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103 金髪天使とまさかの……!


 百三話  金髪天使とまさかの……!



 西園寺たちとの話し合いを終えたオレはエマとその妹エルシィちゃんの3人で喋りながら自宅のマンションへ。

 


 「じゃあまた月曜な」


 「うん、なんかありがとうダイキ」



 エマが少し照れ臭そうに微笑む。


 

 「気にすんな」


 「あーとー!! だいき!!」



 金髪天使エルシィちゃんがエマの真似をする。

 くっっっっそ!!! 可愛いなこのやろう!!!!



 「うん、じゃあねエルシィちゃん」



 オレは胸の高鳴りを抑えながらも必死に隠してエルシィちゃんに挨拶。 その後玄関の扉に手をかける。

 するとーー……



 ガチャン



 オレが開こうとした少し先に扉が開く。



 「お?」



 「あれ、ダイキおかえり」


 「福田……くん」



 出てきたのは姉の優香と休日ということで泊まりに来ていた結城の2人。



 「ん? 2人ともどこか行くの?」


 

 オレは優香と結城を交互に見ながら尋ねる。



 「うん、晩御飯の買い物にね」


 「なるほど」


 「あれ、ていうかダイキの後ろにいるのって……」



 優香がオレの後ろを覗き込む。



 「あ……こんにちは」


 「こんちー!!」



 「ベルナールさんだよね、こんにちは。 ダイキと出かけてたの?」



 優香がエマに尋ねる。



 「まぁはい、そんなところです。 この辺あまりまだ詳しくなかったので案内してもらってました」



 エマが丁寧に話しながら頭を下げる。



 「ーー……え、エマいいのか? そんな流暢な日本語で」



 オレが小声でエマに話しかける。



 「いいの。 引っ越して挨拶しに行ったとき、エマちょっとテンパっちゃって普通に話しちゃってたから」


 「おっちょこちょいだな」


 「うるさい」


 

 まぁそれにしてもいい言い訳だ。

 それもそうか……イジメられかけている状況をどう改善していくかについて話し合ってた、とか言えないもんな。



 「そうなんだ……で、ダイキも買い物行く?」


 

 優香がオレに視線を移す。



 「まぁ別にいいけど」


 

 「じゃあエマたちはこれで……」


 「ばーばいー!!」



 「おう」



 エマがエルシィちゃんの手を繋ぎながら階段を上がっていく。



 「あ、ちょっと待って!」



 ん?



 2人に声をかけたのは優香。



 「お姉ちゃん、どうしたの?」


 「2人ともさ、今日の晩御飯一緒にどうかな」



 「「え?」」



 オレとエマが同時に声を漏らす。



 「それとも……2人とももしかしてもう晩御飯の用意終わっちゃってるかな」


 「いえ、今日は家政婦さんお休みなので出前を頼もうと思ってたところです」


 「じゃあさ、一緒にどう? 今日は贅沢に焼肉しようと思ってるんだけど」


 「え! いいんですか!?」



 焼肉と聞いた途端にエマの表情が一気に明るくなる。



 「うん! 嫌いじゃなかったら……だけど」


 「好き好き好きです焼肉! ね、エルシィ、今日は焼肉にしようよ!」



 エマは目を光らせながら視線をエルシィちゃんに合わせる。


 

 「やくにくー? おいしー?」


 「うん! 美味しいよ!」


 「やたーーっ! エッチーやくにく食べるー!!」



 エルシィちゃんが大喜びでぴょんぴょん跳ねる。



 「え、やだベルナールさんの妹さんめちゃめちゃ可愛い……」



 無邪気に喜ぶエルシィちゃんの姿を見た優香がポツリと呟く。

 やはり金髪天使は男女問わず虜にでもしてしまう能力があるとでもいうのか……!?


 

 「それではあの、ご馳走になります!」


 「うん! 買い物から帰ってきたら知らせるから、荷物置いてゆっくりしてて」


 「はい!」

 「あーいっ!」



 こうしてオレと優香・結城はスーパーへ買い出しへ。

 大量の肉と野菜を買い込み両手いっぱいに膨らんだスーパー袋を持ちながら家へと帰宅。

 それはそれは盛大な焼肉パーティーを楽しんだのであった。



 ◆◇◆◇



 「うん……で、なんで食べ終わってからもここにいるんだ?」



 オレは耐えきれずに突っ込む。


 

 「いいじゃない別に。 エマちゃんもエルシィちゃんも2人だけなんだし……だったらうちにいた方が安全じゃない?」



 後ろで皿洗いをしてくれていた優香がエマたちに優しい視線を向ける。



 「それはそうだけど……」


 「エマちゃん、もしよかったらお風呂はいっておいで」



 「わかりました! じゃあエルシィ、一緒に入る?」



 エマがエルシィちゃんの手を引っ張る。



 「ややー、まだエッチー入りたくなー」



 エルシィちゃんが頬を膨らませながら首を振る。

 駄駄を捏ねる様子も実に可愛いほっぺプニプニしたい!!



 「え、じゃあどうしよっかな。 1人で入るのはちょっと気がひけるし……」



 そう呟きながらエマが視線を向けたのは結城。



 「ーー……え、私?」


 

 結城が自分を指差しながらエマに尋ねる。



 「お願い桜子ちゃんー! 一緒に入ろ!?」


 「うん……別にいいけど」


 「やった!」



 エマは結城の手を引いて脱衣所へと向かう。



 なん……だと……!

 

 オレは2人のお風呂姿を妄想する。

 金髪色白……美人のエマと、黒髪おっとり……バチ可愛の結城……。

 実に素晴らしい組み合わせじゃないか。


 おそらくはエマの方が中身お姉さんだから結城をリードするだろ? 

 それで結城もそれに身を委ねていってーー……



 ピャアアアアアアアアア!!!!!



 録画でもモザイク少しかけてくれてもいいから映像としてその光景を見てみたい!!


 オレは心の中で大発狂。

 どうすれば2人のお風呂シーンを覗けるかを集中して考え出す。



 「ーー……ん? どうしたのダイキ、お風呂場の方をじっとみて」


 

 オレの熱い想いが漏れたのかそれに気づいた優香が声をかける。



 「え、あ、いや。 エマ、ちゃんとシャンプーとかわかるかなって」


 「それなら桜子ちゃんが一緒に行ったじゃない。 だから大丈夫じゃない?」


 「あー、そっかぁー。 あはははは……はぁ」



 この感じだと覗きに行くことは難しそうだな。

 オレは背中をがくりと落として小さくため息をつく。

 


 とんとん



 「ん?」



 誰かがオレの肩を優しく叩いたのでオレはその方向に視線を向ける。

 


 「え、エルシィちゃん?」



 エルシィちゃんが首を傾げながらオレに顔を近づけてくる。

 か……可愛い!!!



 「ど、どうしたのかな」


 「だいき、お風呂入りたかたぁー?」


 「え? なんで?」


 「エマおねーたんたちがお風呂いって、だいきさみしそー」


 

 ーー……まぁあながち間違ってはいないな。

 出来るものならそのお風呂タイムに混ざりたいくらいだし。


 

 「そうだね、寂しいのかもしれない」


 「だったらだいき、後でお風呂エッチーと入うーー??」



 「ーーー……!!!!!」



 な……なななななんだってエエエエエエエエ!?!?!?



 オレはあまりの衝撃で固まりエルシィちゃんを凝視する。



 「んーー? ダイキ、エッチーと入らなーー??」



 エルシィちゃんが左右に体を可愛く傾けながら再度オレに尋ねる。

 

 そんな……そんなの決まってるじゃないか。



 「入ろう!!!!!」


 「やたぁー!」



 エルシィちゃんがオレに無邪気に抱きついてくる。



 ふぁ……ふぁああああああ!!!!

 小さい可愛い柔らかい良い匂い心地いいーーーー!!!!



 ◆◇◆◇



 エマたちがお風呂から上がるとすぐにオレはエルシィちゃんを連れて脱衣所へ。

 もしエマに見つかったら阻止されるに決まってるからな……。

 

 オレは入念に周囲をチェックしながら警戒して進む。



 「よし! エルシィちゃん! 今だ!!」

 

 「入うーー!!」


 

 こうしてオレは無事脱衣所へと辿り着き、金髪天使エルシィちゃんとの入浴を遂行。

 感想としてはその……言葉には言い表せないくらい……すごかったです。



 もちろんその後、皆の目の届かないところでエマの鉄槌を食らったことは言うまでもない。


 


お読みいただきありがとうございます! 下の方に☆マークがありますのでよろしければ評価していってくださると嬉しいです!

感想やブックマークもお待ちしております♪


次回104話は久しぶりに挿絵描きましょう!!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 鉄槌という名の御褒美
[良い点] ダイキ……潔く○んでくれ( ゜Д゜) エルシィちゃん……いつか、挿し絵を拝みたい!! かわいいなぁhshs!
[気になる点] >金髪天使エルシィちゃんとの入浴を遂行。 > 感想としてはその……言葉には言い表せないくらい……すごかったです。 それをカットするなんてとんでもない!(血涙) [一言] 小五、つま…
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