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宇宙のダンジョンは虚無すぎる〜モンスターも罠も配置できない欠陥ダンジョンをどうしろと!  作者: 雑草ノ魔王
ハロー ダンジョン。今日からダンジョンマスター
2/9

深読みしすぎて逆に頭良さそうに見えてくる

深読みしすぎて発想力が高いことがわかった。

お前天才だな……妄想の。


本は面白い。


僕は映像より本が好きだ。いかんせん映像は他者の思想が入りすぎる。


アニメより漫画が、映画より小説が好きだ。声優が悪いとは言わない、作画が嫌いとは言わない。ただ、もっと人間の見た目や声というのは千差万別である。

と考えてしまう僕には向いていない。


小説で奇妙な飛行物体が……と記されていても一重に同じものをイメージするとは限らない。その後に鋭利な針のような形状で表面は鏡のように煌めいていた……などと続けば別であろうが、小説を原作にした映像をみると正直がっかりする。


奇妙なと言っているにもかかわらず、大概のものは既存の飛行機などの型を踏襲したタイプであるなど、僕と監督とは決定的に考えが合わない。


僕であればハリケーンポテトのような形状出会ったり艶やかな12面体を思い浮かべる。


人によって捉え方が違うのが本の面白さであり、アニメやら映像などに図書室が侵略されるというのは許しがたい冒涜であると僕は考える。


3限の社会科のテストはつつなく終わり、ノートも返って来た僕は昼休みに学校の図書室へやって来た。

市の運営する図書館と比べて仕舞えば、小さいものだが学校には学校にしか無いような本が読めたりほぼ貸し切り状態で静かに読書ができるのがいい。


そんな御託を並べつつ図書室を散策した僕に司書は非常な結果を突きつけて来た。


「えー、ですから戦術論という本は貸し出し中でして」


「なんだって!あんな本だれが読むっていうんだ。あんな本、高校生が読む本ではないでしょうに」


だったらそれを借りようとするお前はなんなんだ、と言わんばかりに司書がジト目をしくる。


だが、クラスでの覇権の握り方、経営者のあり方が学べる君主論とは違い戦術論は1500年代のフィレンツェ共和国において騎兵が重視されていた現状に対し歩兵の重要性を説いた本なのだ。


歩兵が強かったローマ帝国時代の兵科の話を参考に書かれた本であり正直現代人が読んでも役に立つ要素はあまりない。

せいぜい防衛大学にでも受けない限りは読む必要は感じさせられない本だ。


そもそも高校といえど、学校の図書室に戦術論なる物騒な本が置いてあったのが驚きである。

それ以上の驚きがそんな本をだれかが図書室で読むわけでもなくわざわざ借りて読んでいるという点である。


「図解 漫画でわかる戦術論ならございますが」


図解と書かれた本は嫌いだ。

あれは解説本だが内容を端折りすぎているとおもう。


「結構です、それより借りている君主論の期間延長ってできますか?」


「あ、はい可能です」


なんだあいつ、あんな本期間延長してまで読むなんてみたいな顔をされたが、国立の図書館の司書ではなく、小さな町の一学校の図書室の司書に甘んじるような人間にはわからんのだろう。


向上心がないし、何かを学ぼうとする意欲もない。あんな人間にはなりたくないと思うばかりだ。


近くにいたら向上心のない性格が移りそうだと考えつくも、ここ以上に本をゆっくり読める場所がないのも事実。


仕方ないので、図書室の勉強コーナーと書かれたスペースに腰を下ろし本のページをめくる。


「……どこまで読んだっけな」


確か第20章の分断工作についての話だったような。


パラパラとページをめくり読んだ場所をさがしていると不意に校庭が気になった。


窓の外から聞こえる"きゃーきゃー"鳴き声が喧しい。

しかし、そういえば運動会開催まで後少しだったことを思い出した。

それならば、この騒ぎようも仕方あるまい。


君主たるもの舐められてはならぬわけでいくら勉強が出来ても運動会で悪い成績を取って仕舞えば僕の作ったグループから人が離れていってしまうだろう。

本当はこんな時期はグループのメンバーと共に運動会に向けて野外演習に打ち込むのが良いのだろうが顔面偏差値で女子を垂らし込む悪徳非道の屑な香川に勝つためには、君主論をよく読んで僕が絶対たる君主としてるあり方を示さなければならない。


もとより運動会で勝てないのはわかりきったことだ。

ならば秋の文化祭で香川よりも高い指揮能力を見せつけクラスの覇権を手に入れに行くのが有効であるとみた。


外の蒸し暑さとはうって変わり図書室は実に快適だ。寒すぎず暑くない。


ポカポカとした室内は実に長時間本を読むのに向いている。しかし、眠くもなるというもの。


昨晩、アマゾンプ○イムの100円セールに負け夜更かしして指輪を探す物語の映画を見たのがよくなかったのか。


こうなるまで気づかなかったが、ア○ゾンはアメリカの会社。

となれば傀儡にしたとはいえ潜在的敵国になる可能性もある日本の経済的能力を削ぐためセールで日本人を寝不足にするつもりだったのかも知れん。


全くやってくれる……眠くて仕方がない。


「…………」


しかし、僕はそんなものに負けるわけにはいかない。運動会の演習に参加せず本を読んでいるのだ、これで文化祭までうまくいかなければ、香川に草一本残さず全て奪われるに決まっている。


ここで眠れない。


そう必至に目を開き本に目を通すも、何を読んでいるかわからなくなり、視界がぼやけて意識を失った。






目は開いていた。


ところがあたりは真っ暗で何もない。


それどころか僕の体はふわふわと浮いているようでありながら何かの力によって遮られているような感じがした。


寒い。


きっと寝てしまったのだろう。


寒いのも汗で濡れたシャツがクーラーによって冷やされ気化熱で体温を奪ったのだろう。


眼を開けても暗いというのは自分が寝ているからであり、頭は起きているという夢を見ながらも体は寝ているのだ。無理もない朝4時まで映画をみて朝7時に起きたのだ。


そういえば、看護師はナースコールで変な時間に起こされるせいで金縛りになったり痙攣したりするらしい。

それに起きていても目が見えないのは貧血による症状だという話を医学書で読んだことがある。


最初は少し慣れない夢に嫌な感じがしていたこの空間も慣れれば水の中で潜水しているような感覚が面白く思えてくる。


目が覚めるまでここでふわふわしていてもいいような気もするがせっかくの面白い夢だ、散策してみるのも悪くない。


手を伸ばすと姿は見えずとも何かに当たった感じかした。

きっと現実世界では椅子か机か本でも触っているのだろう。


それにしても寒いな。

どんどん寒くなっている。

クーラー効き過ぎじゃないか?


早く夢から覚めてくれないと凍死する前に腹が冷えて漏らしてしまうかも知れない。凍死しかけるのはいいが漏らすのはまずい。一生漏らした男とし(サガ)を背負うことになるのは勘弁だ。


手を伸ばし足を蹴る。


「ーーーーーー」


お、おお!?なんか進んだような感じがしたな。

声が出ない、もしくは聞こえないのは夢だから。頰をつねっても痛いの夢という空間で起こる脳の錯覚だ。


頰をつねって痛かったら現実などと考える連中はにわか知識過ぎて笑えてくる。



「ーーーーーーーー」


目がだんだんなれて来たのか果てしなく続く紺色の空間と灰色の何かが僕と同じようにふわふわと浮かんでいるのが見えた。


一見、煙かと思い掴んで寄せてみればボコボコとした触り心地で匂いは特にしない。しかも硬く冷たい。


目の前に浮かんでいた大きな灰色がゆっくり移動してそこからキラリとした何かが飛び込んできた。光だ。


手元にスマホがあったならばきさらぎ駅のように掲示板に書き込んでやりたいがないなら仕方がない。

眩しい光が目に刺さる。それを遮るように手を伸ばすと手に握られた石が目に入って来た。


そういえば、灰色の何かを掴んでいたが石とは。

ということは周りに浮かぶ沢山の灰色のものは岩や石なんだろうか。


一体どういう夢なんだろうか。


マキュベリの本を読んでいたのだから、夢は君主になって人民を統治するような内容だったら良かったのに、と思わなくもない。


それよりも光だ。


気になるのもそうだし、漏らしそうだ。


古今東西、夢は光に近づけば冷めるものらしい。ならば光に近づいて腹を壊す前に目覚めるとしよう。


石をかき分けるように、暗闇の中を進む。光は近くにありそうで案外遠く、それでいて上手く前に進まない。


浮遊する石も邪魔でたまらない。


最初はただ何かに反射したように白く見えていた光も近くに連れ青く輝くのが見て取れた。

それが菱形の何かで不自然に青く発光しているのが、不気味で美しい。


少し恐ろしさを感じながらも手に入れたい不思議な魅力に誘われ手を伸ばす。

今まで漂っていた石が退くように離れて行く。


あと少し。



指先が輝く何かの表面に触れた瞬間、目がおかしくなりそうな程の光量を出して何も見えなくなった。

そして体を突き刺すような痛みが走ったと思えば、ぼんやりとした意識を持つ何かが自分の体に入ってきたような感じがした。


目は見えぬというのに頭の中に青と緑に発光する文字が流れて行く。それを見ているうちに気持ちが悪くなってきて吐きそうになるも、現実でも吐くかも知れない。


もし学校で吐いたらゲロ男やらゲロリン等の非道な名前をつけられていじめられるに違いない。そんな恐怖にかられこみ上げる吐き気を抑え込んでいるうちにやがて少しずつ収まっていった。

視力も戻りつつあり、変な文字は見えなくなって行く。


だが気持ち悪さが収まりつつあると言うのに今度は聞いたことのない言語らしきものが頭の中から聞こえて来た。


嫌な汗が吹き出し着心地が悪い。

ああ、きっと体調不良だ。耳鳴りに吐き気、夢から覚めたら早退して病院に行こう。勉強はいつでもできるけど体は一つしかない大切なものだし、しっかり休んで状態を整えるのもいい。


聞いたこともない言語は次第にいくつかの声に聞こえて来た。


相変わらずよくわからない言語が一番大きく、そのほかは英語や日本語、ラテン語にドイツ語と知っている言語で何やら話しているのがわかる。


だがそれはガヤのような聞き取りづらい話し声のようで、音が混ざり合って所々しか聞こえてこない。



《生**のEne**ngel存在Nを63確認》


《*い体を解*中/oul・・・識別番号L48-p46****780*/》


《Nullam induダンジ***ia aedi**care e lab**nthis 破壊temet e**刋****》


酷いノイズであまり聞き取れないが神経を集中させて聞いてみれば何かが破壊されていてエネルギーが足らないようなことを言っている。


僕が触ったことでキラキラしている目の前の物体が起動したような感じもするし、光っていたのだから元々起動していて触ったことか近づいたせいでこの警告のようなメッセージが聞こえるようになったと見ていいだろう。


夢が目覚めないのならばこちらは全力でまか不思議な夢を楽しむまで。


《エネノレ=き"ィGaフ則してぃま。す》


エネルギーが不足?少し聞き取りやすくなったな。

なんのエネルギーなんだ?

一見みたところUSBや充電コードが刺せそうな穴はない。もしかすると電磁波の力で充電するタイプなのだろう。


そもそもエネルギーがないというなら警告を鳴らさない方がいいような気もするのだが、いやどう見ても目の前の物体が電化製品には見えない。


《コア……起動gァデキませんでした》


コアがなんなのか知らないが、目の前にあるきらめく何かは蛍石のような半透明のエメラルドグリーンで光っているというのも鉱石の内部の話ではなく周りが不自然に発光している。


蛍石もブラックライトで発光するので目の前のきらめく何かを暫定的に蛍石(仮)とするが、これの何にエネルギーが必要になるのか意味がわからない。

周りは石ばかりでどう見てもこれ以外ないがもしかしたら、石は僕がふわふわと浮かんでいるのは、そのエネルギーとやらを使っているのかも知れない。


エネルギーってなんなのさ。

元気でもあげればいいのか?それともなんだ?ゲーム廃人みたいにエナジードリンクでもかければいいのかな?


僕がエネルギーをあげてもいいけど、どうやってあげればいいのだろうか……。


《-ダンジョンマスターの認証に成功しました》


不意にそんな声が聞こえて来た。


男女増田?増田くんと増田さんみたいな?

ちょっと何を言ってんのかわからないな。


まじめに考えてみよう。

まずコアとは中心や核のことだ。核は核兵器の核ではなく地球の核の意味だ。つまり何かの中心。それがエネルギー不足で僕がエネルギーを与えられないか探っていたところを"なんちゃら"マスターの認証に成功したみたいなことを言った。

ようは、この蛍石(コア)の所有者として認証されたってことなんじゃないか?


だから何?って感じだけど、たしかダンジョンって言ったよね。


たしかラテン語で城の地下室とか地下牢を指した筈だ。

どう見ても地下には見えないが、夢の中の話だし地下世界みたいな分類だったり、巨大な地下洞窟にある不思議な石みたいな分類なのかもしれない。



それの所有者に認められたというのは、冒険が始まりそうな楽しい感じがするが、相変わらず僕の体調は悪いままだった。



本来ならこの話でダンジョンマスターになっていますが、改正したのでまだまだ先になります。内容は変わりません。

少しずつ直しているので、次回はまだ原作のまま載せてあります。見ても大丈夫ですが多分話がわからないと思います

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