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亡都エリス①
愛する人に渡すのは、エリスの宝石。
そんな決まり文句を四大国の誰もが知っていた。
かつて宝石の都と呼ばれた国。
エリスの女性は、いつだって美しく煌びやかに飾られた。
そんな彼女たちは、いつだって世の女性の憧れ。
私も、私も、私も。
そうやって宝石は人の手から、人の手に渡る。
やがて、砂漠を戦争と血の混沌が包み込むと、
今度は宝石の代わりに彼女たちが売れるようになった。
私も、私も、私も。
そうやって彼女たちは人の手から、人の手へと。
宝石の都は、どの国よりも早く、砂塵に飲まれていった。
とりあえず次回冒頭用に。
多分毎回場面変わるごとにやります。
本編続きは明日出来れば、出来なければ火曜日