~料理編2~
夕日が沈み、外はすっかり暗くなった。そして朱音が肉じゃがを作り終わり、朱音と真と二人で晩飯を食っている。
「先輩どうですか!おいしいでしょ!私も作れるんですよ!」
「たしかにうまいな...。でもなんか少し味付けが違うな...。」
「先輩よくわかりましたね!隠し味何かわかりますか?」
「う~ん。朱音が使いそうな調味料...。『ケチャップ』か?」
「...えっ。なんでわかったんですか?友達とかに食べてもらっても最初わからないから結構自信あっ たんですけど、ちょっと悔しいです。」
「...まぁ、そういうこともあるよ。そんなに気にすんな。」
「...はい、そうですね。わかる人にはわかるんですね。」
「そうそう...。なぁ朱音、その隠し味入りの肉じゃがの作り方を教えてくれないか?」
「まぁ先輩には隠し味当てられましたからね。いいですよ。今度智海先輩たちも誘って料理会しますか?」
「おう、その時よろしく頼むな。」
そういって真は朱音の頭を撫でる。
「...って先輩!いきなり撫でるなんてびっくりするじゃないですか!!!」
「ん?あぁ、悪い悪い。すまんな。」
「...ったく、恥ずかしくて顔見れないじゃないですか...。」
「ん?なんて言ったんだ?声が小さくて聞き取れなかったんだが。」
「なんも言ってないですよ!私皿洗ってきますっっ!!」
朱音はそそくさと食器を手に取り、キッチンへと向かっていった。
『う~ん...。それにしてもなんで今さっき朱音は怒ったのだろうか...?うーむ...やっぱり女子と 接するのは難しいな...。今度から気を付けよう...。』
『それにしても急に先輩が撫でてくるなんて...。一体何考えてるんだろ..。先輩ってもしかして... いやいやいや!先輩に限ってそれはないないない!うん!きっと勘違い勘違い!』
朱音は食器を洗い終え、帰る支度をしていた。
「先輩、そろそろ帰らないと親が心配するのでそろそろ帰りますね。」
「あ、もうそんな時間か。もう遅いし泊まっていくか?」
「いや、いいですよ。先輩に迷惑かかりますし...。」
「そんなことないよ。今さっき晩飯作ってもらったし、そのお返しってことで。」
「いやいや、別にいいですよ!私が勝手に作ったんですから!それじゃッ!」
朱音が家を出るが外が雨降っていた。
「あ...。」
「あ~。雨降ってきたか....。朱音傘持ってきてるか?」
「いえ、私てっきり明日の昼前に降ると思ってて傘持ってきてないんですよ...。」
「う~ん、こんな時間だし気にすんなよ。親に電話で帰れそうにないって伝えてみれば...?」
「...わかりました。一応親に電話して迎えにこれそうにないか聞いて無理そうなら泊まらせてもらっ てもいいですか?」
「あぁ、いいよ。」
「んじゃ、一回親に電話してきます。」
プルルルル。プルルルル。....。
「...。...。電話に出ないですね。まぁこんな時間だから寝てそうですね..。」
「そっか...。」
「親には一応メールで送っておきます。というわけで急ではありますが泊めさせてもらっていいです か?」
「あぁいいよ。あ、でも服ねぇや...。ジャージとかでいいか?」
「あ、先輩服貸してくれるんですね(笑)てっきり貸してくれないかと思いました!」
「俺はそんな人でなしじゃねぇよ!とりあえず風呂どうする?朱音先に入るか?」
「いや、いいですよ、明日の朝に家で風呂入りますから。」
「わかった。んじゃ、俺風呂入ってくるから朱音リビングでくつろいでいてくれ。」
「わかりました。ちなみにジャージ先に貸してもらえませんか?さすがにずっと制服だとしわになりそ うなので。」
「わかった、ちょっと待っていてくれ。」
朱音はリビングで真を待ち、真は自分の部屋にジャージを取りに行った。
『はぁあぁぁぁぁッ...。びっくりしたぁぁぁぁ...。まさか先輩の家に急遽泊まることになるなんて...。てかお母さんからまだ連絡きてないや...。いつもならまだこの時間は起きてるはずなのに...。お酒でも飲んで寝たかな...。』
「なぁ、朱音。このサイズしかなかったけど大丈夫か?」
「...え。あぁ、大丈夫ですよ。ありがとうございます。」
「んじゃ、俺風呂入ってくるから適当にテレビでも見ててくれ。」
真は風呂に行き、朱音はリビングでテレビを見ることにした。