まだ作らないの、ダンジョン?
日常回終わり?
《マスターマスター、いつになったらダンジョンを作るので?》
ここは宇宙のダンジョン……どこまでも広がる深淵たる暗闇に包まれたこの地に我ら二人。
「まだ早い……計画までまだだ」
《しかしですねぇー……あの、まじで期限切れますが》
「えっ?もうそんn………フッ。時は熟した…!我が野望はここから始まるのだ!フハハハハ!!フハハハハハハハ!」
《あくしろよ》
いや、そんな軽蔑した目で見ないで。
まあ、目ないけどさ。
でさ、どんなダンジョン作ればいいの?
ダンジョンってどうやって作るの?
ダンジョンってそもそも何?
《馬鹿ですか?ダンジョンバトルをしておきながら基本的なことを知らないなんて》
「いやぁーん、コアちゃん厳しいぃ…でも凄かわゆす」
《ケッ。しねばいいのに》
冗談だよ冗談。ねえ、早く教えろくださいよ。この蛍石やろう!!
《……ちっ、特別に教えてあげます。特別ですよ、特別価格1500円》
金取るのかよ、てか地味に高え。
《よーく、耳をかっぽじって?あれあってたっけ?まあ、いいです。
よく聞きなさい!ダンジョンとは何か凄い奴で、人間ぶっ殺生物で要はウツボカズラみたいなやつで、何かあれなんです。それで、罠とかモンスターとか用意して人間絶対殺すマンで殺したら強くなる。ダンジョンバトルでダンジョンを倒したら強くなる。って感じなんです。ここまではいい!?》
うん、抽象的すぎて分からん。まあ、いいか。それよりも……
「それよりもさ、"ウツボカズラ"じゃなくて"うぽつカズラ"じゃないの?」
《え?そうでしたっけ?ウツボ?ウポツ……ウポツ??あー、言われてみるとそうかもしれませんね。まあ、わざわざ揚げ足を取らなくてもいいと思いますけどっ!》
と言ったあともずっとウツボカズラ?ウポツカズラ?と呟き続けるコア。
ぷっ、馬鹿じゃねえの?"うぽつ"とかお前視聴者か、ばーかばーか!してやったり!
《ウポツ……あー、続きですが、ダンジョンを作るには詠唱が必要なのです。
ま、マスターの頭では暗記出来ないと思いますので空中にテキスト浮かべておいてあげますね。私優しい》
詠唱?マジかよ……ついにファンタジー要素きたぁぁぁぁ!!
いや、よかったついにファンタジー!
今まで契約書とかよくわからないテクノロジーで作られた蛍石みたいな形をしたコアとかどこまでも広がる宇宙とかゴブリンだかエイリアンだか分からん奴らとかSFかと思ってたけど、ファンタジーか。ファンタジー最高!!
ひゅー。
《ん?あれ……(詠唱とかする訳ないでしょ、馬鹿なのですかねコイツ。てか喜んでるしばーかばーか。ひひひ、詠唱マジでしたら笑える…ふひひひ)》
「え?なんか言った?」
《いや、ウツボカズラではなくてウポツカズラだったと思い出し自分の発言に恥ずかしんでいたのです》
マジかよ、マジで本当にウポツだと信じちゃったのかよ。
《そもそも、ウツボとかおかしいですよね。陸の植物で、見た目もウツボ感ないのにウツボとか。》
え?うんそうだね。
《今度ウツボカズラって言っている奴がいたら笑ってやりましょう》
う、うんそうだね。
《詠唱出しておきましたよ》
あ、はい。
「おちた天使 染め上げた黒
いかいより顕れよ我が刃
しを恐れるな 我が刃
くるしみを解き放ち 天を打ち砕け
なも無き同胞を救いたまえ
Iつになりて我に従え
れいになりても我が盾となれ
燃え尽きんとも守り通し
燃え尽きようとも不死鳥の如く顕れよ
きせきによって生まれ変わらん
ゆうかんであれ 我が僕
んだなぁ
"ダンジョンクリエイト!!"」
え?最後のいるの?"んだなぁ…"って。
急に田舎者感が。
ーーキュィイイイイイン!!!!
詠唱の余興に浸っていた僕は突然甲高い音とともに白い光に飲み込まれ……
《ダンジョンが制作されました》
「って紛らわしんだよ!死んだかと思ったじゃねえか!」
《ふふっ(マジで詠唱したよ。え、ふひひひ)》
コアちゃんマジ天使。なんだかんだ言ってかわゆす。何か笑ってくれたし。
読んでいただきありがとうございます。
ウポツカズラは間違っています。真に受けないでください。
ちなみにうぽつっていうのは動画サイトとかで見かける、動画UP乙(お疲れ様)の略です。
次回はダンジョンつくります!多分!