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Beelze 学生異能戦記  作者: 芥川りゅうくん
宿泊研修編
4/8

正夢

「え?あ、そうか!あぁそういうことか」


翔駒は夢だと確信して、頬をつねったり自分にビンタしたりしてみるが痛覚がしっかりと機能している。


「無駄だよ。僕の能力の範囲内で目覚めることはできない」


「え、あれ…?」


「僕の『正夢』によると、明日遂に公に公表されるらしいね。」

「今にわかる。全世界が震撼するのを楽しみに待っているといいよ」


「え?夢じゃない?お前…は?」


「あとさ、名前は先に伝えておくね。」

「雲原宗吉。MBTIは…


視界が急にぼやけていく。



「うわぁぁあっ!」


翔駒は滝汗をかいていた。

確実に夢ではない感覚に、体は恐怖を覚えていた。


(なんだったんだ??)

(一旦忘れよう)


床に散らばった雑誌をどかして、おそるおそる部屋のドアを開ける。


「翔駒!二日目で遅刻したらお姉ちゃん泣くぞ!」


「うおごめん!!」


最速で着替え、バスに乗り、登校する。

下車する際に、プレイリストを聴いていないことに気付いた。


「おはよーう」


天童がドアにぶら下がり、猿のようにしなやかな動きで着地する。


「健康診断っていつ?」


「もうすぐだと思うけど」

「まぁ1時限目くらいだろ」


「え、1時限目っつった?今」

天童は何が面白いのか突然笑い出した。


「はいはい1時間目」


不機嫌になった翔駒は、そのまま自席に戻り英語の参考書と赤シートで自習する。

突然ドアがピシャリと開く。


「遅刻はペナルティに入るか…?」


「ガッツリ入るよ」


雅が息を切らしながら自席に歩いていく。

その後に続くように小田が頭を掻きながら教室に入る。


「遅刻が多すぎます…志を高く持ってください」

「健康診断行きます!多くは語りません。出席番号順に呼ばれますのでよろしくお願いします」

「はい自習!!集中して!私語は私がいる時は禁止です!!」


程なくして、翔駒の番となり小田が呼びに来た。

一階の保健室に向かうため階段を降りる道中、緑川とバッタリ出会う。


「あ、昨日ホンマに楽しかったな!あんがとさん」


「また今度鍋パとかしような」


「うぃ!」


他愛もない会話を済ませて、保健室に辿り着いた。

長蛇の列に並び、雅が保健室を出たタイミングを見計らって仕切りを潜る。


「はいじゃあ聴診器当てますからね、はいそしたら少しだけ服を脱いでください」


担当は60代の女性だった。言われるがまま、シャツを捲し上げる。

その後も淡々と検査を受け、保健室から出ようとしたその時。

パーテーションの隙間から、翔駒の後から来た茜の胸元が見え隠れした。

初めて見る同級生の乳房に、見てはいけないものを見た背徳感を抱えて廊下に出る。


教室に戻ってからも、気を紛らわすように参考書に取って代えるように単語帳を開く。

教室内を巡回していた小田は、誰も数学を勉強していないことに気付く。


「あのねぇ…」

「私がいる時くらい数学をやってくれたっていいじゃないですか…」


返事はない。


「はぁ…ちゃんと勉強が出来るというのなら、机をくっつけることを許可しましょう」

「あ、なるべく少人数で声は小さめにしてくださいね!!あくまで勉強ですから」


検査を終えた茜はちょうど小田のその言葉を聞き、目を輝かせて机を翔駒の横にくっつけた。

いつ仲良くなったのか、はたまた幼馴染なのか、茜は倉田太を連れていた。


「あ、榊さんですよね!あの、お話は伺っております!」


「俺の話…?なんて言われてた?」


「行動ひとつひとつが面白いみたいな感じのこと…ですかね」


「なんだそれ」

翔駒は苦笑する。少なからず友人なのだしもう少しマシなことを言われているのを期待していた。

とはいえ、先程の件もあってか茜と目を合わせるのが恥ずかしく感じるのも事実だ。


「榊さん結構いい筋肉してますね〜!」


「わかる、アタシもそれ思ったよ」


「僕、自己紹介でボーイスカウトやってるって言ってたじゃないですか!」

「そこの隊長、日本に帰化したアメリカ人の方なんですよ!僕太ってるからかそりゃ気に入られちゃいまして」


一瞬理解できなかったが、昔なんかしらの統計で見たアメリカ人の肥満度が高いという話を思い出して素で声が出る。


「ハハハハ」


「今度の水曜日とか、活動してるから見学ぜひ来てほしいです!」


「えー!水曜日はダメだよアタシが4人でカフェ行く約束してんだから」


「あの…お二人はどういった関係で…?」


「ん?あぁ生花教室で知り合ったの。」

「その時、和服のマークさんっていうくらっちのお師匠さんみたいな人が来ててね!」

「なんかめっちゃかっこよかったよ〜」


「はい、マークさんは凄い厳格なお方なんですよ!」

「義理堅くて、冗談も面白いです!僕のこのセンスあるジョークも彼譲りかもしれないですね」


「てかさ、くらっちかわちいよね!」

「かわちくない?」


倉田は茜に頬を擦り付けられたり、スキンシップをされ始める。


「ちょ、過剰ですよ!」


「うりー」


(俺は何を見せられているんだ…)

しかし、翔駒が倉田に興味を抱いているのも否定できない。

翔駒は思い切って彼等に提案する。


「今度の水曜日の件…倉田くんも来ればいいんじゃないかな」


「え…翔駒天才じゃん!!」


「ちょ、悪いですよ!僕なんてお邪魔になりますし、僕がいない方がきっと価値あるというか…」


「俺は別に楽しければなんでもいいからさ、まぁそういうことで、どう?」


「…まぁ翔駒さんがいいなら、いいですけど…」


契約が成立した。脳内のスケジュール表に新しく必要事項を書き加える。


その後の授業はあっという間だった。


2時間目


「ですが、ここは三角関数を使えば…」


「なぁ、小田先生脱線しすぎじゃね…?」


「熱があるのはいいんだけどな…」


「そこ、コソコソ話とは感心しませんね」

「また天童くんと翔駒くんですか!もうそこ距離離しますよ」


「ああっ、すみませんホンマ!」


そして、他にも様々な先生の授業を受けた。


3時間目


「改めまして僕は瓜谷 業と言います」


「随分爽やかな先生だなー」


「でも目の下のクマが凄いよ」

「身長は小さめなんだね」


生徒の話し声に瓜谷が気付く。


「君たち、あまりうるさくすると酷いよ」


「うるさくしたら何するんですか?」


「フフフ…知りたいかい?」


そう言うと瓜谷は突然パソコンとモニターを接続して、不気味な笑みを浮かべて袖をまくりキーボードを弄り始めた。

何をするかと思えば、突然グロ画像がモニターに写し出される。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


「フフフ…フハハハハ!僕のこれまで解剖してきた愛しのベイビー達の臓物を、とくと見るがいい!」

「生意気にも僕の授業中に無駄話をした罰だ!泣いても許さんぞ!ウヒヒヒヒ!!」


4時間目


「英語っちゅうもんはビートルズを聴けば大体わかる。」

「お前らみたいなペーペーは洋楽の和訳を聴いて満足しとるんやろ?聴くだけちゃう。覚えろ。体に刻み込め。」


「あのサングラスのおっさんまだ変な話してるよ…」

「黒で変な絵ついてるTシャツ着てるし、なんか髪結んでるし…」

「大野天助だっけ?名前」


「かくいうワシはエアロスミスをずっと聴いちょるんやけどな…」


放課後


「いやーやっと終わったよ…意外と長いもんだな」


「そうか?一瞬に感じたけど」


天童は疲れた様子で汚い地面に大の字で寝そべる。


「どいて!粗大ゴミに出しちゃうよ」


「ぐわっ!ひでえ!」


戸部が他の女子と並走しながらノールックで箒を使い天童の顔をはたく。


「なぁ…俺、言っていいか。」


「うお、どうしたそんな真剣な顔して」

神妙な面持ちで翔駒の瞳をハッキリと見つめる。


「パンツ見えた」


「はぁ?」


「今見えた!黒色やった〜黒色やった〜パンツの色は黒色でした〜」


「お前さ…そういうところ直したらモテると思うんだけどなぁ」


「まじ?」


「うん。」


「てか、俺茜たんに誘われちゃったんだよね。水曜日。」


「あ?!まだ誘うのあの人」


「イケメン研修ってことで、バッチリ俺のこと扱いてくれや」


天童は箒を持ち直して掃除に戻る。

翔駒は水曜日のカフェに来た時を想像し、絶対に場違いになると確信する。

心配だ…そもそもどんなカフェに行くつもりなんだろう。共通の話題もほとんどない。

そうだ。翔駒は思った。


(茜が他の人を誘うなら、俺ももっと他の人を誘っても咎められることはないよな…?)


翔駒は思いついたように階段を降って帰ろうとしていた雅の方向へ走り出す。


「…翔駒か」


「雅!水曜日空いてる?」


「ん?あぁ…」


「そしたら連絡先交換しようぜ!詳しくは家帰った後話すわ」


「よくわからないが…わかった」


翔駒は連絡先を交換し、教室に戻る。


(後は誰か…いるか?)


視界にチリトリを持って隅で縮こまっている優希が映り込む。


「間宮くんだよね?」


「あぁ…はい。そうです」


突然話しかけられたことに驚いたのか、顎を引いて距離を取っている。


「今度、大人数で遊ぶ予定があるんだけど」

「優希くんもできたら来れるかなって…」


「俺…?え、俺…?」


「うん。トレカ、好きなんだよね。話できる相手も欲しいし、俺も友達もっと作りたいからさ」


翔駒は本心を捻り出してなるべくクリアにして吐き出す。


「いや…俺なんているだけでシラけるし…」

「あぁ、もしかして…ドッキリ…とか?」


段々声が小さくなり、前を見据えていた瞳が下を向く。


「んなわけないでしょ。俺さ、アソビキングの大会出たことあるんだよね」


アソビキングというトレカ界のビッグタイトルの名を聞いた優希の俯いていた顔が勢いよく前を向き直した。


「え…それって?」


想像以上の食いつきに興が乗ってきた翔駒は、トークを続ける。


「Jチャンピオンシップ。でも初戦敗退しちゃってさ」


「デッキ、何使ってたんですか」


疑り深く相手の動向を探るように、舐め回すように翔駒に向けた視線をコントロールする。


「バンディットスライムデッキ。緑属性で賭けに出たんだけど、相手が赤単で…属性相性で負けちゃったよ」


「バンディットスライム…毎ターンライフが分裂して増殖する特性持ちですよね!」


「そうそう!俺もさぁ赤は呪文枠で対策したんだけどなぁ…」


その後、数十分の間オタクトークに勤しんだ。


「それで…水曜日来れる?」


「あ…!い、い」

「行きます…」


「よっしゃー!そしたら連絡先交換しよう」


翔駒はやり切った気分で帰宅し、猛スピードで着替える。


「…は?」


バスを降りると、団地の前に一際異色を放つ車が駐車してあった。


「お前おせえよ!もう出発するぜ!」


後部座席の窓から天童が覗いてくる。


「翔駒さんが呼んでた雅さんと優希さん…はもう行っちゃいましたよ!」

「ささ、早く乗ってください!」


「これは…?」


「ねえねえ!天童くんがね、アタシらのために車用意してくれたんだよ!」


「そのとおり」


運転席に見知らぬ大人が座っている。

その大人は白髪ポニーテールで、彼女はこちらを向いて言葉を発した。


「え…?誰?」


「え?私が呼んだ人だけど…親戚なの」


ちゃっかりもう1人呼んでいた。


「おい!せっかく俺の86に乗せてやるつってんだから勿体ぶらずに早く乗れ!」


「お、おいごめん!」


車内はぎゅうぎゅう詰めだった。

運転席の隣に天童、後部座席に右から翔駒、倉田、茜が乗っていた。


「そういや由美さんとケーコさんは…?」


「先に雅くん達とカフェに居ると思うよ」


「そっか…てか狭いな」


「当たり前ですよ!僕を誘ったことを後悔するんですね」


倉田がわざとらしく顔を顰めてそう言った。

天童は鼻で笑い、運転手に出発の合図を出した。


「オーケー、シートベルトちゃんと締めた?!じゃあいくよ!」


車が発進する。


「申し遅れたね、私は佐賀 鵺子。よろしく」

「キミのことはもう聞いてるよ。」


「あ…ちなみにどんなふうに聞いてますか?」


「うん。なんか動きが面白くて…面白い雰囲気の人だってさ」


「えぇ…」


ここでもやはり嬉しい事は言われなかった。

だが、翔駒は鵺子が気さくな女性だとすぐに理解した。


「じゃあ座ってる間暇だからなんかやろーよー」


「あ、すみません!ソシャゲのログボ回収するで少し待っててください!」


そこから30分ほど経ち、パーキングエリアに着いた。


「ふぅ…ここから後何分くらいかかりますか?」


「え?ここだけど。」


「え?」


「だから、ここのカフェ。」


しまった。

翔駒はてっきりもう少し狭い、大通りに沿って建っている都心の小型ビルの1階にある洒落た古民家風の小さめのカフェをイメージしていた。

実際は、パーキングエリアによくある横にだだっ広いチェーン店のカフェだったのだ。

しかしまぁ文句は言ってられない。


車から降り、駐車場を抜けてカフェの入り口に入る。

しかし、まぁ入ってみると駐車場側の景色がかなり綺麗だ。天井も果てしなく高い。

シャンデリアの雰囲気もなかなかなものだ。翔駒は全然満足だった。


「あー、やっときたー。」


ガラス際の相席に座るルーズソックスを履いた茶髪ツインテールの女子が茜を見つけて口を開く。

「ゆみー!!」

茜は突然彼女に抱きついた。


「ねえー、彼めっちゃ寡黙なんだけど。ずっとオレンジフラペチーノ飲んでる」


そう言って、由美と思われる人物は雅を指差した。

作業服にクリームが少し付着しているのを見て、由美は立ち上がりその汚れを自身のハンカチで拭った。


あまりにも馴れ馴れしい態度に戸惑ったのか、雅は終始困惑の表情を浮かべる。


「あぁ、翔駒…来たのか。」


雅は翔駒を見つけると、表情を変えてストローを口から離した。


「外のパラソルの所でもよかったね」


「うん…てか、ケーコはどうしたの?」


「あー、恵子なら今お手洗い」

「昨日からずっとお腹の調子が悪そうで心配だな。私はすぐ治ったけど」


「心配だねー…」


後から鵺子達が入店した。

鵺子達は4人用のテーブル席に座った。


トイレから優希が出てきて、緊張した様子で雅の前に座り込む。


「ねー、雅クン」

由美が雅に話しかける。


「この赤いのと白いの、どっちがウチに似合うと思う?」


そう言って2つのニット帽を雅の前に出す。


「あー…」

「俺…色盲でさ」


申し訳なさそうに頭を軽く掻いてそう答える。


「ウソ…色盲なの?可哀想…」


「いや、別にそこまで不便ではない。」

「…ちょっと貸してみてくれ」


そう言うと、雅は由美からニット帽を受け取った。

「そうだな…こっちの方が…柔らかくて丈夫そうだ」


「ざっくばらんな決め方になるかもしれないが…こっちの方が初見の由美さんの柔らかい物腰に合ってると思う」


そう言って赤色のニット帽を由美の頭に被せ、白色のニット帽を返そうとする。


「ありがと…いいよ。白い方は雅くんにあげる」


「そうか?…なら遠慮なく頂くよ」


雅はぎこちない動きでニット帽を被った。


「雅クン不器用だねー。」


「てかさ、なんでこの時期にニット帽買ったの?最近結構暑いし」


茜が純粋に聞く。


「これ、どっちもママが私にくれたやつなの。大晦日の大掃除で出てきたから、それで…」


「あーなるほど!でも確かに似合ってるよ。素敵!」


「ありがと〜」


気まずそうに両手を握って下を向き、唇を隠す優希の様子に気付いた翔駒はそのタイミングを見計らいカバンから中位のアクリルでできた箱を取り出した。


「優希クン、ほれ!」


翔駒は小声で優希を呼び、その箱を開けて自身のデッキを彼に見せる。


「さ、すごい!これが大会で使ったデッキですか…?」


「うん。こっちはグラビティドラゴンデッキだけど、たまにバンディットスライムデッキからカードを入れ替えて使ったりしてるよ。」


「うわぁあ…!あ、そうだ、僕も持ってきました」


「よいしょ〜!見せてや!」


「おぉ…そのカードは俺も持ってるぞ」


雅が興味津々と言った面持ちで覗き込んでくる。


「え?雅もやってんの?」


「小学生の時はよく休み時間にやっていたんだ」


翔駒は、ますます旧友の影と雅を照らし合わせる。

共通点が次々と露わになる。それに比例して、親近感が増していく。


「男子ってバカだねー羨ましい」


「なんで?」


「だって、紙であんなに盛り上がれるんだよ?私は無理かもなー」


「でも、アタシは趣味があるのは素敵だと思うよ」


「まぁね。男子からしたら、ファッションとかも気にしない人が多いと思うし」


「君たち、私が注文しとくから早めに決めなさい」

この中で唯一の大人である鵺子が催促する。


突然、雅のカバンが振動し始める。


「もしもし…はぁ、はぁ………!!」


「ごめん、俺はもう帰らなくてはいけない」


スマホをカバンに戻すと突然雅は席を立ち、急いで店を立ち去ろうとする。


「待てよ!どうやって帰る気だよ?!」


翔駒が引き留めるも、そのままどこかに走り去ってしまった。


「彼どうしたんだろ…」

女性陣も困惑している様子だ。


その時、赤いコートを着た眼帯の男が入店する。

店内をキョロキョロと見回し、翔駒を見つけると同時に声高らかに通信機のようなものに喋り出した。


「こちら一課、現在異能所持者がいると通報の入った場所で対象を発見しました。白玉さん、どうぞ」


『バカ、本名で呼ぶな。』


「失礼しました。直ちに取り押さえます」


幼い頃から地獄耳だった翔駒はその不可解な会話を聴いて昨日の夢がフラッシュバックした。


男が突然こちらに走り出す。


その時、翔駒の家。


『速報です』

『銀座で男性が発火し、そのまま5名の通行人に抱きついて5名全員が焼死するという事件が起きました』

『専門家の見解によりますと、…

『速報です』

『ハーバード大学の名誉教授が命名した謎の異能が…

『通称MPA、通称MPAです今発表されました、今発表されました』


「なんだこれは…」


翔駒の父である榊健治は、コーヒーブレイク中に観たニュースの内容に驚嘆した。


「意味がわからない…どうなっている?」


とある廃工場にて


廃棄されたパイプ管に謎の男が座り込んでいる。


「あの男はやっと刷り始めました」


「様子はどうだ」


「特に変わった部分はありません、今は万札をやらせています」


「そうか…」

「どんどん刷らせておけ」


「はい」


「俺には兄としての…責務がある」


その男はそう呟くと鞘に『蓮華』と刻まれた鞘に刀を納めた。

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