117 新たなコレクション!?
百十七話 新たなコレクション!?
祝日金曜日の夜遅く。
インターホンが鳴り玄関を開けるとそこにはギャルJK星の姿。
「うわあああ! 星さん!?」
「やほーダイキ」
「どうしたのこんな遅くに」
「ちょっとゆーちゃんと話があってねー。 おじゃましまーす」
そう言うとギャルJK星は鼻歌を歌いながら家に上がりリビングへ。
一体なんの用だろうと思いながらオレはギャルJK星の後ろ姿を眺めていたのだが……
「あ、そうそう」
ギャルJK星がリビングに入る手前で立ち止まりオレの方を振り返る。
「?」
「今日アタシ久々にダイキん家泊まるからよろよろー♪」
「えええええええ!?!?!?」
◆◇◆◇
「や、やんきーだ!!」
リビングに入ると陽奈が目を大きく開きながらギャルJKを指差す。
「あー! 君がゆーちゃんが言ってた陽奈だねー」
「えっ!」
「話で聞いてた通り焼けてるねぇー!!」
ギャルJKは陽奈の後ろに周り込みお腹に手を回して座り込む。
「ええええ!? 優香ちゃんこのヤンキーだれ!?」
「誰がヤンキーだこのやろぉー!」
ギャルJK星が後ろから陽奈の顔を覗き込みながらお腹をくすぐりだす。
「あははははははっ!!」
「陽奈ちゃん、この人は私の友達の美咲だよ。 ちょっと明日早くから用があってね、今夜泊まりに来てもらうことにしたんだ」
優香がソファーから2人の様子を見て笑いながら答える。
「え、お姉ちゃんたち明日なんか用事あるの」
「うん」
「どこか行くの?」
「そうだけど、ダイキたちも一緒だよ?」
「「「え?」」」
オレと結城、陽奈の声がシンクロする。
「そう! 明日はアタシとゆーちゃんで、君たちを遊びに連れに行きます!」
「「「ええええええええ!!!!」」」
「え、どこ!?」
陽奈が目を輝かせながらギャルJK星に尋ねる。
「へへー、さてどこかなー」
「教えてくれないん!?」
「それは行ってからのお楽しみかな。 そっちの方がワクワクできるでしょ」
「楽しいところ!?」
「うん! 陽奈ぜったい喜ぶと思うよ!」
「うわあああ! 陽奈めっちゃ楽しみ!」
さすがはギャルJKだ。
この一瞬で警戒していた陽奈との距離を一気に縮めるとはな。
「ねぇ優香さん、私もいいの?」
結城が申し訳なさそうな顔半分、期待に満ち溢れた顔半分で優香に尋ねる。
「もちろんだよ。 桜子ちゃんお出かけきらい?」
「ううん、好きっ」
「うん、じゃあ一緒に行こうよ」
「うん!!」
優香と結城は相変わらずの仲の良さ……素晴らしきかな。
しかしそうか、明日はギャルJK星と優香引率のお出かけか……前と同じ遊園地だとしたらお化け屋敷だけは絶対に入らないぞ。
そんなことを考えているとお風呂の準備完了のメロディが流れ出す。
「あ、お風呂沸いたみたいだね。 美咲入る?」
「いや、アタシはまだいいかな。 さっきまで外にいたから汗めっちゃかいてて汚いし。 みんな先入りなよ」
いやオレ的にはその汗を大量に含んだお湯に入りたいのだが……。
「そう、じゃあどうしよっか。 美咲はまだいいらしいから……陽奈ちゃんと桜子ちゃん、どっちか先に入る?」
「えー優香ちゃん、どうせなら桜子と陽奈の3人で入ろうよー」
「えええ3人で? 狭くないかな」
「大丈夫だって陽奈と桜子まだちっちゃいから。 ね、桜子」
「う、うん」
陽奈の突然のパスに結城が焦って頷く。
「え、じゃあ……入る? 美咲、ダイキを頼めるかな」
「あいよー」
そう言うと優香は結城と陽奈を連れて脱衣所へ。
いいなぁ……そこにオレも混ざりたいぜ。
4人だと浴槽ギューギューになって苦しいだろうだけど、そのギューギュー加減が男の夢なんだよなぁ。
オレは4人で入った際の状況を想像しながら無意識にニヤつく。
「あ、そうだダイキ。 ちょっとちょっと」
視線を向けるとギャルJK星がオレに手招きをしていたのでオレはギャルJK星のもとへ。
「なに?」
「ねね、アタシがあげたパンツってどこにあんの?」
ギャルJK星が脱衣所の方まで聞こえないように小声でオレに尋ねる。
「えっ!?」
「いいじゃん、どんな感じで保管されてるのか気になるんだよね」
「あ、まぁいいけど」
オレはギャルJK星を連れて自室へと招き入れ、勉強机の引き出しを開ける。
「ここ」
オレはクリアファイルを取り出しギャルJK星に差し出す。
「え、なんでクリアファイル?」
「だってこっちの方がバレないし安全だって思ったから」
「あっはははは!! なにそれもはやエロ本の域じゃん!」
ギャルJK星はクリアファイルに挟んであるパンツを見ながら大爆笑。
涙を流しながらオレの背中を叩きだす。
「もしかしてさ、これがダイキの夜の相棒なわけ?」
「なっ……それはどう言う!?」
「え? いやこれと一緒にダイキ寝てるのかなーって思ったんだけど……あ、もしかしてダイキ……そっち?」
ギャルJK星が手を口に当てながらニヤリと笑う。
「ち、違う違う! そっちじゃない!」
「えー? そっちってどっちー? アタシまだ『そっち』ってしか聞いてないんだけどー」
うわあああやられたあああ!!!
これはどう返答すべきなんだああああ!!!
オレは必死に脳を回転させて考えるも今の脳の状態が変態脳と化してしまっているので真っ当な考えが全く思いつかない。
「えっと……そのあれ、そっちって言うのはそっちな訳であって、決してそっちと言うわけでは……」
「あーごめんごめんちょっといじめすぎたわ」
ギャルJK星がオレを軽く抱きしめながら頭を優しく撫でる。
な……なんだああこの緩急のつけ方はああああ!!!
オレの脳が緊張からの急な癒しに……もうついていけないぞ!!
「まぁあれさ、アタシはダイキがここまで大切にしてくれたこと知って嬉しかったべ? そんな君にプレゼントをあげよう」
ギャルJK星がオレの耳元で優しく囁く。
「えっ?」
「ちょっとこっち来て」
そう言うとギャルJK星は再びオレの手を掴んでリビングへ。
ソファー横に置いていたギャルJK持参のリュックの中から何かを取り出す。
「ふふふ……ダイキ、これなんだか分かる?」
「ーー……!! なっ……それは……!!」
ギャルJK星がオレに差し出したもの……それは……それはあああ!!!!
「ぶ……ブラですか!?」
……ゴクリ。
オレの目の前には黒いレースのついたブラジャー。
「そそ。 ほら、アタシあのパンツとセットで買ったやつなんだけど、どうせならあげちゃおっかなって」
「ま……マジすか」
「え、いらない?」
「いや欲しいですくださいお願いします!!」
オレは魂の叫びを言葉に乗せてギャルJKにお願いする。
「いいよ。 はいこれ」
ギャルJK星の黒ブラがオレの手の上に。
「あ、ありがとうございます!」
オレはそれを大切に持ちながら自室へ隠しに行こうとしたのだが……
「そうだダイキ、どうせならさ」
「?」
「お風呂この後一緒に入るべ? その時にそのブラ1回付けたげよか?」
「え」
その後はまさに天国。
やはり高校生ともなると小学生なんぞ子供に過ぎないのだろう……。
お風呂中、恥ずかしいことに序盤から色々と醜態を晒すこととなったオレだったのだが、ギャルJKはそんなオレに笑いながらツッコミを入れていたのだった。
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次回! ちょっと久しぶりに……!!笑




