める。
ーー……ドクン!!! ドクンドクン!!!!
なんだその恥ずかしがり方わああああああ!!!!!
オレはそんな結城の仕草を見て大興奮。
普通なら『きゃー!』とか『いやー!』なのに……なんだこの少し守りたくなるような力のない感じ……!!
すっごい可愛いし尊い!!!
それにスカート引っ張って隠せばいいのに焦っちゃって手で必死で隠そうとしてるところとかも可愛すぎて泣ける。
あぁ……最高なんじゃあ……。
そんなことを思いながら結城を眺めていると顔を赤くした結城と目が合う。
「その、福田……くん、みないで?」
結城が小さく声を振りわせながら上目遣いでオレに訴える。
ーー……!!!
この台詞・表情によりオレの脳やいろんな箇所が大沸騰。
オレは鼻から血を流した状態で手は前に。 少し前屈みになりながらトイレへと向かったのであった。
ちなみに優香はオレがトイレに籠っている間に着替え終えたらしい。
どんな感じなのか見てみたいと頼み込んだのだが、顔を少し赤らめながら明日のお楽しみね……と断られてしまったのであった。
ちくしょう!!! あの時トイレに籠っていなければ……!!!
でもありがとう!!!!
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今回のハロウィンイベントが終わり次第、物語を一気に進めていきますのでよろしくお願いしますっ!




