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プロローグ
分からない、分からない、
自分はなんで今ココニイルノ、、
〜プロローグ〜
────あぁ、気味が悪い、、、このデバイスも、この肉体も、、、
そう呟き、彼女はデバイスを振りかざした。彼女の呟きはその隣にいる黄金色の髪の少年にしか聞こえなかっただろう。
目の前には50体以上のモンスターと、それを操っているだろうフードをかぶった男が1人。今にも襲いかかろうとしているモンスターたちは殺気溢れた表情でこちらを見つめている。
"めんどくさいわね"
彼女はまた呟いた。そして大きくデバイスを振りかざし、地を二つに分裂した。隣の彼はそれを何事もないように見つめる。フードの男はさすがに怖気づき咄嗟に逃げたようだ。
あたり一面に広がる赤い鮮血。それはこの世の中の残酷さを表すようでひどく醜かった。彼女は隣の彼に言った。
「さぁ、帰ろっか。"シオン"」