第4話 俺より仲間の方がぶっ壊れ能力だった件
俺は白と名乗る少女に助けられた後、なんだかんだあってギルド? の施設に行くことになった。
でも、その建物に近づくにつれてなんだか重そうな重装備をしている人たちが増えたような気がするんだが……なぜだろう?
~ギルド本部~
「ここがギルドか、それにしても広いなー」
「でしょ~ギルドはクエストを受けるのはもちろん、食事をしたりもできるよー」
ギルドはロビーだけで体育館の2倍ほどある巨大な建物だった。
建物内はものすごくにぎわっており、少し進んだだけでもその熱気が伝わってくるほどだ。
「ギルドっていうのは冒険者の人たちが所属してクエストを受けたりするでっかい組織みたいなものだよ」
白がざっくり説明してくれたが、よく見ると確かに強そうな人しかいないな……
中には女の人もいたがその人たちも身を守る防具やら剣などの装備を身に着けている、やはり冒険者用の施設のようだ。
「あそこでカードを発行するんだよ」
そういって白が指差したところは駅の受付のような場所だった。
そこには若い男の人や、荷物を背負ったおば……お姉さん、母親らしき人の手を握りはしゃいでいる男の子、バラバラの年齢の人たちが多くの列を作り並んでいる。
俺と白とグラスはその最後尾に付き、静かに順番がくるのを待つのだった。
「いらっしゃいませ、クエストの受付ですか?」
受付の人は20代くらいのきれいなお姉さんだった。
かなりのベテランらしく俺たちが並んでいたこの列は他の列よりも進みが早かった。
俺は内心、ラッキーと思いつつお姉さんの質問に答える。
「いえ、ギルドカードを発行したいのですが」
俺がそう言うとお姉さんは慣れた手つきで紙とペンを取り出し、スッと俺の目の前に差し出した。
「それでしたらこの紙にお名前と年齢をお書きください」
あれ? カードの発行ってこんなんでいいのか? もとの世界でポイントカードを作るよりも簡単だな。
俺がそんなことを考えているうちにお姉さんは何やら青い水晶のようなものを取り出した。
「できましたらこの水晶に手をかざしてください」
俺は言われるがままに水晶に手をかざす。
「これでいいですか?」
「はいそれではカードを発行いたします」
お姉さんがそういうと突然、水晶がひかりだしてちかくにあった白紙のカードに文字が浮かびあがっていく。
「これで完成です。ご登録ありがとうございました」
【 冒険者 】如月佑 年齢16
【 オリジナルスキル 】 スキルコピー、ガイド
【 スキル 】 なし
これがギルドカードか~、ん? このオリジナルスキルとスキルってなんだ?
俺が混乱していると受付のお姉さんがスキルについて教えてくれた。
「スキルというのはすべての人たちが成長とともに覚えるいわいる特殊能力のようなものです」
ほほーなるほど……って俺スキルないんですけど!?
まぁこの世界に来たばっかりだしそこはいいとしてこの唯一あるオリジナルスキルってなんだ?
「すみません、このオリジナルスキルってなんですか?」
俺はカードを見せながらお姉さんに質問してみた。
するとお姉さんはポカーンとした表情のまま動かなくなってしまった。
なんかやばいこと聞いちゃったかな?
「あの~大丈夫ですか?」
「す、すみませんオリジナルスキルを持っている人を見たのは久しぶりだったもので……それでオリジナルスキルについての質問でしたね。オリジナルスキルというのはごく少数の人だけが持つ特別なスキルなんです、ふつうのスキルが幾つかくっついて1つのオリジナルスキルになったり、ある1つの強力なスキルが単体でオリジナルスキルになったりします」
お姉さんめっちゃ焦ってるな……まぁそんだけ珍しいスキルってことなんだろうな……
それを俺は2つ持ってるってことか、えっ……俺って結構強くね?
俺が一人でそんなことを考えているといつの間にか白たちが隣にいた。
白は突然、横から俺の手にあるカードを覗き込むようにして見てきた。
「ふーんこれがタスクくんのスキルか~え……オリジナルスキルって……すごいじゃんタスクくん!」
「おおーホントだーオリジナルスキルもちなんてあるじ以外久しぶりにみたよ」
やはり2人も驚いてるみたいだ
「2人のギルドカードも見せてくれよ白たちはどんなスキルを持ってるんだ?」
俺がそういうと白がポケットからカードを取り出した
「はいどーぞ」
「ふーんどれどれ……」
白からカードを受け取り白のスキルの部分を見た途端俺はその場で言葉を失った
【 オナー 】 白 年齢14
【加護】 氷結竜王の加護
【オリジナルスキル】 無限再生、全属性耐性、状態異常無効、氷結、多重結界
【スキル】 回復魔法補助、氷魔法補助、
は? なんだよこのスキル……?
オリジナルスキルって結構レアなんだろ? なんで5つも持ってるんだよ!
隣を見ると白が「どうだ!」と言わんばかりのドヤ顔をしている。
「あるじの能力は本当におかしいからね……1つ欠点があるとすれば防御に特化しすぎて攻撃力がなさすぎるくらいかな?」
解説しているグラスの横で白は「そ、それは言っちゃダメでしょ~」とか言ってる。
確かに言われてみれば名前的に防御系のスキルしかないな……この無限再生ってスキルも多分攻撃じゃないし、強いて言えばこの氷結ってやつくらいか?
「なぁこの氷結ってスキルはなんなんだ?」
「ああ、これはボクの加護でついてるやつだからもともとのあるじのスキルじゃないよ」
加護ってこの氷結竜王の加護ってやつか、ふ~ん って……じゃあこいつ攻撃系のスキル1つもないじゃん……
俺が呆れた目で白を見ると何かを察したのか言い訳をし始めた。
「だってぼ、僕はサポート型だから! 攻撃ならグラスとタスクくんがやってくれるでしょ?」
おいおい丸投げかよ……俺だって攻撃できるかまだ分からないだろ……
ところで俺のこのスキルって一体なんなんだろ?
「このスキルコピーってのは大体想像がつくが……このガイドって一体なんなんだよ?」
俺的には独り言のはずだったんだが、その質問には意外な人物? が答えてくれた。
いや……人じゃないな……