123 気になる結果!
百二十三話 気になる結果!
休み時間、トイレの個室に入ったオレは西園寺にメールを入れる。
【送信・西園寺】とりあえず1枚更新した。 数分後にもう1枚更新するから堀田とその話題について話しといてくれ。
するとすぐに西園寺から了解の返信が届く。
ーー……よし。
しばらくしてオレは今から更新する文章を打ち込み、ちゃんと顔が写っていないか再確認した写真を添付し送信する。
ーーー
昨日の夕方パシャりした写真公開☆
SJKなのにJSだった頃の制服着て外を歩いても誰にも不審がられなかった……ぴえん。
こんな私を好いてくれるロリコンさん大好き
ーーー
うむ、我ながらいい感じの文章だ。
こういうのってどう書いていいか分からないけどあれだろ、今って悲しい時に『ぴえん』って使うの流行ってんだろ?
あとはちょっとバカっぽい感じを出してJKっぽさをアピール……完璧じゃないか。
あ、ちなみにこの画像は拡散されないぜ。
なんか少し前にできた仕様らしいのだが、【グループメンバーにのみ表示】というものがあったのだ。
なのでオレは事前に西園寺とグループを組んでいるのでこの画像が表示されるのは西園寺のSNSアカウントのみ……安全も安全ってわけさ。
「さて……じゃあこの時間はオレのやるべきことも終わったわけだし教室戻るとするか」
その後オレは次の授業中にも1回予約投稿して更新。
西園寺が授業中にスマートフォンを使うはずがないし、これで完全に堀田の西園寺に向けられていた疑惑も晴れるだろうよ。
任務を終えたオレは授業が終わると同時に西園寺にメールを送る。
【送信・西園寺】結果が知りたいから放課後図工室前のトイレ前に集合。
◆◇◆◇
放課後、先に着いたので男子トイレに入り用を足していると西園寺が到着。
男子トイレの中を覗き込んできた。
「福田くん、いる?」
「うわわ西園寺! ちょっと待ってくれ、てか覗くな!」
「あ、ちょうどおトイレしてたんだ。 ごめんね、でも今周りに人いないから男子トイレの個室で話そっか」
あれ、西園寺が全然照れてる感じがしない。
ーー……そうか、西園寺は『ドン・西園寺』だった頃に何回もオレの動物園に来園してたからもう慣れちゃってる感じなのだろうか。
それはそれでなんか辛いかもな。
用を済ませたオレは急いで西園寺の待つ個室の中へ。
念の為周囲に人がいないことを再確認してから扉を閉めた。
「すまん待たせた」
「ううん、大丈夫だよ。 でもいいね男子って」
「ん? 何でだ?」
「だっておトイレしてるところ堂々と見せれるんだもん。 私は見せたくても女子トイレって全部個室だから見せられないし」
「あーー、はい」
「そう考えたら前に福田くんの前で我慢の限界が来た時は気持ちよかったなぁ……」
西園寺は両手を頬に当てて体をモジモジさせながらオレを見つめる。
「あぁ……マーライオンか」
「え、マーライオン?」
西園寺が頭上にはてなマークを浮かばせながら尋ねてくる。
「いや、こっちの話だ気にすんな。 てかあれだ、あの件どうなったんだ?」
このままでは西園寺の性癖ワールドに突入しそうだと予期したオレは無理矢理話をそっちの方へと持っていく。
「あ、そうだ。 堀田さんの件だよね」
「そうそう」
「私じゃないって思ってくれたらしいんだけど、なんか残念がってたよ」
「ーー……は?」
オレは一瞬間を空けた後に西園寺に突っ込む。
「えっと……それはどういう……?」
「なんか堀田さん的には私であって欲しかったんだって」
「な、なんで?」
「それがさーー……」
西園寺が話した内容を聞いてオレは驚きのあまり言葉を失う。
簡単に説明すると堀田はクラスの中でも結構な目立ちたがりらしいんだが、ラブカツオーディションに落ちてからモヤモヤしていたとのこと。
それで何か自分が目立てそうなものがないかを探していたところ、SNSサイトで少しエッチめな自撮りを載せている女の子を見つけたらしい。
その後堀田はその真似をして撮ってみたものの思うように周囲からの評価が伸びない……そして悩んでいるときに偶然見つけたのが西園寺が以前内緒であげていた写真だった……ということだった。
あわよくばコツとか聞きたかったのかな?
「ーー……ちなみに西園寺、お前結構人気だったのか?」
「うん。 一枚あげたら反応が絶対に1000人以上からは来てたかな。 顔とか別に載せてないのにすごいよね」
さ……流石だ。
「え、……てことはこれ以上オレは何もしなくても?」
「うん、福田くんのおかげで堀田さん完全にあの写真が私じゃないって信じちゃってるからもう大丈夫だと思う。 ありがとう」
西園寺が嬉しそうにオレに向かって微笑む。
「あれから私ずっと夜とか色々悪い方に考えちゃってちゃんと眠れなかったから、やっと肩の荷が降りたよ」
「そうなのか?」
「うん。 ほら、前に福田くん言ってなかったっけ。 これバレて親のところにも情報が回ったらどうするんだって」
「あー……言ったかも」
「あれが頭から離れなくてさ。 ほんと何もなくてよかったぁー」
西園寺は胸に手を当てて安堵のため息をつく。
「よかったな」
「うん。 もう私、福田くんのお願いだったらなんだって聞いちゃうよ」
西園寺が柔らかい視線をオレに向ける。
ーー……ん?
今なんて言った? なんでも言うことを聞く……だって??
ニヤァ
「なぁ西園寺、今の言葉まじか?」
オレは念の為西園寺に確認をとる。
「え? 何が?」
「いや今さっきなんでもオレの言うこと聞くって」
「あ、うん。 言ったね私。 あれ本当だよ? だって実際救われたし……もしかして、もう私にしてほしいことなんかあるの?」
西園寺がなんでも来いと言う表情をオレに向けてくる。
ふむ、それじゃあ言わせて頂きましょうか。
オレはまっすぐ西園寺と目を合わせ、そしてーー……はっきりとこう伝えたんだ。
「今度こっそり撮った自分のパンツの画像とか送ってくれ」
お読みいただきありがとうございます!
下の方に☆マークがありますのでよろしければ評価していってくださると嬉しいです!
感想やブックマークもお待ちしております♪




