表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/234

5


「ぎゃあああああああああああっ!!!」


堪らず悲鳴を上げた明崎の耳に、ぎょっとしたような「うるせっ」という声が聞こえた。

その声で、ピタリと悲鳴を止めた明崎。


「え、あ、え……え?」


半泣きの状態で、恐る恐る隣を見遣る。

と──


「……あれ?」


今し方まで死んでいたはずの須藤が、何故か身体を起こしてこっちを見ていた。

明崎は唖然として、須藤の顔を凝視した。


「何で……?」

「いや、気づけ。ガチで救急車呼ぼうとしてんじゃねぇよ」

「嘘、待って。……死んどったんちゃうの?」

「勝手に殺すな」


須藤は頭から血を流しているはずなのに、何故かピンピンしている。

事態がさっぱり飲み込めない。

そんな明崎の耳に、何処からか「ぶはっ」と誰かの笑う声が聞こえた。

方角的には、明崎と笠原の部屋がある方だ。


「ぶ、くくく……」

「はははっ……!」

「おーい、行くぞ〜」

「鳥潟、料理運ぶのを手伝ってくれるか」

「うん」


ちらほらと話し声がした後、やはり襖の開く音がして、賑やかに何人かがドヤドヤ出てきた。


「明崎ーお疲れ!おめでとうー」

「関西人面白いっ……やばいっ……!」

「あはははははっ……ははっ……!」

「いつまで笑っているのだ、アンタら……」


上から、まず明崎の傍にやってきた笑顔の柳田と、爆笑しながらよろよろ出てきた奏女王と霧ケ原、そして呆れたように奏達を見ながら居間の電気を点けた笠原。

鳥潟も居る。

明崎はポカンとしたまま、彼らを眺めた。


「……何?これ」

「ドッキリ」

「はっ?」


何食わぬ顔でそう答えた須藤は、明かりを点けてもやっぱり青白い肌をしていて、頭から血を流している。

……よくよく見ていたら、それは特殊メイクだということに気づいた。


「誕生日おめでとう」


ニヤッと悪戯っぽく笑った須藤に、すっかり失念していた言葉を掛けられた。

周りも次々に「おめでとう」と声を掛けて、ぞろぞろと居間を出て2階に上がっていく。

……驚かされっぱなしだった明崎は、そこで漸く我に返った。

そして「やれやれ〜」と立ち上がって最後に出て行こうとする須藤の背中に向かって、明崎は堪らず叫んだ。


「ふ……普通に祝われへんのかボケェーーッ!!」

「はっはっはっはっ」


それすらも須藤に笑ってあしらわれてしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ