~料理編1~
スーパーを後にした真と朱音は、二人で一度朱音の家に行くことにした。
「それにしても朱音が飯が作れるとはな~。やっぱ今考えても想像ができないわ。」
「先輩、今の発言他の女子には言わないほうがいいですよ!私だからまだいいですけど。」
「まぁそれはないな。そんなに話す人がいないから大丈夫だよ。」
「ムムム...。それはそれで何か腹が立ちますねッ!!」
そういいながら朱音は自分のバックを真の背中にめがけてぶつけた。
「いってぇ!おまっ!」
「先輩が悪いんですよ!少しは女の子の気持ちもわかりましょうね!あ、そろそろ私の家につきますよ~」
朱音はそそくさに自分の家の玄関の前に立った。
「んじゃ、私家で準備してくるんで先輩は少し待っててくださいね。」
「おう、わかった。」
「ふぅ~、それにしても朱音が料理できるとは知らなかったなぁ...。」
「...てやば...こんな...ところで...」
夢の中には真の部屋で朱音と真が肉じゃがを食っていた。
「先輩どうですか!おいしいでしょ!私も作れるんですよ!」
「たしかにうまいな...。でもなんか少し味付けが違うな...。」
「先輩よくわかりましたね!隠し味何かわかりますか?」
「う~ん..。わからないな...。無難に醤油じゃないもんな...。」
「ふっふっふ...。正解は...『ケチャップ』でした!やっぱりわからないんですね~」
「へぇ~。全然わからなかった...。それにしてもこんなにまろやかになるんだな。知らなかった。」
「先輩も料理の勉強がてら模索しながら作るのも楽しいですよ。」
「そうだな、考えながらやるのもいいかもしれないな。」
「はい!」
「あ、今さっきの隠し味の『ケチャップ』を使った肉じゃがの作り方を教えてくれよ」
「いいですよ!今度一緒に料理会でもしましょうか!」
「...輩...せんぱい...先輩!こんなところでなんで寝てるんですか!」
「...ぁ、ぁあ、すまん、少し眠くなってな。」
「大丈夫ですか?今日やめときいますか?私は後日でも大丈夫ですけど...」
「いや、大丈夫、ちょっと寝たら元気が出た。」
「...そうですか?それならいいですけど...。」
「あぁ、んじゃいくか。寝て起きたら腹が減ってきた。」
「そうですね、んじゃ行きましょう先輩!」
そうして、真と朱音は真の家に向かっていった。
「ここが俺の部屋だよ、まぁ狭いけどゆっくりしていってくれ。」
「へぇ、ここが先輩の部屋なんですね...。てか随分と殺風景ですね...。」
「まぁ一人暮らしだからこんなもんだろ。ってそんなことはどうでもいいだろ!ほら、晩飯作ってくれるんだろ?」
「そうですね、ささっと作って先輩に私が料理が出来ることを証明しましょう!」
「はいはい、わかったわかった。宜しく頼むよ。」
「んじゃ、キッチン使わせてもらいますね。」
そう言って朱音はキッチンに向かっていった。
「それにしてもお前のエプロン姿ってなんか違和感あるな。心なしか朱音が可愛く見えるよ。」
「...///。先輩!そういうのは面と向かって言わないでください!恥ずかしぃじゃないですか!。」
「いや、普通に思ったこと言っただけじゃないか..。」
「もうわかりましたから!先輩はソファで待っててください!」
真は朱音に背中を押され、ソファに座った。
「ふぅ...。なんか久々に誰かに飯作ってもらうな...。」
「そうなんですか?てっきり誰かと料理を教えてもらいながら食べてると思いましたよ。」
「まぁ、最初は智海に教えてもらいながらやってたけど、なんかずっと教えてもらうのは迷惑だなと 思ってな。三回目くらいで一人で勉強しながらやるからいいって言って断ったんだ。」
「へぇ~、そうだったんですね。まぁ、智海先輩なら料理教えるの上手そうですよね。先輩を教えると なると結構根気がいりそうですよね。」
「うるせぇっ!これでも結構頑張ってるんだよ!」
「わかってますよ。キッチンとかフライパンをみたら結構使ってるんだなってわかりますよ。」
「なんか朱音から言われると嘘っぽく感じるな。(笑)」
「なんでですか!それ言われると結構傷つきますよ!」
「嘘だよ(笑)。なんかそう言われることがなくてな。ありがとよ。」
「...。別にいいですよ!分かれば!...ったく先輩はいつも不意に言ってくる...。」
「ん?最後のほう聞き取れなかったけど、何て言ったんだ?」
「別に何も言ってないですよー!私そろそろ料理に集中するので話しかけないでくださいね!」
「わかったわかった。んじゃちょいゲームしとくから終わったら教えてくれ。」
そういって真はゲームを、朱音は料理に集中していった。