101 見せろ見せないの攻防戦!
百一話 見せろ見せないの攻防戦!
「ちょ……お前一体なにやったんだ?」
「いやーそれがさぁ……」
オレは家へと帰るまでの道のりでエマがなぜクラスで除け者にされ始めたのかを聞くことにした。
◆◇◆◇
「ーー……それマジか?」
「そう。 エマもビックリだよ。 そう人もいるってことは知ってたけどさ、まさか小学生でいるとは思わないじゃん?」
「確かに……てかオレはそこらへんよく分からんが」
オレはあまりの意味不明さに頭を抱える。
エマが除け者になった原因はエマのクラス内で結構人気のある女の子が【同担拒否】だったかららしい。
え? 同担拒否って何かって?
そうだよな、オレだってさっきエマから聞くまでさっぱり分からなかったのだが、どうやらその【同担拒否】というものは、推しているアイドルが他人と被ることを指す言葉らしい。
当時エマは休み時間に女子たちで雑談していたのだが、盛り上がっていると話題は好きな男性アイドルの話に。
クラスで人気の女子がエマに誰が好きかと尋ねたところ、エマは人気男性アイドルグループ・サニーズに所属する『ニューシー』の金髪イケメン手毬くんが好きと答えてしまったのだ。
それが不運にもその女子が好きなアイドルと一緒、そして彼女は同担……つまり同じ担当の拒否。
その結果彼女の怒りに触れたエマは少しずつ女子たちから距離を置かれていった……とのことだった。
「そんなに好きな相手が被るのって嫌なもんなの? むしろ同じ話題を話せて嬉しいと思うんだが……」
「そう、もちろんみんながそうなわけじゃないよ? エマは同担拒否とは真逆の同担歓迎タイプだし」
「なるほどな。 しかしこれは厄介だな……その手毬くんだっけ? その人じゃないアイドルを好きになったって言えばいいんじゃねーの?」
そしたら万事解決、エマのクラスの女の子も安心すると思うんだが……。
「あまいねダイキ」
エマがオレのパーフェクトな提案を一掃する。
「なんで?」
「もしエマが担当変えたって言ったら、多分だけど……『へぇー、そんな軽い愛で手毬くんのこと好きだったんだー。 ありえないんだけどー』……ってなると思う」
「ーー……は? マジ?」
「マジよ。 ダイキ、ガチなサニオタをナメたらダメだよ」
「なるほど……じゃあどうすんの?」
「まぁ気長に怒りが収まるのを待つしかないんじゃないかなー。 別にエマはこれくらいのことで心痛めたりしないし」
エマが笑いながら小さく手を振る。
「あ、そっか。 お前中身はJKだもんな」
「そそ、JKナメんなよー? JK界での除け者って小学生とはダンチだからね」
「ーー……ダンチ?」
「段違いってこと! まぁだからそんな深く考えてもらわなくてもいいからさ」
さすが精神年齢高めのJK。
小学生のいじめ関係をほとんど苦に思ってないあたりオレと似たものを感じる。
「ーー……あ、だからか」
オレの中でとある1つの疑問だった点が解決する。
「どうしたのダイキ」
「いやさ、エマって中身はJKだけど実際はこうして幼いJSじゃん?」
「うん」
「だったらさ、何もしても合法だから色々と楽じゃね?」
「まぁ……そうだね、エマは別にやましいことしてないけど」
「いや、だからお前ノーパンしてんだろ」
「ーー……!!!!」
オレの言葉にエマの身体がビクンと反応……その後ピタリと動きを止める。
「あ……あははは……、なに言ってるのかなこのダイキくんはーー」
「そりゃあノーパンがバレたとしてもそれを餌に脅してくる奴もいなければ、逆にわざとチラッと見せて反応を楽しむことも出来るもんなぁ。 男子小学生って反応良さそうだし、襲われる心配もほとんどないし」
「ーー……!?!?!?」
エマの目が徐々に大きく開き出し、顔も少しずつ赤く染まっていく。
「ーー……で、実際どうなんだ? 図星か?」
オレは固まったエマの顔を覗き込む。
「ちょ、ちょっとエマぁー……ダイキがなな何を言ってるのか分からないナーー」
エマがゆっくりと視線をオレからズラす。
「とりあえずエマ、こっち来い」
オレはエマの手を無理やり引いて近くの公園へと連れ込む。
「あー、あそこがいいな」
公園内では数人の小学生低学年くらいの子供たちが遊具で遊んでいたのでオレは公園内に設置されている公衆トイレの裏側へと移動する。
ここなら後ろは壁……誰にも見られる心配はないな。
「ど、どうしたのかなダイキ」
「なぁエマ、今日もノーパンだろ?」
「そ……そんなことないよ! 今日はちゃんとパンツ履いてるし!!」
「じゃあ見せてよ」
オレは目線をエマの下半身に合わせるようしゃがみこむ。
「え……なに言って……!」
「いいじゃんオレ小学生だしそういうのに興奮する思春期だし」
「だからパンツ履いてるって!」
「イェス! パンツ大好き!! だから見せてくれ!!」
「は……はぁ!? なんでダイキにパンツ見せないといけないわけ!?」
エマがスカートの上から手で押さえながら赤面。 オレを睨みつける。
「ほら、オレちゃんと反応するよ? 顔真っ赤にするよ?」
「だ、だからそういうのじゃないじゃない! こういうのは自然を装って見せるのがいいんであって……!」
「ん?」
「あっ……!」
くくくっ……自ら墓穴を掘るなんてなぁエマぁあああ!!!
「じゃあ自然にチラッとしてくれればいいぜ? はい、レッツチラリ!!」
「あーーもう!! エマの負け! 本当は履いてないの!! 許してよーー!!」
「でもエマってさ、17歳の時に亡くなって1年前にその身体に転移したんだろ?」
「ーー……うん」
「だったら今年でもう実質18歳じゃないかおめでとう! エッチなビデオにも出演出来るんだし見せても大丈夫! だから、はい、カモン!!!」
「あぁーーん!! エマ、こんな変態な小学生今まで見たことないよおおおお!!!!」
こうしてオレとエマの見せろ見せないの攻防戦はしばらく続き、結果……後日ちゃんとパンツを履いた日に見せてくれるということで話がついたのだった。
てかあれだな、今回のセクハラは見た目はロリJSにしてるんだけども中身はそこらへんがちゃんとわかっているJK……。
今までにない興奮を楽しませてもらったぜ。
その日の夜、オレはエマが目の前でスカートを捲ってパンツを見せてくれているシーンを妄想。
金髪美人の恥じらいながらのたくし上げ……実にすばら!!
まだ見せてもらってはいないがそのお礼にエマよ……除け者にされたつまらない休み時間をオレがプロデュースしてやろう。
オレは1人でニヤつきながら頷くと、スマートフォンを手にとり電源をオン。
とある人物に連絡を取ったのであった。
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